今日の京都8月31日(土) | 都のかほり日記

都のかほり日記

京都、奈良、滋賀、神戸、東京。私のテリトリーです。
そこでのさまざまな出会いを綴っています。
仏像が大好きで、美味しいもの、スィーツ、美しいものが大好き。あちこちと出没しています。

おはようございます。
相変わらずのろのろ台風10号はまだ四国周辺にいます。
東海道新幹線の運行に関しては、一部運休なども予定されています。
運行情報にもお気をつけてください。


出典日本気象協会


そんな今日、8月31日は、二百十日です。台風の多い日もしくは風の強い日といわれています。今年はまさしくです。

【二百十日、二百二十日とは】

「二百十日」(にひゃくとおか)は雑節のひとつ。立春(2月4日頃)から数えて210日目の日で、毎年9月1日頃にあたります。今年は今日8月31日です。

この頃は稲が開花する重要な時期ですが、農作物に甚大な影響を与える台風に見舞われることも多い時期です。そこで、過去の経験から、農家にとっては油断のならないこの日を厄日として戒めるようになりました。それは農家だけでなく、漁師にとっても出漁できるかどうかとともに、生死に関わる問題でもありました。
八朔(旧暦8月1日)や二百二十日とともに、農家の三大厄日とされています。

【文学で出てくる二百十日】

●夏目漱石『二百十日』(1906)



作中年では9月2日が二百十日でした。当時の二百十日は9月1日か2日で、1906年は9月2日です。なお、改暦から1906年までで二百十日が9月2日となるのは、1902年・1903年・1906年だけです。
この小説は漱石の実体験を元にしており、それは二百十日ではあるが1899年9月1日のことです。

青空文庫
夏目漱石『二百十日』
https://www.aozora.gr.jp/cards/000148/files/751_14958.html

●宮沢賢治『風の又三郎』(1934)



作中年では9月1日が二百十日となっています。この設定は、原型の1つ『風野又三郎』(1924) の設定そのままです。いずれの時代でも二百十日は9月1日か2日で、1924年も1934年も9月1日でした。

青空文庫
宮沢賢治『風の又三郎』
https://www.aozora.gr.jp/cards/000081/files/462_15405.html

【風祭り】

農作物を守るために風を鎮めるための風祭りは全国各地に残っています。
特に有名なのが富山市八尾町で行われる風祭り、越中八尾「おわら風の盆」。独特の風情が人気を呼び、小説や歌にも数多く登場しています。

越中八尾「おわら風の盆」は、風を鎮める豊年祈願と盆踊りが融合し、娯楽のひとつとして愛しまれてきたお祭りで、300年以上の歴史があります。坂の町・八尾の古い街並みに哀愁をおびた胡弓の音色が響き、「越中おわら節」にのせて、編み笠をかぶった男女が踊り歩きます。誰もが楽しめる「豊年踊り」、優雅な「女踊り」、勇壮な「男踊り」があり、男女ペアで艶やかに踊ることもあります。
また、鎌が風の力を衰えさせると信じられていたため、屋根の上や軒先に鎌を取り付けたり、竹竿の先に鎌を付けて立てたりする風習もあります。



【野分とは】

野分という言葉があります。
野分と書いて「のわき」「のわけ」と読みます。
 台風の古称です。二百十日の頃、野の草を吹き分ける強い風を表します。
秋から冬にかけて吹く暴風。特に、二百十日・二百二十日前後に吹く台風を表します。
季語は 秋で「吹きとばす石は浅間の―かな/芭蕉」が有名です。

また、『源氏物語』第28巻の巻名でもあります。

○ 光源氏36歳の秋の話。

8月のある日、激しい野分(台風)が都を吹き荒れた。六条院の庭の草花も倒れ、そこへ訪れた夕霧は混乱の中で偶然紫の上の姿を垣間見、その美貌に衝撃を受ける。その後祖母大宮の元へ見舞いに参上してからも、爛漫の桜のような紫の上の艶姿は夕霧の脳裏に焼きついて消えなかった。

野分の去った翌日、源氏は夕霧を連れて、宿下がり中の秋好中宮を始めとする女君たちの見舞いに回った。玉鬘の元を訪れた時、こっそりと覗き見た夕霧は玉鬘の美しさに見とれると共に、親子とは思えない振舞いを見せる源氏に驚き不審に思う。とりどりに花のように美しい女性たちを思って心乱れつつ、雲居の雁へ文を送る夕霧だった。 

