今日の京都10月1日(土) | 都のかほり日記

都のかほり日記

京都、奈良、滋賀、神戸、東京。私のテリトリーです。
そこでのさまざまな出会いを綴っています。
仏像が大好きで、美味しいもの、スィーツ、美しいものが大好き。あちこちと出没しています。

おはようございます。

今日から10月ですね。
10月は、神無月と呼ばれます。
この他に以下のようにも呼ばれます。

⚫醸成月(かみなしづき)
 新穀で新酒を醸す月(大言海による)
⚫神嘗月(かんなめづき)
 新嘗(にいなめ)の準備をする月
⚫神な月(かみなづき)
「神の月」の意
⚫雷無月(かみなしづき)
雷のない月

出雲の出雲大社に全国の神様が集まって一年の事を話し合うため、出雲以外には神様が居なくなる月の意味というものがあります。これは平安時代から言われている民間語源(言語学的な根拠が無い、あてずっぽうの語源)だと言われています。出雲では神在月といわれています。



出雲大社

 また、出雲大社には、十九社と言われる長屋造のお社があります。このお社のご祭神は八百万の神です。つまり、神在月に全国から集う神々が、
旧暦10月11日~17日まで縁結びの会議で招集され、こちらのお社に滞在されます。つまりは、神有月に集われる神様方のホテルと言ってもいいかと。



出雲大社十九社
************************************************************************************************************************************

今日のなんの日はたくさんあります。
⚫︎コーヒーの日
⚫︎日本酒の日
⚫︎法の日
⚫︎ネクタイの日
⚫︎メガネの日
⚫︎都民の日
東京の学校はお休みのところが多いです。そして、東京都立の施設は無料開放されます。

************************************************************************************************************************************

さて、今日は1587年
北野大茶会が行われました。豊臣秀吉が京都・北野天満宮の境内で千利休・津田宗久を茶頭に一千人の大茶会を開きました。

【北野大茶会とは】
時代背景
天正15年7月秀吉は九州平定を終えました。秀吉は朝廷や京都の民衆に自己の権威を示すために、聚楽第の造営と共に進められたのが、北野大茶会なのです。




【北野大茶会の触書き】
天正15年7月に秀吉は、諸大名・公家や京都・大坂・堺の茶人などに10月上旬に茶会を開く旨の朱印状を出し、続いて7月28日に京都・五条などに以下のような触書を出しました。

その文面は
* 北野の森において、十月朔日(ついたち)より十日の間、天気次第、大茶湯御沙汰(おおちゃのゆごさた)さるるに付(つい)て、御名物共残らず相揃えられ数寄執心(すきしゅうしん)の者に見せられるべき御ため、御催成(おんもよおしな)され候事。 
* 茶湯執心においては、また若党、町人、百姓以下によらず、釜一(かまひとつ)、つるべ一、呑物一、茶なき者はこがし(米を煎って塩を加えた茶の代用品)にても苦しからず候間、提来(さげき)たり仕(つかまつ)るべく候事。 
* 座鋪(ざしき)の儀は松原にて候間、畳二畳。但し、侘者(わびもの)は綴継(とじつぎ)にても、稲掃(いねばき)にても苦しかる間敷事。着所の儀は次第不同たるべし。 
* 日本の儀は申すに及ばず、数寄心懸けこれある者は、唐国の者までも罷(まか)り出べく候事。 
* 遠国(おんこく)の者まで見せられるべきため、十月朔日まで日限御延ばしなされ候事。 
* かくのごとく仰せ出さるるは、侘者不便(ふびん)に思(おぼ)し召しの儀候ところに、今度罷り出ざる者は、向後(こうご)においてこがしも点て候事、無用との御意見事に候。罷り出ざる者の所へ参り候者も、同前たるべき事。 
* 侘者においては、誰々遠国の者によらず、御手前にて御茶下さるべき旨、仰せ出され候事。
* 右以上『北野大茶湯之記』より
の7項目からなる物で、北野の松原にそれぞれ畳・2畳ぶんの場所を確保して行う事や、茶の湯が好きなら誰でも=中国人の参加もOKとし、心得のある者には、秀吉自らが茶の接待をする事などが明記されていました。

