今日の京都8月24日(月) | 都のかほり日記

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京都、奈良、滋賀、神戸、東京。私のテリトリーです。
そこでのさまざまな出会いを綴っています。
仏像が大好きで、美味しいもの、スィーツ、美しいものが大好き。あちこちと出没しています。

おはようございます。
今日は地蔵盆です。
毎月24日は地蔵の縁日で、お盆に一番近い旧暦7月24日の地蔵の縁日を地蔵盆といい、特に盛大に行事が行われます。
明治の改暦以降は月遅れで8月24日に行う地方が多いです。

地蔵盆を聞いたことのない方も多いかと思います。
昨日、一昨日と京都では六地蔵巡りが行われました。それと同じように思われている方も多かったようです。
京都では、辻々にお地蔵さんが祀られています。このお地蔵さんは、六地蔵のように寺院に祀られているのではなく、道祖神信仰と結びついた信仰とも言えると思います。

【お地蔵さんとは】


地蔵菩薩坐像
六波羅蜜寺蔵
出典Wikipedia

菩薩の一つ。釈迦牟尼が没し,弥勒菩薩が出世成道するまでの無仏の五濁悪世にあって,六道に苦しむ衆生を教化救済する菩薩で,インドではバラモン教時代から日蔵,月蔵,天蔵などとともに,星宿の神として信仰されていた。これが仏教とともに中国に入り,十王思想と結びつき,末法思想が盛んになるにつれて,地蔵による救済を求める者が多くなった。日本にもこの段階で取入れられた。像容は普通,左手に宝珠を持ち,右手は与願印または錫杖を持ち,袈裟法衣を着けた比丘形で表現される。
出典ブリタニカ国際大百科事典

【地蔵盆とは】



旧暦の7月24日、月遅れの8月24日に行われるお地蔵様の縁日です。
京都をはじめとして、近畿地方、若狭地方などで行われている行事です。
ここでは、京都での地蔵盆について、ご紹介します。

毎年8月24日、または、その前後の土日にかけて行われる伝統的な民俗行事です。地蔵信仰という宗教的な性格を持ちながら、町内安全や子どもの健全育成を願う町内の行事として、時代とともに変化しながら受け継がれてきました。京都における地域コミュニティの活性化に重要な役割を果たしてきたといっても過言ではないでしょう。

お地蔵さんは中近世以降子供の守り仏として信仰されるようになりました。広く知られた伝説によれば、地蔵菩薩が、親より先に亡くなった子供が賽の河原で苦しんでいるのを救うと言われています。




また、近世においては、火災や飢饉、疫病の流行などが頻繁に起こり、地域との互助が重要となりました。その地域の「町内安全」の共通の願いとして、お地蔵さんの祠を作り、お祀りしてきました。
江戸時代に入ると、京の町の人口が増加し、市街地も広がっていきました。町を単位とした住民自治が広がっていくことになりました。その頃から、お地蔵さんを祀る行事「地蔵祭(まつり)」「地蔵会(え)」(明治以降,盆行事の一つとして「地蔵盆」と呼ばれるようになった。)は、町内の主要行事の一つとなりました。
明治初期に入り、廃仏(はいぶつ)毀釈(きしゃく)が行われて、路傍にあるお地蔵さんの撤去が進められてしまいました。市内でも多くのお地蔵さんが撤去されました。しかし、明治の中期以降に撤去されたお地蔵さんを土中などから掘り起こし、「地蔵盆」は復活することになりました。
昭和の高度経済成長期には、新たに建設された新興住宅地やマンションにおいて、地域の行事として「地蔵盆」が積極的に取り入れられ、地域のコミュニティの形成の役割を担うことになりました。
「地蔵盆」は,子どもたちにとって夏休みの最後を飾る行事となり、お地蔵さんを飾り付け、お供えをして祀り、その前で子どもたちが集まり遊ぶというスタイルが一般的となっていきました。また、子どもだけでなく、大人も積極的に参加することで、幅広い世代の交流の場となり、さらに、「地蔵盆」の開催に向け、町内の住民が力を合わせ、話し合いながら準備することは、町内の連携や協力体制を強めることになりました。
このように,町内の住民同士が顔を合わせ、子どもを見守りながら、世代を越えて交流を図る機会となっている「地蔵盆」は、近年、新しく住民となった方がその町内の住民の方々と交流できる貴重な場としても機能し、地域コミュニティの活性化、そして、安心安全のまちづくりに大いに役立っています。
しかし、子どもの減少や職住分離をはじめとする生活様式の変化などにより、行事自体が簡略化・衰退しているところも増えてきているのも現実です。

