ついにこの日がきてしまった。
だましだましやってきた6年間。
ぜんぜんイケると思っていた5年前。
少し違和感を感じはじめた4年前。
自分の目を疑いはじめた3年前。
けど大丈夫!きっと大丈夫!と自分に言い聞かせた2年前。
しかし我にかえった1年前。
目の前の現実が、果たして真実なのか幻なのか。夜も眠れず考え込んだ半年前。
今では、日々流れゆく景色が自分の造りだした幻想なのか。はたまた誰かが自分に訴えかけようと目の前に写し出した、心の叫びなのか。
ぼや~っと薄い霧がかかったかのような、僕の目の前に写し出される映像は今にも目を細めて遠くを凝視するかのごとく、どんどん肩に重石となってのし掛かってくる。
もぉ駄目だ……………。
ついに心が折れた…………。
これまで幾度のピンチにも耐えてこれたが…………今回ばかりはここで終わり。
最後は自分の力でピリオドを打つ。
自分の人生。自分で決めないと。
そして今日。
6年越しの現実と向き合うため、足早に向かった。
本当の現実を見る事になる恐怖感と、昔のように鮮やかな景色が広がる期待を背負って………
そして。
とうとう現実と向き合う瞬間が訪れた。
現実と幻の境界線に今立っている。
が、思わず目をぎゅっと閉じてしまった。
この目を開ければ6年間自分が信じて見てきた世界が、一瞬にして別の物になってしまうかと思うと、6年間のその一瞬一瞬が脳裏をよぎる。
だがここまできて後戻りはできない。
うっすら目を開けてみる。
そこに広がった世界は まるで今まで見てきた世界がどんなに醜く、荒れた世界だったか思いしらされんばかりの、鮮やかさと 視界に入ってくる物すべてに生命が宿ったかのような臨場感溢れる輝き。
その瞬間世界が明るくなった。
床のタイルの模様1つ1つが鮮明に映り、木のテーブルの木彫がハッキリと写っている。
これだ!
これが見たかった!
真っ黒ではないボディー。
硬さの中にうっすら軟らかさのアクセントを備長炭の欠片が演出する。
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ついにめがねを手に入れた。
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