今日の京都7月16日(火) | 都のかほり日記

都のかほり日記

京都、奈良、滋賀、神戸、東京。私のテリトリーです。
そこでのさまざまな出会いを綴っています。
仏像が大好きで、美味しいもの、スィーツ、美しいものが大好き。あちこちと出没しています。

おはようございます。
今日は、祇園祭前祭の宵山です。四条通や室町通、新町通などの鉾町には山鉾が建ち並び、夜になると駒形提灯に灯が灯り、あちこちからお囃子が聴こえてきます。



さて、先日、友人が長刀鉾などの鉾と北観音山や南観音山の違いがわからないと
言っているのを聞いて、「山」と「鉾」の種類についてまとめてみました。

【山鉾の種類】

山鉾はその形から5つに分類されます。数の多い順に、「舁山(かきやま)」「鉾(ほこ)」「曳山(ひきやま)」「船鉾(ふねほこ)」「傘鉾(かさほこ)」です。

⚫鉾 (ほこ)
真木(しんぎ)という中心の柱を疫神の依代とし(これ自体がいわゆる“鉾”)、それが大型化して乗り物となり、稚児や囃子方を乗せる形となったものです。真木の先端には「鉾頭」という鉾ごとに異なる形のシンボルが取り付けられています。その下方には「天王人形」という小さな御神体人形が取り付けられています。その下方には「しゃぐま」という縄で作った突起状のものが作られ、鉾により数が決まっています。しゃぐまの中間に榊が取り付けられる。多くの鉾は真木の両側に突き出るように取り付けられますが、函谷鉾のみ円形に取り付けられます。大屋根は千鳥破風状に作られますが菊水鉾のみ唐破風です。

乗員搭乗部は50人ほどが詰めあって乗り込め、囃子方などが乗り込みます。最前部には長刀鉾のみ生稚児が、それ以外の鉾は稚児人形が乗ります。胴体は懸装品で飾られます。胴体の下方には「石持」という巨大な角材があります。この石持により鉾の重心を下げているのです。車輪にはクッションに相当するものがなく、縄で結ぶだけの柔構造により衝撃を少しは吸収しているのです。乗員搭乗部の床には蓋があり、開けると基礎部の内部に出ることができ、巡行中に鉾の乗り降りをする急用ができた際に使われます。屋根にも穴が開けられており、屋根方の乗り降りに使われます。



いずれも前祭の長刀鉾・函谷鉾・鶏鉾・月鉾・菊水鉾・放下鉾がこれに該当します。

⚫ 曳山 (ひきやま)
鉾同様に車輪を付け綱で引いて動かし、鉾のように囃子方も乗せています。鉾との最大の違いは屋根の上に舁山同様に真松を立てていることです。後祭の曳山の松には木彫の鳥が取り付けられています。

初期の曳山には屋根がなく、大きめの舁山に車輪が付いているような形で、山の上は舁山と同じように御神体人形にちなむ一場面を見せる趣向であったと唖おわれています。

囃子方を雨や夏の日差しから守るために、岩戸山が屋根付きに改造されたのをきっかけに、他の曳山も次々と屋根付きに改造されました。現在の曳山は鉾同様の姿ですが、巡行中に鉾のように稚児人形を乗せず、御神体人形を乗員搭乗部に乗せています。岩戸山は屋根の上にも御神体人形を安置します。



前祭の岩戸山。後祭の北観音山・南観音山と鷹山がこれに該当すします。

⚫ 舁山 (かきやま)
御神体人形(祠に御神体を祀る所もある)を乗せ、それによって中国や日本の故事・謡曲などの一場面を見せる趣向を主とし(町内に祀られている神仏を乗せる所もある)、人が舁いて(担いで)巡行します(現在は人出不足を理由に補助輪を付けて押しています)。御神体人形には橋弁慶山の御神体を除き朱傘が掛けられますが、郭巨山のみ油紙の屋根が掛けられます。山の上には布で覆った籠を伏せて置き、「山」に見立て、そこから松(真松という・太子山のみ杉)を立てて疫神の依代とします。山には前面に穴をあけて洞に見立て、中に御神体人形等を入れることもあります。真松には山ごとに異なる数の鈴を吊るす事が多いですが、月・日に見立てた金属板を吊るす山もあります。孟宗山は積雪を表現した綿を松に乗せており、保昌山は宵山期間に町会所で販売され願い事を書いて奉納された恋愛成就の絵馬が多数吊るされます。山の胴体には、染織品・刺繍・タペストリー等の懸装品で飾られます。

