今日の京都7月19日(水) | 都のかほり日記

都のかほり日記

京都、奈良、滋賀、神戸、東京。私のテリトリーです。
そこでのさまざまな出会いを綴っています。
仏像が大好きで、美味しいもの、スィーツ、美しいものが大好き。あちこちと出没しています。

おはようございます。
昨日もとても暑い1日でした。今日もまだ高温の地域が多そうです。どうぞ、熱中症お気をつけてお過ごしください。

あの華麗な山や鉾は、巡行後、解体され倉庫に収められ、あの喧騒はどこへやらです。
昨日の午前中、前祭の山鉾の解体が進み、そして、後祭の山鉾建てが始まっていました。





南観音山の山建て



昨日、昨年、後祭で196年ぶりに巡行に復活した鷹山の山建てが行われました。
真松と呼ばれる屋根の上で疫神を集める松の木が取り付けられ、高さ17メートルとなった山を立ち上げる様は勇壮でした。
この鷹山は一見鉾に見えますが、真木に松を建てていることから、屋根付きの曳山です。このような屋根付きの曳山には、後祭の北観音山と南観音山があります。
今日は、この北観音山と南観音山で「松取り式」という行事が行われます。

【松取式とは】
北観音山と南観音山はどちらも新町通りに建てられます。
北観音山は通称「上り観音」と呼ばれます。文和2(1353)年創建の曳山です。

この鷹山は一見鉾に見えますが、真木に松を建てていることから、屋根付きの曳山です。このような屋根付きの曳山には、後祭の北観音山と南観音山があります。
今日は、この北観音山と南観音山で「松取り式」という行事が行われます。

【松取式とは】
北観音山と南観音山はどちらも新町通りに建てられます。
北観音山は通称「上り観音」と呼ばれます。文和2(1353)年創建の曳山です。

そして、南観音山は通称「下り観音」と呼ばれます。
この「上り観音」「下り観音」は、通りの上がる下がると同じように、山の場所が北にある北観音山を上り、南にある南観音山を下り観音と呼んでいます。
この北観音山と南観音山は
明治の頃までは、1年交代で山を建てていたそうです。
この二つの山は、真木に立派な松を建てます。毎年、山建ての時に、2本の松が鳴滝(なるたき)」から届けられます。
新しく伐った2本の松を2つの町が選ぶ時、不公平にならないようにくじで決めるというしきたりがあります。これが松取り式なのです。
その方法は、まずはジャンケンで、くじを引く順番を決めます。そして、それからくじ引きとなります。
このくじは荒縄を使ったもので、結び目のある方(アタリ)を選んだ山が、2本の用意された真松から先に選ぶ権利を獲得できるのです。
この際、どういった松が良いのかというと、真っ直ぐ伸びているものや、幹の太さ、葉のつき方などがポイントになるそうです。
今年の松取り式、じゃんけんとくじ引き、どちらが勝つのでしょうか?

それぞれの真木の松にも注目してそれぞれの山をご覧になってください。

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そういえばと思い出したことがあります。この北観音山と南観音山の真松には鳥が止まっています。とはいえ、本物ではなく作り物ですが。北観音山には尾長鳥で南観音山には白鳩です。
真松が建てられるとあまりの高さで見つけるのは大変ですから、ちょうど真松に取り付けるところか、それぞれの会所で拝見するしかないですね。



北観音山の尾長鳥
出典北観音山のホームページ



南観音山の白鳩
以前撮影した写真からアップしてみました。




昨日、真松を取り付けた山を立ち上げた鷹山には、雉が止まっていました。

それぞれの山の特徴です。
○北観音山

文和2(1353)年創建の曳山。「上り観音山」ともいわれ、後祭の山鉾巡行の先頭を行きます。山の上には楊柳観音像(ようりゅうかんのんぞう)と韋駄天像(いだてんぞう)を安置し、巡行の時には見送(みおくり)の横から観音懺法(せんぽう)の主旨にちなんで大きな柳の枝をさし出しています。



1920年代の北観音山
出典Wikipedia

○南観音山



「下り観音山」ともいわれ,後祭の山鉾巡行の最後を行く曳山。本尊は楊柳観音(ようりゅうかんのん)と善財童子(ぜんざいどうじ)で形状は北観音山と似ていますが、南観音山は四隅に木製の薬玉をつけます。南観音山固有の行事として宵山の夜おそく行われる「あばれ観音」があります。



あばれ観音

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ところで、祇園祭は前祭と後祭に分かれていますが、どうして、前祭と後祭に分かれているのかご存知でしょうか。
以前は、7月17日に33基の山鉾がまとめて巡行していましたが、8年前より後の祭が復活して、24日に後祭として巡行されるらことになりました。