* 夕霧(ゆうぎり) は 光源氏の長男(実際の長男は冷泉帝)。母は葵の上です。 



源氏物語・野分きの一場面/画・尾形月耕 国立国会図書館蔵 

○夏目漱石の『野分』

 『野分』(のわき)は、夏目漱石によって書かれた中編小説。雑誌『ホトトギス』に1907年(明治40年)に掲載された。この中編小説が書かれた1907年は著者にとって転機である。夏目漱石はその年に東京大学の講師の職を辞めることを公に発表し、正規に『朝日新聞』へ投稿するようになった年である。同じ年に『虞美人草』も連載した。 
あらすじは、 「野分」は3人の作家にまつわる物語である。結核持ちである高柳とお洒落な中野は若く、学生時代からお互い近い関係で、成功を夢見て努力している大学院生である。3人のうち一番年上の道也先生は故郷で教職に就いていたが、富豪と権力者への無礼な態度が原因で、村人と生徒によってその職を追われることになった。現在は東京で編集者、及び作家としての仕事に携わり、なんとか生計を立てている。彼の妻はそのことに驚きを隠せないようである。日中は雑誌編集者で、いずれ「人格論」という真剣な作品を完成させ出版することを切望している。偶然にも、100円(当時では1ヶ月分の給料に相当)をめぐって3人は出会うことになる。

出典Wikipedia 
 
青空文庫『野分』
http://www.aozora.gr.jp/cards/000148/files/791_14959.html 

************************************************************************************************************************************


さあ、8月も終わります。8月と共に、夏も終わるように感じられます。
実際には、お彼岸までは残暑は、厳しそうです。ただ、時折、吹いてくる風に秋の気配を感じられます。
この酷暑の毎日、秋の訪れが待ち遠しいです。
さあ、今日から新しい週の始まりです。明日からは9月です。暑さに負けないで過ごしていきましょう。

どうぞ、今日もお元気で笑顔で楽しい1日でありますように!
行ってらっしゃい!

【今日の京都令和6年8月31日(土)】(No.3575)


※掲載の情報等が変更になる場合があります。お出かけ前にご確認ください。

中止になっている行事もあります。
お出かけの際にはご確認の上、お出かけください。

https://ja.kyoto.travel/news/format.php?id=143


○八朔祭/松尾大社(台風10号の接近のため中止)

○八朔祭法楽会・久世六斎念仏
/蔵王堂光福寺(台風10号の接近のため中止)

○八朔祭(お千度)・鉄扇音頭 /八大神社





*台風10号の接近に伴い、拝観中止や行事中止もあります。

「八朔」とは八月の朔日=一日(ついたち)のことで、陰暦の八月一日すなわち現在の九月一日前後に行われる祭を「八朔祭」と呼んでいます。
この時期は穀物の収穫期にあたるため、氏神に五穀の豊饒や家内安全などを祈願したことが八朔祭の由来です。

「お千度」
本来は神社本殿に「千度」(千回)のお詣りをするお千度参りでしたが、現在は簡略化されて三周を千周と見立てています。五穀豊穣や家内安全を祈願して、行灯を持った宮座、参列者、鉄扇音頭の踊りこ・音頭取(おんどとり:歌を歌う人)が本殿の周囲を三周します。

「鉄扇音頭」
一乗寺に伝承される踊りで、昭和の初めにいったん途絶えたこともありましたが、現在は保存会も結成され復興、継承されています。やぐらが組まれますが、太鼓などの楽器はありません。素朴で民衆的な歌に合わせてやぐらの周りを踊りながら回ります。節はゆったりとしたもので、踊りは「盆踊り」に似ています。鉄扇音頭は、京都市無形文化財に指定されています。

日程8月31日
アクセス
叡山電鉄「一乗寺駅」より徒歩10分 

○ 八朔祭/雙栗(さくり)神社 

*台風10号の接近に伴い、拝観中止や行事中止もあります。

八朔の日として神事が行われ、神饌を供えてその年の稲作地の農作物の豊凶を占います。
日程8月31日
料金無料
アクセス
近鉄大久保駅からバス7分、バス停:公団南→徒歩5分

○総供養法要(百僧供養)/智積院



*台風10号の接近に伴い、拝観中止や行事中止もあります。
永代・納骨・日月牌総供養法要とは総本山智積院にてご回向されたすべての精霊へのご回向するための法要です。
智積院に在山している僧侶全員が法要に出仕する為、百僧供養とも呼ばれています。金堂内に奉安されている諸精霊の霊簿を香に薫じて改めて懇ろにご回向します。また、大勢の僧侶が節の付いた光明真言を唱えながら金堂内陣を行道し、散華を放ちます。
午前11時より金堂にて勤修します。
日程8月31日
時間午前11時
アクセス
市バス東山七条

○ 貴船の川床(〜9/30)

○ 鴨川納涼床(〜9/30)

○ 嵐山鵜飼(〜9/23)/渡月橋付近

○宇治川鵜飼(〜9/30)/宇治川

○ 上七軒ビアガーデン(〜9/7)/上七軒歌舞練場

#京の歳時記
#二百十日
#二百二十日
#夏目漱石
#宮沢賢治
#源氏物語
#八朔
#八朔祭
#八大神社
#雙栗神社
#智積院