北山悦史の これどうですか。
童話 103
豚のしっぽ
北山悦史
雄馬くんは、豚小屋を覗いています。
お父さん豚にお母さん豚、子豚が6匹。
みんな元気です。
どの豚さんも、くるくる巻きのしっぽ。
少し伸びたりもして、しょっちゅう、くるくる、くるくる、動いています。
お母さん豚が、雄馬くんに気づきました。
「あら、雄馬くん、こんにちは」
「豚さんのお母さん、こんにちは」
他の家族も顔を向けて、
「雄馬くん、こんにちはー」
「豚さんのみんな、こんにちはー」
雄馬くんは、8匹の豚と同じように、しっぽをくるくる、動かしました。
雄馬くんは、お隣のおうちの飼い猫。
近所の猫たちとは違って、雄馬くんのだけ、しっぽはくるくる、巻いているのです。
[了]