じっとしているとそのまま溶け出してしまいそうなので、
目が覚めたら、たとえそれが休みの日でも、
とにかくどこかに出かけていくことにしています。
例えば、
マッサージ屋に行ったり
酸素カプセルに入ったり
美容院に行ったりすると
ちょっとしたやりとりを交わす以外は
ただそこにじっとしているだけなのに
時間が経つと、
そこに来る前とは、
少し違う自分に変わっているなあと思います。じっとしてるだけなのにね。
まあそれとはあまり関係ないかもしれないけれど、
夏になると何故かいつも強く思うのは、
全てのものは
望む望まないに関わらず、
変化してゆくものなのだということです。
でもだからこそ、その中で、
自分の身体の中に、いつからか冷たく凍結されたままのものがあることに、ふと、気づくことがあります。
それは他人に触れさせるどころか、
自分でも、もう長く触れてこなかったものです。
暑い夏の夜は
それが溶け出してきそうになり、
以前はそれを溶かしては眺めていたように思うのですが、
今の私は、
冷蔵庫からいそいで氷枕を取り出してきて、
そのまま
眠ってしまうことにしています。
昨夜の満月は特に危なかった。
8月になりました。
歳をとるにつれて、一年が短く感じられるようになる、とよく言いますが、
私はあまりそう思わない方で、
人生はなんて長いんだ、
と、うんざりしているようなところがありました。
でも、今年はどうも、ここまでなんだかあっという間で、
いつものように色々なことがそれなりに起こってはいたはずなのに、
時間がすっ飛ばされているような気がしています。
なんでだろ、と考えて思いついたのは、
ブログとか書いてないからだ、ということでした。
私は子どものころから、ブログじゃなくても日記のようなものをあちこちに、ことあるごとに書き散らしてしまい込んであるのですが、
今年に入ってしばらく、そういうことをしなくなっていました。単純にサボってただけですけど。
でも、文字にして残すことをやらずにいると、自分でも自分のことをあまり思い出せなくなるものなのだなと思います。
誰が読むというわけではなくても、
言葉にして残しておくということには、それなりの力があって、
言葉にすることで、その時の心持ちを確認したり、あるいは気持ちを作り替えたりすることもできてしまう。
そんなことをしない方が、
自分の思考にとらわれることがなくなるので幸せかもしれない、思うこともあります。
あるいは、今やSNSは拡がりすぎて、逆にこういうの書くことが、ちょっと不自由に感じるようになってしまったところもあります。
まあでもなんだか、
この暑さに紛れてフワリと、
ただふと今日思ったことを、
またこうして書き留めてみようかしら、とも思ったわけです。
それと、今取り組んでいる
村上春樹の『氷男』という作品が、
影響してるのも確かです。
彼の綴る言葉に毎日毎日触れていると、
ちょっとカブれて、変な感じになってくるんです。
危ない危ない。
でもまあ、今年の夏はそうやって過ごします。
この夏が終わるころには、
またいつの間にか自分の何かがちょっと変化してしまっているのだとしたら、
それを楽しみにしておこうと思います。
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アタシファンタジーvol.2
『氷男』
原作 村上春樹
演出 三谷麻里子
出演 宮咲久美子
長島美穂
開演時間
✴︎開場は開演の30分前
池袋 ギャラリーK にて
(JR池袋駅西口またはメトロポリタン口 から徒歩約5分)
前売2500円 当日2800円
(日時指定・全席自由 )
チケット予約
アタシファンタジーHPから
コリッチチケットから
あるいは、宮咲に直接でも、もちろん承ります。