今日の京都3月4日(土) | 都のかほり日記

都のかほり日記

京都、奈良、滋賀、神戸、東京。私のテリトリーです。
そこでのさまざまな出会いを綴っています。
仏像が大好きで、美味しいもの、スィーツ、美しいものが大好き。あちこちと出没しています。

おはようございます。
昨日は、肌寒い朝でしたが、日中はポカポカ陽気になったところが多かったですね。
この間、ふきのとうを見かけました。その時、あっ、天ぷらにしたいと思いました。あのほろ苦さ、春の到来を告げてくれます。




ふきのとう、菜の花やたらの芽、ウドにつくし。春に芽吹き綺麗な緑色を食卓に運ぶ春の野菜や山菜は、それぞれに個性的な苦味があります。「春の皿には苦味を盛れ」といわれますが、子供の頃には、この苦味が苦手でした。

春の野菜にはどうしてこん春の野菜の苦味の正体はポリフェノールやアルカロイドという成分だそうです。
特に植物性アルカロイドには、腎臓のろ過機能を向上させ、新陳代謝が衰える冬の間にため込まれた老廃物を体の外に出してくれる解毒作用の働きや、新陳代謝を促進する働きがあります
また身体に刺激を与えて目覚めさせてくれる成分だそうです。
また、せり、セロリ、あしたばなどのセリ科の春野菜の「香り」の成分には精油成分のテルペン類が多く含まれています。テルペン類は、血圧を下げたり、血行を促進したりする作用や抗酸化作用、心を落ち着かせる作用などがあります。
キャベツやなのはななどのアブラナ科の野菜には、グルコシノレートという「辛味」のもとになる成分が含まれており、肝臓の解毒機能を強化することがわかっています。
さらに、春野菜には、なのはな、せりなどのようにカロテンが多く含まれているのも特長です。カロテンは抗酸化作用が大きいばかりでなく、免疫増強作用があることがわかっています。

【季節の味】
「春苦味(はるにがみ)夏は酢の物 秋辛味(からみ)冬は油と合点(がてん)して食え。」

これは『食物養生法(しょくもつようじょうほう)』で食養生の大家で、明治時代に軍医として活躍した石塚左玄(いしづかさげん)が書き記しています。

春は、冬の間に溜め込んだ油や老廃物を苦味のある山菜や野菜で排毒・解毒し 

夏は、酸味のあるもの(酢の物など)で暑さによる疲れを癒し  

秋は、活発に活動しやすく、食材も多い豊穣の時期なので、辛味のもので代謝をよくし  

冬は、寒さに備えて、油ものを食べて体に脂肪分を蓄えて 
と、いう意味だそうです。

近年、ハウスなどでの栽培技術が発達し、年中野菜や果物が出回り、旬はいつなのと思ってしまいます。せめて、旬を意識して、春には春の、夏には夏のおいしく栄養価が高くなる季節の野菜を食卓に乗せることを心がけていきたいものです。

その点、京都の割烹では、旬の食材を使ったお料理を供してくださいます。
コロナ前の3月、何をいただいたか写真を探してみました。やはり、春の食材がいっぱいでした。





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また、京都には摘み草料理を出されているところがあります。
「美山荘」さんや「草喰なかひがし」さんが有名です。こちらはご親戚筋にあたられます。「草喰なかひがし」のご主人が「美山荘」のご出身で、現在の「美山荘」のご主人は甥ごさんになられます。
【摘み草料理とは】
「摘草料理」というと、ひな びた山里の山菜料理を想像する方も多いと思います。主人が野にいり、山にいり、季節の山菜、魚、草を摘んで、美しく調理します。
つくし あざみ ふきのとう のびる 
かんぞう せり よもぎ…
ちょっと違います。さまざまな山の幸を使った侘びた料理ではあるの ですが、どこかしら雅やかで、「なるほど京料理だ」と思わせてくれます。
○美山荘





美山荘は市内から約1時間、京都の奥座敷とも言われる花背にあります。
奈良の春日大社の社家であった初代が、京都・鞍馬の奥、花脊、大悲山にある、「峰定寺」の再興に共鳴帰依し、1895年に峰定寺の宿坊として建てたのが始まりとされています。
その後、三代目当主 中東吉次さんが、1960年に宿坊を料理旅館に増改築し、屋号を「美山荘」としました。
その設計と施工は、数奇屋建築の匠 と言われる中村外二(なかむら そとじ)さんが担当されました。中村外二さんは京都の俵屋旅館(設計: 吉村順三)ほか、伊勢神宮茶室、万博日本庭園の茶室、ロックフェラー邸の茶室など、数々の旅館、料理屋、茶室を手がけた名工として知られています。
現在、中東久人さんが4代目を引き継ぎ伝統を重んじつつ、フランスで修業なさったことも活かされています。ご当主のお姉さんが、NHKの「京都人の密かな愉しみ」に出演なさっている大原千鶴さんです。



美山荘が登場する小説
* 立原正秋 『春の鐘』: 「奥山荘」として
* 司馬遼太郎 『街道をゆく 4 郡上・白川街道、堺・紀州街道ほか』の「洛北諸道」の項
* 雁屋哲 『美味しんぼ』第20巻

三代目中東吉次さんが書かれた著作もあります。
* 『京 花背 摘草料理』 淡交社 1989.05 
* 『雪峰花譜(せつぽう かふ) 摘草料理 美山荘』 柴田書店 1994.10 

http://miyamasou.jp/html/index.html

○ 草喰なかひがし



予約が取れないお店の多い京都でも、群を抜いて、予約の取れないお店の一店です。ミシュランの二つ星のお店です。
ご主人が野山に分け入り、収穫した四季折々の食材で織りなす日本料理です。
八寸からおくどさんで炊いたご飯まで、コースでいただけます。お店は、銀閣寺の近所です。

https://www.soujiki-nakahigashi.co.jp/

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昨日、菜の花を買おうとして、お店の方から聞いたことです。
関東地方では、菜の花の咲いたものは商品価値として認められず、関西地方では、少し黄色い花の咲いたものが季節感があって喜ばれるのだとか。
所変わればですね。

どうぞ、今日もお元気でいい1日でありますように!
行ってらっしゃい!

【今日の京都令和5年3月4日(土)】(No.3030)


※掲載の情報等が変更になる場合があります。お出かけ前にご確認ください。

コロナウイルスのため、中止になっている行事が多くなっています。
お出かけの際にはご確認の上、お出かけください。

https://ja.kyoto.travel/news/format.php?id=143

○ 北野天満宮 梅苑公開(〜3月下旬)

○ 梅苑ライトアップ(~3/19毎週末(金・土・日))

○ 国宝里帰り特別公開(〜3/26)/大徳寺聚光院

○ 第57回 京の冬の旅 非公開文化財特別公開(〜3/19)

○ 枝垂梅と椿まつり(〜3/22)/城南宮

○ 令和5年春の特別公開(〜3/26)「永々棟のひなまつり」

○春の人形展/宝鏡寺
今年の公開日程
3月1日(水)~5日(日)
それ以降4月2日までの
金・土・日・祝

○涅槃図公開(〜4/3)/真如堂




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