先日のH3ロケットの発射は「中止」か「失敗」か | 宮本 茂@横浜 書きたい事を書くブログ

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2/17に打ち上げようとしていたH3ロケット1号機は、発射のホント直前に「フェイルセーフシステム」が発動して御存知の通り発射シーケンスを停止させました。

この後の会見ではJAXAの関係者は「中止」と強調し、共同通信の記者は「失敗」だろうと言い寄って失敗ですねと断定していました。

この件については多くの人が「中止」だとこの記者を批判していたのですが、個人的には違和感があるんですよね。

実際、この日予定していた人工衛星は打ち上げられず、予定が狂ってしまっているわけです。

にも関わらず「中止」だと強調して会見は終了しました。

 

では、実際どうして発射シーケンスが止まってしまったのか、純粋に技術的な点から見てみたいと思います。

 

上の記事にあるように直接の原因は、主エンジン制御部の電力(に係わるパーツ)がダウンしたためで、発射の実に0.4秒前に停止されました。

発射シーケンスは以下の通りです(記事より引用)。

異常が検知されたのが赤の矢印のタイミングで、オレンジの部分の最終シーケンスが停止されました。

本当に発射寸前です。

2/17時点では問題の箇所までは特定できなかったと思いますが、現時点では問題が発生した箇所とその問題を起こす原因となった要因の推定までは進んでいるようです。

 

ただ、根本的な問題の原因の特定とその対策はまだこれからです。

にも関わらず、次の発射予定は原因が判明する前に3/10と早々に定められました。

なぜ、原因も対策方法も明確になる前に次の発射予定だけが決まってしまっているんでしょう?

正直、他の業種では考えられない話です。

#見通しのない予定ありきは、ただのブラックですから

 

今回のJAXAの対応には会見の場で発言した記者以外も違和感を明言しています。

 

 何故失敗という言葉を異様なまでに忌避し中止という表現にこだわるのか。

そこには決して失敗してはいけないという無言の圧力とプレッシャーがあるのではということです。

まるで失敗という言葉を口にした瞬間に組織の意義が崩壊するかのような意識、圧力でも掛かっているかのようです。

この件についてはホリエモン始め、著名人も失敗という表現を批判してますが、多くの人が失敗という表現に対してに対して異様なまでの拒否反応を示しています。

別に今回は「予定通り打ち上がらず、打ち上げに失敗しました」といえば済むのにね。

実際、共同新聞以外の新聞の見出しにも失敗の文字があったようです。

天候などの要因で発射シーケンスすら発動せず、能動的に止めたのなら中止でいいと思いますが、今回はフェイルセーフシステムに「止められて」しまったのですし正確には中止に追い込まれたというべきです。

設計・実装の一部に問題があって止められてしまったのだから失敗といえばいいのではないかと思います。

別に悪いことではないのだから。


JAXAを始め失敗を異様に忌避する組織も普通に失敗を認められるようになればいいんですけどね。

そして旧MRJもね。