はじめて彼を見たとき

面白いもんみっけた そう思った

いじめたいとかそんなんじゃなくてかわいがりたい 的な

 

はじめて彼の声を聞いたときゾワッと鳥肌を感じたんだ

 

 

 新入生代表 櫻井翔

 

意志の強いよく通る声だった

かわいらしい顔をしているがその声に男を感じた

なんともいえない感情だ

 

 

彼の姿を食い入るようにみていると彼がフッと顔を崩した

視線の先にはとてもかわいい子

 トクン 音がなった気がした

隣のひとも気にせず彼にむかってこれでもかってほど手を振っている

 

 

あの瞳に俺がうつったら・・・

 

 

だったら彼を利用してみようじゃないか

俺意外と策士なんだよ?(笑)

 

そっからの行動は早い

動かなきゃなにも始まらないからね

彼 翔くんと仲良くなるのは簡単だった

人を信じやすいのか はたまた俺だったからか、なんてうぬぼれすぎか(笑)

 

翔くんを生徒会長にした

めんどくさいと言ったが理由的には半分正解かな

もう半分はなんだろね(笑)

翔くんなら絶対やると思ったし彼の性格上俺も巻き込むだろうと思った

俺の予想はあたり俺は副会長になることになった

すんげえ、めんどいけど

 

 

でも得たものは大きかった

翔くんの隣は心地よい 賢いからか話す話題は豊富で退屈しなかった

誰にも邪魔されたくない

次第にそう感じるようになった

翔くんとどれだけ仲良くなっても満たされない

彼が俺をみてくれていないからだ

俺と話していても翔くんはちょくちょく携帯を気にしていた

んで嬉しそうに携帯をみて楽しそうになにか打っている

 

 

 

  あの子かな  

 

直感でそう感じた

 

 

「なにしてんのー?」

 

なにも気づいてないように声をかける

 

「潤からメール(笑)あいつん家今日栗ごはんなんだって

 ほんとくだらないことでいつもメールしてくるんだよ、」

 

そう言う彼は言葉と表情が一致していなかった

 愛しい そんな風だった

 

 

「好きなの ?」

 

自分でも驚くほど低い声がでたと思う

 

 

「え? なに言ってんの智くん・・・(笑)

 潤はただの・・ 」

 

「ただのお隣さん ?」

 

「いや・・・あの・・・」

 

また口ごもる

 

 

「お隣さん以前に男だもんねー」

 

 

禁断の言葉を言った気がした

彼の表情がみるみる曇る

ふっ(笑)

自然と笑みがこぼれる

 

「翔くんはそんな人じゃないもんね、

 男とか気持ち悪いよな(笑)」

 

 

俺って友達としてほんと最低だと思う

なんで応援してあげられないんだろう・・・

 

 

翔くんを取られるのがなによりも嫌だった

メール先の潤くんに嫉妬した

でもこれは恋とかじゃないだろ

ただ、むかつくだけ

俺、屈折してるなあ(笑)

 

 

「あ・・当たり前じゃん! 潤なんか好きじゃないよ・・・」

 

 

苦しそうに話す翔くんに

俺、大事なひとを傷つけたんだ と痛感した

 

 

もう、もとには戻れない

 

 

その日から俺の目の前で携帯を気にしなくなった

そのことに初めて心が満たされたように感じた

 

 

 

 

 

そんなある日、授業中寝ていたら翔くんの叫び声に起こされた

なんだ・・・?

その答えはすぐにわかった

授業終わりせんせーに注意されてきたのかわかりやすくしょぼんとした彼が俺のとこまでやってきて

珍しく怒られちゃった(笑)とかわいらしく笑った

 

 

「翔くんが珍しいじゃん、なにかあったの?」

 

 

「うんっ、潤がね?潤が合格したって!」

 

 

「そうなんだ・・」

 

 

 

 

潤くん

キミが憎いよ(笑)

翔くんの喜怒哀楽はキミなんだね、潤くん