また秀吉は博多の豪商神屋宗湛にも参加を促す書状を送った。実務面は前田玄以・宮城頼久らが行い、9月からは会場の工事も行われました。

【北野大茶会当日】
⚫︎1日目
茶会初日である10月1日は、とてもいいお天気だったそうです。その日、北野天満宮の拝殿(12畳分)を3つに区切り、その中央に黄金の茶室を持ち込んでその中に「似たり茄子」などの秀吉自慢の名物を陳列した。また麩焼き煎餅、真盛豆等の茶菓子が出されたとされている。御触れの効果からか当日は京都だけではなく大坂・堺・奈良からも大勢の参加者が駆けつけ、総勢1,000人にも達した。会場では野点が行われた。
4つの茶席には秀吉と千利休・津田宗及・今井宗久という当代きっての茶人3名を茶頭として迎え、来会者には身分を問わず公平に籤引きによって各席3-5人ずつ招き入れて名物を用いて茶を供しました。この日、秀吉ら4人は秀吉は一人200人以上を接待したと言います。秀吉も午前中は茶頭として茶を振舞いました。会場には、公家・武家・庶民らの茶屋が800軒余りも建ちいましたから、秀吉はそれらを満足げに見て回ったりして、披露した黄金の茶室や、そこに飾られた名物名器を、一目見ようと押し寄せる群衆を眺めながら、終始、上機嫌だったそうです。






*「似たり茄子」
似たり茄子(にたりなすび)
 天下四茄子の茶入れのひとつ。
堺の商人・塩屋宗悦が百貫で入手したので「百貫茄子」とも言う。
九十九茄子が九十九貫と、代価が似ているため、この名(似たり茄子)が付きました。
ちなみに天下四茄子とは、
茶道具の茶入の中でも優れているとされる「九十九髪茄子・松本茄子・富士茄子」の三つを指し、名物と言われています。
この「茄子」とは、丸形のやや膨れ口造りと細くなっている茶入で、全体の形が茄子(なす)に似ているのでこのような名前がついた。さらに茄子は唐物入れの最上位について、茄子は天下、肩衝は将軍と言われます。宝珠の形に近いことから、茄子茶入はすべての茶入に先立つとも言われます。また、千利休以前は真の盆点には茄子の茶入以外は用いなかったとされています。

この九十九髪茄子ですが、現在は東京静嘉堂文庫所蔵されています。この茶入れの奇跡の話はまた後日。

*真盛豆



北野大茶会の時、千利休は西方尼寺にある利休井筒にてお水を汲みお茶をたてられました。訪れた豊臣秀吉公が真盛豆を召され、「茶味に適す」と賞賛され、同行した細川幽斎は「苔のむす豆」とたとえたと伝えられています。
こちらの真盛豆は購入することができます。
金谷正廣さん
http://shinseimame.com/

⚫︎2日目
ところが、翌10月2日には事態は一転します、茶会は中止となったのです。その後も再開されぬまま終了となったのです。これは1日の夕方に肥後国人一揆が発生したという知らせが入って秀吉が不快を覚えたからだという説が当時から囁かれています。今日でもこれが通説とされています。しかし、このほかにも「秀吉の自己顕示欲が1日で満足した」とか、「単なる専制君主特有の気まぐれである」とする見方、「秀吉が数百人も茶を点てるのに疲れてしまった」「当初は10日間の予定だったが、開催直前になって1日だけに変更された」という説もあります。真相は定かではえりません。