なお、上に山を作らず、真松も立てない橋弁慶山・浄妙山・蟷螂山は厳密には「屋台」という形式になります。 



数としては一番多いのがこの 舁山です。
前祭:保昌山、孟宗山、占出山、山伏山、
霰天神山、郭巨山、伯牙山、芦刈山、
油天神山、木賊山、太子山、白楽天山、
蟷螂山
後祭:橋弁慶山、鯉山、浄明山、黒主山、役行者山、鈴鹿山、八幡山

⚫船鉾 (ふなほこ)
鉾というが真木を立てない点で他の鉾と一線を画し、形が船という独特の構造をしています。独特な形の複雑な屋根を持ちます。巡行中は鉾上に御神体人形を安置するところは鉾よりも曳山に近いですが、真松を持たないので「山」ではありません。帆柱に吹流しをつけ、船尾に神紋を染め抜いた旗をかかげます。



前祭の船鉾。後祭の大船鉾がこれに該当します。

⚫傘鉾 (かさほこ)
踊りの列や囃子方を有し、それらが大きな傘である鉾と一体で歩く行列です。鉾に乗ることはできませんが鉾の古い形態と言われます。但し、綾傘鉾は過去に「曳鉾」型だった時代があります。また、綾傘鉾には稚児も参加しますが、長刀鉾の稚児と異なり地上を歩きます。



前祭の綾傘鉾・四条傘鉾がこれに該当します。

参考Wikipedia

山鉾にまつわる話です。
【真木】



鉾の真木には上から順に、鉾頭(ほこがしら)、大幡(おおはた)、天王人形(小屋根、岩=台、含む)、関、角幡(かくはた)、榊、しゃぐま(飾り結び)、しゃぐま垂れ、網隠し(あみかくし)などの真木飾りがあります。
写真欄の鉾の図をご覧ください。



写真出典
京都市文化史祇園祭山鉾篇

【鉾頭】
鉾頭とは、真木の一番上に取り付けられます。
ある意味、鉾にとってのシンボルとも言えると思います。それぞれの鉾頭には意味があり、その鉾の精神が表されています。

⚫︎長刀鉾 
長刀
三条宗近作と伝わる長刀(レプリカです)
⚫︎函谷鉾 月に山型と三日月のモチーフです。三角が山を表しており月形とあわせて山中の闇を表しています。
⚫︎鶏鉾 
三角に日の丸です。三角形と中の円形は太鼓と鶏卵これは鶏卵が諫鼓(かんこ)の中にあることを示しており、天下がよく収まり、訴訟で使われる太鼓である諫鼓に鶏が巣をつくったという故事を示しています。
⚫︎月鉾 
三日月
18金製の新月型(みかづき)
です。三日月で新月を表すというのはイスラム圏と同じです。
⚫︎菊水鉾 
菊花
金色の透かし彫りの十六弁の菊の花です。
⚫︎放下鉾
三光(日・月・星)の三つの光が下界を照らす形です。この形が洲浜に似ているため
「すはま鉾」とも言われています。鉾頭は真木に挟まれるように設置されているため、前後どちらからも裏側からのように見えます。

⚫︎船鉾 
鉾頭なし



鉾頭
左上長刀鉾 左中鶏鉾 左下函谷鉾
右上月鉾 右中菊水鉾 右下放下鉾

【鉾の天王座】
鉾頭の下あたりの天王座に、20~30㎝ほどの天王人形を祀っています。
天王人形は祭り以外のときは、蔵の中に秘匿されています。鉾建ての時に蔵から出して、鉾の上部(真木)の天王座に納められます。天王座に納めるときもその厨子を布で覆い隠して、できるだけ人目に触れないように配慮しています。
一般の見物客は、これを下からはるかに拝むこととなります。
山の人形と違って、人目に触れないようにしているのは聖性を強く意識しているからと言われています。

