今日の京都4月21日(日) | 都のかほり日記

都のかほり日記

京都、奈良、滋賀、神戸、東京。私のテリトリーです。
そこでのさまざまな出会いを綴っています。
仏像が大好きで、美味しいもの、スィーツ、美しいものが大好き。あちこちと出没しています。

おはようございます。

今日から松尾祭と稲荷祭が始まります。

【松尾祭とは】 
●神幸祭 (4月20日以降の第1日曜)
今年は4月21日
●還幸祭 (神幸祭3週間後の日曜)
今年は5月14日



松尾祭は、平安時代初期の貞観年間、或いはそれよりも早く承和年間に始まるとも伝えられます。
4月下旬から5月中旬に行われる神幸祭・還幸祭は、それぞれ「おいで」「おかえり」と称され、併せて「松尾祭(まつのおまつり)」や「松尾の国祭」とも総称されます。かつては3月中卯日に神幸・4月上酉日に祭礼が行われていました。このことから「うかうかとおいで、とっととおかえり」と言われます。卯(う)の日に出御(おいで)、酉(とり)の日に還御(おかえり)とされたことによります。
明治以降は4月下卯日に出御・5月上酉日に還幸となり、現在では上記日付で行われています。
この松尾祭は『江家次第』によれば貞観年間(859年-877年)に始まったといい、『延喜式』において祭の様式が定められています。応仁の乱以後は衰退があったものの、その後再興を経て現在まで続いている歴史のあるお祭です。
この松尾祭の神幸祭の特徴は、お神輿が船で桂川を渡るということです。





江戸時代後期刊行の『都名所図会』の中の「松尾祭礼」には桂川を船で渡御する様子や河原斎場に神輿が並ぶ風景が描かれています。



また、鎌倉時代の寛喜元年(1229)3月23日に神輿迎の乗船の際、桂の供御人と西七条の住民との間に諍いがあり神輿が河辺に放置され、未曾有のことであった、との記載が古書にみられるそうです。
祭では、まず神幸祭前日に摂社月読神社境内の御船社において、船渡御の安全祈願を行います。そして神幸祭では、松尾七社のうち月読社以外6社の神霊を神輿に、月読社の神霊のみを唐櫃に遷し、拝殿を3周したのちに月読社を先頭として松尾大社を出発します。境内を出た一行は桂川を船で渡り、河原の斎場において各神に古例の団子神饌を献じます。その後衣手社神輿を郡衣手神社に、三宮社神輿を川勝寺三宮神社に、ほか5社の神輿・唐櫃を西七条御旅所に移し、それぞれの地で3週間とどめます。

次に還幸祭では、上記3ヶ所の神輿・唐櫃が唐橋の「旭日の杜」(西寺跡)に集められ、赤飯座の特殊神饌を献じて祭典を行います。さらに朱雀御旅所(松尾総神社)に移し祭典を行ったのち、松尾橋を渡って本社に到着、拝殿を周り祭典を行って一連の祭を終了します。この還幸祭は、本殿・楼門のほか各御旅所の本殿、神輿、神職の冠・烏帽子まで葵と桂で飾ることから、特に「葵祭」と称されています。葵祭といえば賀茂別雷神社・賀茂御祖神社の葵祭(賀茂祭)を思い浮かべますが松尾祭でも古くから葵鬘が使用されていました。これは、『江家次第』に書かれています。平安時代にはすでに松尾・賀茂両社で似た祭が行われていたことから両社の祭祀の共通性が指摘されるほか、同様の風習は伏見稲荷大社の稲荷祭でも見られることからこれら3社まで拡げた祭祀共通性も指摘されています。

松尾祭では神輿が西寺跡まで渡御するのですが、これに対して伏見稲荷大社の稲荷祭では同社の神輿が東寺まで渡御することが対称的な事象として知られています。このことと松尾大社・伏見稲荷大社の氏子区域が千本通(旧平安京朱雀大路に重複)を境とすることとを考え合わせ、松尾祭・稲荷祭の祭礼形態が古くから対称的な関係にあるとし、少なくとも西寺が機能した平安時代後期まで遡りうるとする説が挙げられています。
伏見稲荷大社との京都の対称的な位置付けを考えると面白いと思います。