歴史学者の中村修也氏はこれらの説を検討した上で、「北野大茶湯は秀吉に対する京都人の感情を知る試金石であり、秀吉の予想より京都の人々が集まらず、予定通り続けてしまうと企画の失敗が衆目に晒されてしまうため、先手を打ってあいまいに終了させた」と、竹内順一、田中秀隆、中村修也、矢野環『秀吉の智略「北野大茶湯」大検証』の中で論じています。

【大イベント好きな秀吉】
派手好きで、イベント大好きな秀吉が開いた大イベントがあります。

その最初がこの北野大茶会です。
その次は、文禄3年(1594年)2月27日、豊臣秀吉が吉野で大々的に.行われた花見の宴です。
新暦に直すと4月17日になるので、ちょうど桜の盛りのころです。
秀吉の最晩年に行われたのが、醍醐の花見(慶長3年3月15日、1598年4月20日)です。
どのイベントも大規模で、大がかりなものでした。

【北野大茶会といえば思い出すお菓子】
上七軒の老松さんの北野天満宮のもみじ苑限定のお菓子「ふのやき北野大茶湯」

天正十五年、秀吉によって北野大茶湯が開催されましたあと、千利休が天正十八年より催した百回の茶回を記した[利休百会記]にふのやきと云う名の菓子が七十回も登場しています。
この「ふのやき」とは
小麦粉を水で溶いて平鍋に入れ薄く焼き、白味噌・山椒味噌・芥子の実などを挟んだお菓子です。煎餅やお好み焼きの元祖でもあると言われています。
利休が度々茶会にも使っていたふのやきを老松さんが、「北野大茶湯」を販売なさっています。(北野天満宮のもみじ苑の時に販売されています。)もちっとした皮に白味噌の甘い餡、ほのかに香る山椒がとても美味しいです。
今年のもみじ苑の折に召し上がってみてください。
お店でも販売されます。
私は、この老松さんの「北野大茶湯」が好きで、店頭販売されるのを楽しみにしています。






**************************************************
さあ、10月です。
またまた台風が発生しています。お気をつけてお過ごしください。
どうぞ、今日もお元気でいい1日でありますように!
行ってらっしゃい!

【今日の京都令和4年10月1日(土)】(No.2873)

※掲載の情報等が変更になる場合があります。お出かけ前にご確認ください。

大文字山です。
京都コンピューター学院の映像です。
 http://www.kcg.ac.jp/daimon/index_f.html 

鹿苑寺金閣
ページの下の方にライブ映像のところがあります。
 https://www.shokoku-ji.jp/kinkakuji/

近畿地方の現在の雨の状況です。
 https://www.river.go.jp/kawabou/mb?zm=10&clat=34.86256320369171&clon=135.7296854579934&fld=0


************************************************************************************************************************************

コロナウイルスのため、中止になっている行事が多くなっています。
お出かけの際にはご確認の上、お出かけください。

https://ja.kyoto.travel/news/format.php?id=143

○ 銀閣寺 秋の特別公開は中止となります。

○ 御香宮神幸祭
2022年の花傘総参宮は、新型コロナのため、中止となります。

○ずいき祭(瑞饋祭)/北野天満宮



ずいき(里芋の茎)など食物で飾った御輿のお祭りです。1年の五穀豊穣を感謝する祭で神前に新穀、野菜、果実などを供えたのが始まりです。
神事は行われますが1日の神幸列、4日還幸列は中止となりました。ずいき神輿は御旅所ではなく、本殿前の西回廊に設置されます。ずいき神輿は、赤ナスや五色とうがらしなどで飾られます。

日程10月1日(金)~5日(火)

アクセス
JR嵯峨野線「円町駅」から(西ノ京円町バス停)市バス「北野天満宮前」すぐ、またはJR「京都駅」から50・101系統のバス「北野天満宮前」すぐ
ホームページ http://kitanotenmangu.or.jp/annual_events.php