⚫︎長刀鉾 
和泉小次郎の船を担いだ人形
和泉小次郎親衡は平安末期に活躍した源氏の武将で、三条小鍛冶宗近作の大長刀により大活躍したという武将です。
⚫︎鶏鉾
住吉明神とされ、古くは櫂を持っていたという。住吉大社のご祭神です。
菊水鉾・・・彭 祖(ほうそ) 八百歳の寿命を保ったといわれる中国の仙人です。
⚫︎函谷鉾
孟嘗君(もうしょうくん)
中国の孟嘗君が「鶏」の声によって函谷関を脱出できたとの故事から名付けられた函谷鉾です。
⚫︎放下鉾
放下僧(ほうかそう) 放下(ほうげ)とは、妄念や執着を捨てて俗世間を解脱することで、放下僧は街角で芸をしながら仏法を説いたと言われています。
⚫︎月 鉾
月読尊(つきよみのみこと) 船に乗り、月を仰いでいるシーンを示しています。
⚫︎ 菊水鉾
彭祖(ほうそ)
300歳も長生きしたと伝わる中国の彭祖像



天王座人形
左上菊水鉾 左中長刀鉾 左下放下鉾
右上月鉾 右中函谷鉾 右下鶏鉾

【山鉾の稚児・人形】

昔は、船鉾以外の鉾はすべて稚児が乗っていたが、函谷鉾が天保10年(1839年)に人形としたのが人形稚児の始まりであり、昭和4年(1929年)放下鉾が人形になったのを最後に今は、長刀鉾以外は皆人形となった。


●生き稚 児
 長刀鉾
●人 形
⚫︎函谷鉾
嘉多丸 
天保10年(1839年)
⚫︎鶏鉾
名前なし
文久3年(1863年)
⚫︎月鉾
於兎麿
明治45年(1912年)
1911年まで生き稚児が乗っていたが、翌年からは当時活躍していた三世伊東久重に依頼し制作された人形が、巡行に参加するようになった。

⚫︎放下鉾
三光丸
昭和4年(1929年) 
稚児舞ができます。
稚児人形は京人形師の12世面庄が制作し、久邇宮朝彦親王の第五王子多嘉王(1875−1937)によって、放下鉾の鉾頭の由緒にちなみ「三光丸」と命名されました。
この稚児舞は巡行当日のお旅所前、四条河原町の交差点、町内にかえってきた時などに行われます。その動作は、以下の通りです。
1)両手・両バチをそろえてまっすぐのばす。
2)その状態で手を左から右に移動する。
3)手を右から左に移動する。
4)手を左から右に移動し、真ん中にきたらまっすぐ上にあげる。
5)両手をひろげ、羯鼓を2回うつ。
動画です。
https://youtu.be/x1nqfZmNfKk
⚫︎菊水鉾
菊丸
昭和31年(1956年)



稚児人形
左上函谷鉾嘉多丸 右上鶏鉾お名前なし
左下月鉾於兎麿 下真ん中放下鉾三光丸 
右下菊水鉾菊丸

【山の飾り物】
○人形と鳥居 3基
油天神山、鯉山、鈴鹿山
○小祠と鳥居 1基
霰天神山
○小祠 1基 八幡山
○人形 17基・・・ 上記以外の山鉾の稚児・人形

なかなか山鉾の細部までは眺めれないかもしれませんが、鉾頭や天王座人形、稚児人形なども注目するのも面白いと思います。

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どうぞ、今日もお元気で笑顔で楽しい1日でありますように!
行ってらっしゃい!

【今日の京都令和6年7月16日(火)】(No.3529)


※掲載の情報等が変更になる場合があります。お出かけ前にご確認ください。

中止になっている行事もあります。
お出かけの際にはご確認の上、お出かけください。

https://ja.kyoto.travel/news/format.php?id=143

祇園祭のひと月は
こちらをご覧ください。

【祇園祭のひと月】

https://www.facebook.com/groups/1666630253598530/permalink/3748649418729926/




【宵山の一日】

○7月16日のみの販売「行者餅」
柏屋光貞のさんの「行者餅(ぎょうじゃもち)」は 祇園祭の「役の行者山(えんのぎょうじゃやま)」縁(ゆかり)のお菓子です。祇園祭の7月16日のみしか販売されません。
行者と言えば、修験道の山伏を指しますが、どうしてそんな名前がお菓子についたのかです。
それは江戸時代後期、京都に疫病が流行した時のことです。
4代目の柏屋利兵衛氏が山伏として大峰山(奈良県)の修業していた時に、
夢のお告げ通りに、行者の衣に似せた菓子を作って、祇園祭の山鉾、役行者山にお供えしたところ、効果を発揮したのだそうです。それ以来、「行者餅」と名付けて、祇園祭の宵山の一日に限って作られます。 
求肥餅と山椒と白味噌の絶妙なお味です。初めて召し上がられる方は、白味噌と山椒のコラボにちょっとびっくりかもしれませんが、みなさん、後を引くお味だとおっしゃいます。縁起物です。召し上がってはいかがでしょうか。
なお、この行者餅が献上される役行者山は後祭に巡行しますが、それでも、販売は前祭の宵山の日だけとなっています。後祭の役行者山に行ったら頂けると思われるかもしれませんが、7月16日の販売のみですので、お気をつけてください。