************************************************
その伏見稲荷大社の稲荷祭です。

【稲荷祭とは】



●神幸祭 (4月20日以降の第1日曜)
今年は4月21日
●還幸祭 5月3日

伏見稲荷大社の祭礼です。
稲荷祭の起源については、「社司伝来記曰、古説云、稲荷祭ハ、自二貞観年中一始、天暦以降専被レ行レ之、云々」という説(稲荷谷響記)や、延喜8年(908)に初めて行われたという説(伯家部類一)など、諸説があります。

古くは四月上卯日(三卯あれば中卯日)を式日としていました。この祭礼は、まず三月中午日の御輿迎の儀に始まる(これを渡御祭または御出という)。当日は神璽を神輿に遷し、旅所に渡御があり、駐ること二十日で、上述の四月上卯日に還幸があって祭典が行われていました。この還幸祭を稲荷祭と呼んでいました。旅所より還幸の際、神輿が教王護国寺(東寺)に入り寺家の献神供していました。祭儀厳正で、平安時代から盛んなお祭でしたが、中世以降毎年勅裁の綸旨を神祇伯に下され、祭典執行を社司に委せられることとなり、次第に簡略となっていきました。しかし安永三年(一七七四)以後再び旧儀に復し、綸旨を行列の中央に奉じ、社司が供奉した。しかし、明治六年(一八七三)の改正によって綸旨の下賜が停められ、四月九日が例祭とされ、神幸・還幸両祭も一社限りの祭典となりました。すなわち式日も改暦によって四月第二午日を神幸祭、五月第一卯日を還幸祭と変更されましたが、稲荷祭の名は残り、京都における春の重要年中行事の一つとなっています。現在は四月下旬の第一日曜日に神幸があり、五月三日に還幸が行われます。神幸・還幸とも稲荷祭というが、本儀は還幸祭をさします。

お神輿の巡行といえば、人が手で担ぐイメージがありますが、稲荷祭の神幸祭と還幸祭は、トラックの荷台に乗せられて神職や神輿が巡行していきます。非常に珍しい巡行です。
これは、伏見稲荷大社の境内地が、藤森神社の境内であったこと、稲荷の氏子圏が、伏見稲荷大社の周辺にはなく、十条周辺から北、松原通にかけてあることからとも言われています。
つまり、氏子圏と伏見稲荷大社が離れていることがトラック巡行の理由となったようです。




お神輿は稲荷の五神(宇迦之御魂大神(下社)、佐田彦大神(中社)、大宮能売大神(上社)、田中大神(下社摂社)、四之大神(中社摂社))の五基が巡行します。
稲荷祭は「うま(午)うま行って、う(卯)かうか帰る」といわれていました。4月第2の午(うま)の日に神幸祭が行われて御旅所に神輿が入り、5月の初卯(う)の日に神輿が帰る還幸祭が行われていました。現在は、4月20日に最も近い日曜日に神幸祭が行われ、5月3日に還幸祭が行われています
稲荷祭の神幸祭と還幸祭の期間中、田中社・上社(一の峰)・下社(三の峰)・中社(二の峰)・四之大神の5基の神輿が氏子地域の御旅所に駐輿します。なお氏子祭では氏子地域の巡行も行われます。

************************************************
1200年前に造られた平安京は朱雀大路(今の千本通)を境界に、左京と右京に分けられていました。
左京を守護するのが、東寺。
右京にも、かつては西寺がありました。
さらに京都を代表する古社、
伏見稲荷大社と松尾大社、
両社の祭りも、東西対をなすように多くの共通点を持っています。
松尾大社は旧右京、伏見稲荷大社は旧左京の氏神。氏子区域には、朱雀大路をはさんで左右対称に造られた平安京の都市構造が、今でも残っています。
  



 そういう視点で、今日から始まる松尾祭と稲荷祭を見ると面白いと思います。

************************************************************************************************************************************
どうぞ、今日もお元気で笑顔で楽しい1日でありますように!
行ってらっしゃい!