○ 「温習会」祇園甲部



毎年秋に催される祇園甲部歌舞会主催の京舞井上流の会です。その歴史は明治初期頃からと言われています。

日程10月1日(土)~6日(木)
時間
1回目:13:00〜/2回目:16:00~
開場 各公演30分前
日程備考
1日2回公演 
料金
10,000円(税込) 全席指定席
場所
祇園甲部歌舞練場・八坂倶楽部2階

○ 秋の特別拝観/瑠璃光院 



数寄屋造りの建物を囲む「瑠璃の庭」「臥龍の庭」「山露地の庭」それぞれ趣の異なる三つの庭園、三条実美公命名の茶室「喜鶴亭」のほか、八瀬名物「かま風呂」等を鑑賞できます。
日程10月1日(土)~12月12日(月)
時間
10:00~17:00(閉門16:30)
日程備考
11月1日~12月4日の間は事前予約制となります。
※事前予約拝観期間はネット予約となります。
料金一般 2,000円

アクセス
叡山電鉄「八瀬比叡山口駅」下車、徒歩5分
比叡山ケーブル「八瀬駅」下車、徒歩5分
京都バス「八瀬駅前」下車、徒歩7分
ホームページ
http://rurikoin.komyoji.com/

○ 秋期特別公開/清凉寺 霊宝館 



本尊釈迦如来像胎内納品(国宝)、阿弥陀三尊像(国宝)などが公開されます。
日程10月1日~11月30日(予定)
時間9:00~17:00
料金400円
※本堂も拝観の場合、700円
アクセス
京福電車「嵐山駅」下車、徒歩約15分
市バス・京都バス「嵯峨釈迦堂前」下車、徒歩約1分

○ 秋季特別公開/大徳寺塔頭 黄梅院

大徳寺黄梅院は、毎年春と秋に特別公開され、重要文化財に指定されている庫裡や、雲谷等顔の障壁画(複製)、前庭などを見ることができます。天文20年(1551年)に、織田信長が父の供養のために創建した黄梅庵が前身で、天正14年(1586年)に豊臣秀吉が本堂を、小早川隆景が庫裡と鐘楼、客殿を改築して黄梅院と改称しました。千利休作の庭「直中庭」や、利休の師・武野紹鴎作の茶室「昨夢軒」も公開されます。期間中、直中庭や方丈庭園「破頭庭」などで、赤く色づくモミジも楽しめます。
日程10月1日(土)~12月11日(日)
時間
10:00~16:00受付終了
日程備考
10月28日は拝観休止
料金
大人800円 中学高校生400円 小学生以下無料(保護者同伴)
ホームページ
https://kyotoshunju.com/temple/daitokuji-oubaiin/

○秋の特別公開/大徳寺興臨院

天正9年(1581年)、豊臣政権の五大老を務めた前田利家により本堂屋根が修復され、前田家の菩提寺ともなった寺院です。重要文化財の表門や、優美で落ち着きのある本堂、“昭和の小堀遠州”とも言われた作庭家の中根金作が復元した方丈庭園などを見ることができるほか、紅葉も楽しめます。
日程10月1日~12月15日  10:00~16:30(受付終了) ※12月1日からは16:00受付終了
料金
拝観料/大人600円、高中生400円、小学生300円(保護者同伴)
アクセス
JR「京都駅」もしくは地下鉄烏丸線「北大路駅」から市バス「大徳寺前」~徒歩5分
ホームページ
https://kyotoshunju.com/temple/daitokuji-kohrinin/


○ 国宝里帰り特別公開(〜3/26)/大徳寺聚光院

○ 花の天井 秋の特別拝観(〜12/11)/平岡八幡宮

○秋の特別拝観(〜12/11)/相国寺

○ 霊宝館秋季名宝展「〜12/4)/仁和寺

○ 秋の特別公開(〜12/4)/聖護院

#京の歳時記
#10月
#神無月
#北野大茶会
#似たり茄子
#真盛豆
#北野天満宮
#芋茎祭り
#祇園甲部温習会
#瑠璃光院
#清凉寺
#大徳寺黄梅院
#大徳寺興臨院