娘と息子
ある知人には、同じ県内に娘さんがいる。 「いいわねえ、娘さんがいて」と私が言うと 彼女は、「娘とは気があわんの。もう、半年もお互い 音信不通よ」 もう一人の知人も、「わたしゃあ、娘とは気があわんの。 お互い電話もせんし、ラインもね」と言われる。 お二人とも70代後半、お元気なので、娘さんは心配されないのだろう。 娘さんがおられる方の中には、定期的に親のもとを訪れ、母親の世話や 旅行や観光に連れだしてもらわれるのを、耳にすると 羨ましいなと思うことがある。 我が家は長男は結婚しているが、次男は未婚だ。 今では、家庭を持っている女性も働く時代だが 娘なら、働く時間をぬって独居の老親のもとを訪れてくれるような気がする。 息子は「会社の仕事が忙しくて、悪いけど、しばらくは帰られん」と言う 返事が多い。 それに我が家に来ても、車で本屋などに出て行き、ゆっくり話す時間はない。 とりたてて、話すこともないのだが、娘なら、他愛もない話に 付き合ってくれるのかもと、 ふと寂しく思うことがある。 息子が冷たいわけではないだろう。 やはり男女の違いなのだろうか。 私は実家からかなり遠く離れた地で所帯をもった。 実家に帰省するには、当時7時間ほどかかった。 母はよく、「娘がおっても遠くじゃあつまらん!」と言っていたものだ。 私の妹が、車で40分の所に住んでおり、頻繁に母のもとに 帰っていたのに、娘2人共が、近くにいないことが不満だったのだろう。 私も息子たちと言い合いをすることもある。 (私に母親であると言う観念が欠如しているから) しかし、一週間もすれば、どちらともなく、連絡を取り合う。 おもに息子たちの方からだが。 息子の嫁さんは、子供はいらないと言う人。 「どうして子供がいらないの?」と聞いたことがある。 「子供を育てる自信がないんです」と言うのが答えだった。 私は何も言えなかったことを憶えている。