【今日の京都令和6年4月21日(日)】(No.3443)

※掲載の情報等が変更になる場合があります。お出かけ前にご確認ください。

中止になっている行事もあります。
お出かけの際にはご確認の上、お出かけください。

https://ja.kyoto.travel/news/format.php?id=143

○神幸祭(おいで)/松尾大社
しんこうさい) 4/21(日)

神幸祭では、松尾七社(大宮社、月読社、櫟谷社、宗像社、三宮社、衣手社、四之社)の神輿(月読社は唐櫃)が、ご本殿のご分霊を受けて、拝殿を三回廻った(拝殿廻し)後、順次社頭を出発。松尾・桂の里を通って、桂離宮の東北方から桂川を船で渡り(おいで)、左岸堤防下で七社勢揃いし、古例の団子神饌を献じた後、四基の神輿と唐櫃とは西七条御旅所に、二基の神輿は川勝寺と郡の末社に至り、そこに駐輦されます。
(桂離宮の辺りで桂川を船で渡り、祭典が行われる様子は有名です)
 
11:00:松尾大社 出発
12:30:河原船渡場 着(桂離宮)
14:30:河原斎場祭
15:00:河原斎場発
各御旅所著御祭予定時間
三宮社 16:30頃 
衣手社18:00頃
西七条17:00頃

千年の歴史を持つ行事です。11:00頃、榊御面を先頭に唐櫃と神輿6基が境内を出発、ハイライトはわ12:30頃、桂大橋付近から桂川を舟に神輿を乗せて渡る、船渡御が行われます。
境内には3000株もの山吹が咲き見ごろをむかえます。
なお、神幸祭の後、5/12(土)まで神輿のライトアップが各御旅所にて行われます。
⚫︎西七条御旅所(七条御前下ル)
⚫︎衣手神社(葛野西通万寿寺西入ル)
⚫︎三之宮神社(西京極中学校西側)
 
日程4月21日(日)
時間10:00~
日程備考
毎年4月20日以降の第1日曜日
料金庭園宝物館有料
アクセス
JR「京都駅」から28系統市バス約35分「松尾大社前」下車
阪急電車嵐山線「松尾大社」下車すぐ
ホームページ
http://www.matsunoo.or.jp/index-1/index.html

○稲荷祭(神幸祭)/伏見稲荷大社


日程4月21日(日)
時間11:00~

伏見稲荷大社の稲荷祭は、例年約2週間にわたり行われます。稲荷大神が氏子らに神徳を垂れ給う祭儀として、平安時代から続く大祭です。神幸祭は、4月20日に近い日曜に斎行され、ご神璽(しんじ)が奉遷された5基の神輿が、伏見稲荷大社を出発し、京都市南区西九条にあるお旅所へ向かい、奉安殿に納められます。還幸祭までの間の1日のみ、この神輿5基を氏子たちが担ぎ、各氏子区域を巡幸します。5月3日の還幸祭では、供奉列奉賛列を従えた5基の神輿が、東寺の僧侶による神供を受けた後、氏子区域を約2時間巡幸し、伏見稲荷大社に還幸します。

4月21日神幸祭
4月27日   宵宮祭
4月28日 氏子祭神輿区内巡行
4月29日 六斎念仏奉納
5月3日 還幸祭
アクセス
奈良線「稲荷駅」下車
京阪本線「伏見稲荷駅」下車
ホームページ
http://inari.jp/

○弘法市/東寺



や宗祖弘法大師入定の3月21日にちなんだ毎月21日の縁日に、東寺の境内では、骨董品や特産品、植木や園芸用品、陶器などを扱う1000軒余りの露店が並びます。掘り出しもの目当ての多くの観光客で賑わいます。

