面接に指定された時刻の15分前、アルバイト先のレストランに到着しました。



お父さん
「当たり前だが、約束の時間10分前には行くんだぞ、15分前でもいい」



事前にその事を聞いていたので、ちゃんと守って到着しました。



レジの店員さんにアルバイトの面接に来た事を告げると、ほどなく店長さんが現れました。


店長さん
「よ~し、ちゃんと時間どうり来たね、じゃあこっちに来て~」


・・・


この瞬間、お父さんの言っていたとうりだと思いました。

そして、店長さんの「ちゃんと時間とうりに来たね」の言葉は、今思うと、とても深い意味があるように思えます。

当時の僕は、「面接が始まる前から面接は始まっているんだな~」なんて若造ながらに思ってました。

また、『10分前』の社会常識を大事と分かっていながら、なかなか守れない自分を恥じると共に、親にはちゃんと教わる事は教わっていたんだな~と、このブログを書きながらしみじみ思い返すみやむであります。



店長さん
「じゃあ、こっちに座って」


面接場所は裏の事務所かと思いましたが、店内の隅のテーブルでした。


店長さん
「履歴書持って来たよね、じゃあ見せて」


店長さん
「ふむふむ・・・あれ?君は高校に通ってる?」


みやむ
「この春に中学を卒業して、これから高校に通うんです(汗)」


店長
「そっかー、学生さんって聞いてたからねー・・・そっかそっかー(笑)」


みやむ
「・・・(汗汗)」


店長さん
「お父さん、お母さんは知ってるの?」


みやむ
「はい!」


店長さん
「ここまでは何で来るつもりなの?」


みやむ
「あっ、はい、自転車で来るつもりです」


店長さん
「そっかー」


・・・


・・・


ちょっとの沈黙の後


店長さん
「じゃあね、君は高校入学見込みとはいえ一応まだ中学生だから、他の人より時給安くなっちゃうけどそれでいい?」


みやむ
「はい!」


店長さん
「時給は680円、自転車で通うから、タイヤ台として一回通うごとに140円付けてあげるよ、いい?」


みやむ
「はっ、はい!!」


それからバイトに入れる日や、春休みが終わった後のシフト希望など、細かな話し合いをしました。


店長さん
「次来た時に、教育用のビデオを見せてあげるから、まずは店内を見せてあげるよ」


店長さんに順繰りと店内の施設を見せて頂き、既に働いているバイトさんに一人一人僕の事を紹介して下さりました。


そして帰り際に


店長さん
「じゃあ、おうちのお父さんお母さんに宜しく伝えてね」


みやむ
「は、はい!ありがとうございました!!」




今こうしてブログを書いていると、あの時の情景が鮮明に思い出されます。


僕は色んな仕事をしただけ、色んな人に使われてきましたが、この店長は、なかなかの人格者でした。

半分ちゅーぼーの自分に、差別なく対応していただき、両親にも気を使って頂きました。

バイト代も安くすると言われましたが、自転車のタイヤ代は、しっかり決められた時間とおり働けば、高校生と同じ位に成るよう設定してくれた気がします。



家に帰り、お父さんに報告すると。


お父さん
「そうか雇ってくれたか、ちゃんと高校に入学していないからダメだと思ったけどな。春先は切り替えの時期だから、あの業界はどこもいま人手不足なんだよ、まあ社会勉強だと思って迷惑掛けない程度にガンバレや」



迷惑・・・


あの時は単に、『バイト先に迷惑掛けないように』と捉えていましたが、今思うと色んな意味合いが含まれているんだなと思い返すみやむです。