山鉾は神幸祭が行われる17日の前祭(さきまつり)と、還幸祭のある24日の後祭(あとまつり)に分かれて巡行しています。24日に後の祭として巡行が行われるのは49年ぶりのことでした。神輿渡御(みこしとぎょ)と同じ日に巡行することで「祭り本来の姿」を取り戻す狙いがあるそうです。
祇園祭は平安時代初期の869年、疫病退散を祈った祇園御霊会にさかのぼり、神泉苑(中京区)に剣鉾を立て、現在の八坂神社から神輿を送ったとされます。南北朝時代には神輿を迎える「風流(ふりゅう)」を町衆が競い合い、祭りのにぎわいが増していったそうです。山鉾巡行で京の町を清め、後に神輿が練るという形が祇園祭の本義です。
ところが戦後、「信仰か観光か」の議論を経て1966年、17日に全ての山鉾が一斉に進む「合同巡行」が始まり、還幸祭に伴う山鉾巡行はなくなりましかた。
5年前、大船鉾の復興に合わせ、再び前祭・後祭に分けることになりました。宵山を中心に約100万人が集中する人出の分散化や5時間近くにもなる巡行時間を短縮する狙いもあるそうです。「祭りの原点を見つめ直す機会になる」という考え方からだったそうです。
前祭では17日午前に23基の山鉾が巡行。同日夜の神幸祭で、神輿が八坂神社から四条御旅所(下京区)に向かい、7日間とどまります。後祭の24日では前祭とは別の山鉾11基が午前に巡行し、その夜、神輿が御旅所を出て氏子地区を練り、神社に戻る還幸祭が行われます。 

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その祇園祭、昔の祇園祭はどんな様子だったかと、
調べていたら、こんな文章を見つけました。今から、おおよそ250年ほど前の様子です。日付は旧暦です。



【昔の山鉾巡行】

『山・鉾・屋台の祭り(風流の開花)』 白水社発行 植木行宣著から
(宝歴7年(1757年)刊の「祇園会細記」)

5月1日
・切符入り
・稚児の舞ぞめ、囃子はじめ
(以後2階囃子)
6月1日
・稚児社参(6基の稚児)
・鉾建て
6月4日
・山建て
6月5日
・鉾の曳きぞめ、山の舁きぞめ
(寄町へ山鉾を引き入れる)
6月6日
・鬮取り(六角堂にて)
・初めは、空くじ - 前年の巡行順に
・次に、真くじ - 決定
※鬮取らず
長刀鉾(先頭)、船鉾(しんがり)、函谷鉾、放下鉾、岩戸山(3基の順番が決まっている。)
他は山、鉾別に取る。(およそ鉾1基に山3基が続くように)
6月7日
・巡行 夜明け間もなく出発
(鬮渡し、長刀鉾による〆縄切り)
・10時に帰町-山は解体、鉾は装飾を除し骨格だけとなる。

~ 後祭り ~

6月8日
・船鉾(凱旋鉾)、観音山が建つ
・山建て
・曳きぞめ、舁きぞめ
6月13日
・鬮取り(前祭りと同じ)
※鬮取らず
観音山、船鉾、鷹山(休み山)
※観音山は、隔年に北、南が出山していた。
※船鉾は、1基の鉾を2ヶ町で交替で出していた。
6月14日
・巡行(三条烏丸から出発)
※現在の山、鉾巡行は、ほぼこの頃のものが受け継がれている。 

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祇園祭の本来の意味は祇園会で、お神輿の渡御のための露払いです。
そのことをいつしか忘れ、山鉾巡行だけが祇園祭だと思われている方も多いですね。さにあらず、祇園祭はものすごく奥深いお祭で、一言では語れない壮大なお祭です。これからも、ご一緒に祇園祭を紐解いていければ嬉しいです。

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今日も猛暑日の予想気温の出ているところがあります。
山鉾の片付けをする京都も37度の予報です。どうぞ、熱中症にお気をつけてお過ごしください。
どうぞ、今日もお元気でいい1日でありますように!
行ってらっしゃい!

【今日の京都令和5年7月19日(水)】(No.3165)

※掲載の情報等が変更になる場合があります。お出かけ前にご確認ください。

中止になっている行事もあります。
お出かけの際にはご確認の上、お出かけください。

https://ja.kyoto.travel/news/format.php?id=143

祇園祭のひと月は
こちらをご覧ください。

【祇園祭のひと月】

https://www.facebook.com/groups/1666630253598530/permalink/3509753125952891/

https://ameblo.jp/miyakonokohori/entry-12488674395.html

○ 貴船の川床(〜9/30)

○ 鴨川納涼床(〜9/30)

○ 新選組結成160年記念連動企画「山岡鉄舟と近藤勇」〜局長の帰還〜(〜8/27)/壬生寺

○「京の夏の旅」(〜9/30)

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