この行者餅を購入するには、以前は、事前に電話予約をして、7月16日にお店まで受け取りに行っていたのですが、現在は予約なしになり、当日店頭で販売されます。毎年は朝早くから並んで購入していました。
販売は朝8時30分からです。
開店前に長い行列ができたら、早めに開店されることもありますのでご注意ください。

住所   京都市東山区安井毘沙門町33-2 
市バス東山安井下車すぐ




○献茶祭/八坂神社
表千家・裏千家家元が隔年での奉仕。拝服席及び副席・協賛席が設けられます。
午前9時
場所:八坂神社

○石見神楽/八坂神社

素戔嗚尊が八岐の大蛇を退治し天の村雲の剣を得る舞が奉納される。
主催:京都島根県人会島根奉賛会
午後6時半から
場所:八坂神社

○宵宮神賑奉納行事
内容:石段下四条通に於いて各種芸能奉納行事が行われます。
夕刻より
主催:八坂神社
場所:八坂神社石段下

○宵山
夕刻、山鉾に吊られた駒形提灯に火が入り、祇園囃子が流れると祭りは最高潮を迎え、繰り出した人達で通りがいっぱいになります。
各町内の子供達もおそろいの浴衣で粽(ちまき)・御札・お守りを授与するお手伝いをします。子供たちの粽売りのわらべ歌が聞こえてきます。

夕方には四条通や烏丸通は歩行者天国になり、あちこちから祇園囃子が聴こえてきます。出店がたくさん出て、歩行者天国も一方通行になり、行きたい場所に行くのも、大回りをしていかなければなりません。
夜になると、綾傘鉾では、棒振り囃子が行われます。クライマックスでは、くもの糸を投げられます。

そして、9時を過ぎる頃、それぞれの山鉾では、提灯を下ろし、日和神楽の準備をします。
この提灯落とし、函谷鉾が有名で、これを見るために多くの人が集まります。

過年の函谷鉾の提灯落としです。

https://youtu.be/PVT5hkopI94

お囃子と共に、各山鉾は、日和神楽に向かいます。

7月16日
時間
歩行者天国:18:00~23:00(予定)
16日:四条通の八坂神社~堀川間
場所
八坂神社,鉾町 

○日和神楽/御旅所八坂神社

日和神楽(ひよりかぐら)は、翌日の山鉾巡行の晴天を祈念し、各山鉾町の囃子方が町家から四条御旅所の間を往復する間、祇園囃子を奏します。御旅所では、八坂神社の神官が御祓をし、そこで、お囃子を奉納します。
その際、提灯や太鼓や鉦(かね)が付けられた屋台を曳いていきます。
長刀鉾だけは、御旅所を越え、八坂神社まで行き、お囃子を奉納します。
日程7月16日・23日の22時頃から深夜



○ 貴船の川床(〜9/30)

○ 鴨川納涼床(〜9/30)

○ 桔梗を愛でる特別拝観(〜7/17)/天得院

○ 嵐山鵜飼(〜9/23)/渡月橋付近

○宇治川鵜飼(〜9/30)/宇治川

○ 上七軒ビアガーデン(〜9/7)/上七軒歌舞練場

○ 叡山電車「青もみじのライトアップ」(〜8/15)

○ 七夕笹飾りライトアップ(〜8/15)/貴船神社

○ 貴船の川床(〜9/30)

○ 鴨川納涼床(〜9/30)

○ 桔梗を愛でる特別拝観(〜7/17)/天得院

○ 嵐山鵜飼(〜9/23)/渡月橋付近

○宇治川鵜飼(〜9/30)/宇治川

○ 上七軒ビアガーデン(〜9/7)/上七軒歌舞練場

○ 叡山電車「青もみじのライトアップ」(〜8/15)

○ 七夕笹飾りライトアップ(〜8/15)/貴船神社


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