山の話の流れで、ちょっと昔の話を。





二十数年前に、旦那が浮気していた頃のこと。



ある日、息子の忘れ物を学校へ届けたあと、何故か不意に



「筑波山へ行こう」



と思い立ち、それまで一人で高速に乗った事がない私が、車を走らせて筑波山へ行ったことがありました。




筑波山は、旦那とのデートで来た事がある、思い出の地でした。

その頃を思い出しながらの一人ドライブです。




つくばの街並み…あれは大学のあたりかしら、整然とした綺麗な区画で気持ちよく車を走らせ、2時間ほどだったかな、そのくらいで目的地に到着しました。




車を駐車場に停め、歩き出したら、そこに大きな大きな木がありました。



平日の昼間で、周りに人はおらず、私はその木の幹に耳をつけました。

すると、ゴーゴーと音が聞こえ、なんだかものすごく感動しました。



この木は生きている。

そして、私も生きている。



そう、強く思いました。



道を進むと、登山?ハイキングコース?ハイキングにしちゃ、結構険しかったけど、そんな道が現れました。



私は、息子に忘れ物を届けるだけのつもりだったので、サンダル(パカパカしないサンダル)履きで来ていました。



本当に、中々険しかったんです…

でも、気持ちが昂っていたのか、全然疲れなくて、周りに人がいない山道をひたすら歩きました。



緑が深く、空気が気持ちいい。

森林浴とはよく言ったものです。



途中、ケーブルカーとすれ違いながら、どのくらいかけて登ったんでしょう。

登り切った時は本当に気持ち良かったです。



そこから山頂付近を歩いて、昔、二人でおみくじを引いた神社へ…



旦那の浮気に身も心もボロボロになって、死んでしまいたいと思った事も何度もありました。



その時ひいたおみくじの言葉は、今も覚えています。







  春くれば


   降り積む雪も とけむまじ


  しばし時待て 山のうぐいす





時がくれば…



この苦しみから解き放たれる日が来る



もう少し…



あと少し…






そのおみくじの言葉にどれだけ救われたことか…

実際のところ、春が来るのはそれから一年半ほど経ってからのことでしたが、本当に、本当に嬉しい言葉でした。








登ったのは多分このコースですね。

ストリートビューが載ってましたが、よくまぁこんな険しい道をサンダルで登ったもんだ…ガーン