日程毎月21日  
時間8:00頃~16:00頃
場所 京都市 東寺
アクセス
JR「京都駅」から徒歩15分
ホームページ http://www.touji-ennichi.com/

○ 御影供(みえいく)/東寺

毎月21日午前10時から、弘法大師空海に報恩感謝する御影供という法要を御影堂で行われます。弘法大師空海がご入定になった4月21日(旧暦の3月21日)には、正御影供(しょうみえいく)の法要を行います。
この御影供は、延喜10年、910年に東寺の灌頂院(かんじょういん)ではじめられました。天福元年、1233年に仏師運慶の子、康勝(こうしょう)が弘法大師空海の尊像を刻み、延応2年、1240年からは御影堂でも御影供の法要を行うようになりました。

○足腰祭/護王神社 



奈良時代の末、当時の実力者・弓削道鏡が偽のご神託によって、天皇の位を我が物にしようとした事件が起こりました。清麻呂公は真のご神託を奉じてこれを阻止しましたが、道鏡によって足の腱を切られた上に九州の山奥に流刑となりました。九州へ下る途中に道鏡の刺客が襲いかかるなど、険しい途次でしたが、突然山の中から現れた300頭ものいのししが清麻呂公を守って道案内しました。
その後、清麻呂公が悩んでおられた足萎え(あしなえ)は不思議と治り、公は立って歩くことができるようになったと伝えられています。この故事により、護王神社は足腰の守護神として広く崇敬されています。
毎月21日の午後3時に行われる足腰祭。参列者は本殿での祈願祭の後、表門前の御千度車を回し、足腰の大御守の下をくぐって足腰の健康安全を祈願します。
(参列自由)

日程5月21日
時間午後3時
参列者は本殿での祈願祭の後、表門前の御千度車を回し、足腰の大御守の下をくぐって足腰の健康安全を祈願します。 
アクセス
地下鉄烏丸線 丸太町駅

○ お砂踏み/東寺

毎月21日には、観音堂とも呼ばれている食堂(じきどう)で、四国八十八ヶ所巡礼を再現したお砂踏みが行われます。
日程9月21日
時間9:00~15:00
アクセス
近鉄「東寺」下車、徒歩約10分
市バス「東寺東門前」下車、すぐ
JR「京都駅」下車、徒歩約15分

○ 春の特別公開(〜6/16)/大徳寺塔頭 興臨院 

○十三まいり(〜5/13)/法輪寺

○ 花の天井 春の特別公開& 椿を愛でる会(〜5/6)/平岡八幡宮

○ 春の特別展とライトアップ(〜5/6)/高台寺

○ 春の特別展とライトアップ(〜5/6)/圓徳院

○ 春の特別公開(〜5/16)/弘源寺

○ 春の特別公開(〜6/30)/宝厳院

○ 男山桜まつり(〜4/30)/石清水八幡宮

○ 春の特別拝観(〜5/6)/銀閣寺

○ 霊宝館の春期特別展(〜5/6)/醍醐寺

○春の特別公開(〜5/25)/東寺

○春の特別公開(前半)(〜4/21)/白龍園

○ 伏見名水スタンプラリー(〜5/31)

○ 春季名宝展(〜4/22)/大覚寺

○ 春の特別拝観(〜6/2)/相国寺

○ 特別入山期間 御室花まつり(〜5/6)/仁和寺

○ 霊宝館春季名宝展(〜5/6)/仁和寺

○つつじと新緑の特別庭園公開(〜5/7)/正伝永源院 

○ 御土居の青もみじ(〜6/30)/北野天満宮

○ 令和6年 第150回記念公演都をどり(〜4/30)/祇園甲部歌舞練場

○ 建礼門院寺宝展(〜5/10)/長楽寺

○ 霊宝館春季特別公開(〜5/31)/清涼寺

○春の特別拝観(〜6/16)/瑠璃光院 

#京の歳時記
#松尾大社神幸祭
#伏見稲荷大社神幸祭
#弘法市
#足腰祭
#東寺
#護王神社
#お砂踏み