ある人の養子縁組が無効だと主張できる裁判があります。

 

養子縁組無効確認訴訟と呼ばれることがあります。

 

この裁判は、滅多に起きませんが、弁護士の中でも担当したことがない人が大多数ですが、私は複数件担当したことがあります。

 

 

養子縁組が成立するための実質的要件は、当事者間の縁組の合意であり、形式的要件は、当事者が戸籍法に基づいた縁組の届出であるとされています(民法799条の準用する739条・802条)。

 

とりわけ、養子縁組では、

①届出時における当事者の意思能力および②代行者による署名・押印という点に関して、その有効性が問題となることがあります。

 

 

①    届出時における当事者の意思能力

従来の通説では、形式的要件である縁組の届出は、成立要件であるとされていたため、届出の提出・受理の時点においても、実質的要件である縁組の合意や縁組意思が必要であるとされていました。

そのため、大審院時代の判例においては、当事者が縁組届出の当時、心神喪失や意識不明の状態にあって、意思能力・縁組意思を有しなかった場合には、その届出により成立した縁組はすべて無効とされていました(大判大正6年12月20日ほか)。

 

しかし、厳格すぎる運用では、当事者の期待等にそぐわない結果を招くことにもなるとして、一部の学説では、届出を成立要件ではなく効力発生要件と解すべきとしていました。

そして、最高裁においても、当事者間において養子縁組の合意が成立しており、かつ、その当事者から他人に対し同縁組の届出の委託がされていたときは、届出が受理された当時当事者が意識を失っていたとしても、その受理の前に翻意したなどの特段の事情の存在しないかぎり、同届出の受理により養子縁組は有効に成立するものと解されています(最判昭和45年11月24日)。

 

 

②    代行者による署名・押印

届出において、届出人の氏名の代書が許されており(戸籍法施行規則62条1項)、また、調印についても、第三者が本人の委託によってなすことが許されるべきであるとされています。

ただし、その場合にはその事由の記載が義務付けられています(戸籍法施行規則62条2項)。

この規定は、養子縁組届出のような創設的届出の場合における適用について代書は許されないと反対する見解が多くありました。

しかし、最高裁は、養子縁組の届出において、届出人の署名・押印が代行され、その事由の記載が欠けていても、その届出が受理された以上、縁組は有効に成立するものと解すべきとしています(最判昭和31年7月19日)。

 

 

養子縁組無効確認訴訟が起こされた場合、慌てずに経験がある弁護士に相談されることが重要です。

 

 

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都総合法律事務所 弁護士 高谷滋樹

 

 

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