重度知的障害を伴う自閉症の彩夏の

聴覚過敏を何とか和らげられないだろうかと、

イヤーマフを試すことになりました。

 

彩夏は最初は嫌がったものの、

知的障害者就労支援事業所の職員の方に

おだてられ着けたらしいのです。

 

でもやっぱりくしゃみの音を
拾っていたというのです。
 
更には、音の聞こえが心地いいのか、
イヤーマフをつけると、
いつもは午後からのお昼寝が、
午前中から彩夏が寝てしまうというのです。(え~)
 
頼みの綱のイヤーマフに、
こんな落とし穴が・・・。
 
もうショックです。
 
3つ目の重りが私の肩と背中に乗りました。
(重い、重すぎる・・・)
 
何とかならないだろうか・・・。
 
みんなが頭をひねり、
知恵を出し合い・・・。
 
で、あるグッズがあると教えてもらい、
早速買いに行きましたが、在庫切れ。
 
取り寄せてもらうことになりました。
 
手に入れたのは「叫びの壺」。
 
まるで蛸壺のよう。
 
帰宅した彩夏は自ら手に取り、
口にあて叫んでいました。
 
お~、使い方が分かるのかと感心。
 
翌日、叫びの壷を持たせることにしました。
 
しかし、
背負うリュックは重さがもう10キロあり、
荷物がパンパンで隙間なし。
 
手提げバッグにもめい一杯詰め込み、数キロ。
 
もはや片手で持てず、
手提げバッグを両手で持っているのです。
 
「ねえ、ちょっと荷物減らそうか?」
という私の声かけに、
彩夏は叫びの壷を置いていこうとしたのです。
 
「それいるから!!」
(何より今、一番必要だから!!
怖い怖い。何するんだ、彩夏は!)
 
そこで、
彩夏は、私が用意した赤い風呂敷に叫びの壺を入れ、
リュックの持ち手部分に結んでいました。
 
そして、
不安と期待を胸に、
彩夏を迎えに行った時、
職員の方よりグッドのジェスチャー。
 
彩夏は叫ぶものの、
他の利用者の人が煽られるほどではない声量に
抑えられていたというのです。
(やっと一つ山を超えた~)
 
私は、彩夏が特別支援学校在学中、
卒業後に彩夏がもっとスムーズに新しい環境に慣れ、
生活していけると思っていたのですが、
フタを開ければ全然違っていて・・・。
 
悩みはつきません。
 
でもひとつずつ、
彩夏が生きやすいように考えて、
対処していきたいと思います。