【地蔵盆は何をするの?】
○どこでやるの?
お地蔵さんを祀った祠の前で開催されることが多いです。その他、個人宅や駐車場などの空き地、道路上、集会所、公園などで実施されます。
○運営は?
町内会或いは町内の子供会などが運営主体となって、町内単位に行われることがほとんどです。運営の担い手は大人が中心ですが、鉦や太鼓などで行事の開始を知らせるなど、子どもも「地蔵盆」の運営に参加しています。こうして、世代間の交流が図られています。また、最近では、「地蔵盆」を開催できない地域の住民のために、学区の自治会館などで「地蔵盆」を開催し、参加してもらうといった取組もされています。

○地蔵盆の準備
「地蔵盆」が近づくと、町内の人たちは、お地蔵さんを祠から出して、清め新たに彩色する「お化粧」を行い、新しい前掛けを着せます。
お地蔵さんが祀られていない町内は、寺院から借りるか、或いは、仏画を使用するようです。
お地蔵さんの像を安置した祭壇にはさまざまなお供えをします。
会場周りには行灯や提灯(お寺などに奉納してある子供たちの名前が書かれたもの)などで飾り立てするというのも特徴です。
飾り立てについては地域によって青竹を立てたりローソクの火をつけたりと、地域によってさまざまな違いが見られます。
○供物などの飾り付け
町内の人たちからお供えを集め,お地蔵さんを祀る祭壇に花や供物,お札(地蔵(じぞう)幡(ばた))などを飾り付けます。火を灯した提灯(ちょうちん)に似ているところからホオズキをお飾りの花として使うことが多い多いです。
供物としては,紅白の餅や落雁(らくがん)(白雪糕(はくせんこう))といったお菓子,果物,精進物のお膳などが供えられます。




○会場設営
会場まわりは灯(とう)籠(ろう)や行燈(あんどん),提灯などで飾られます。
地蔵盆には、赤と白の提灯がよく用いられます。
特に、男の子は白の提灯、女の子は赤の提灯に分けることが多いです。
子どもが生まれると、健やかな成長を願ってその子の名前を書いた提灯が作られ、その子が「地蔵盆」に参加しているあいだ毎年飾られる。また、青竹ののぼりを立てるところもあります。

灯籠や行燈にローソクを立て,夜の明かりを楽しむこともある。また,「地蔵盆」の会場の入口に吊るす大きな行燈もある。
行燈の絵を子どもたちが描くなど,大人だけでなく,子どもも「地蔵盆」の準備に参加することにより,世代間の交流が図られている。

⚫︎数珠まわしなどの伝統行事





出典京の地蔵盆

お地蔵さんは子供たちの守り仏です。このことから地蔵盆においては子供が主役です。安置されたお地蔵さんの前に子供たちが座り、その加護を祈る習わしになっています。ところによっては、仏僧による読経や法話も行われます。地蔵盆当日の朝に「数珠回し」(百万遍念仏の一種で,「数珠繰り」ともいう。)を行う地域もあります、これは、町内の子供が、直径2〜3メートルの大きな数珠を囲んで座り、僧侶の読経にあわせて順々に回すというものです。

⚫︎お菓子配り
子供たちが楽しみにしているものとして、お菓子配りがあります。ほとんどの「地蔵盆」で行われています。このお菓子配りも、最近では「地蔵盆」用の駄菓子セットととして詰め合わせされたものが販売されています。

⚫︎手料理の振舞い
お菓子配りのほか,昼食或いは夕食として町内の世話役による手料理が振る舞われるところもあります。最近ではほとんど見かけなくなりましたが、屋台が設けられるところもあります。

⚫︎遊びのイベント
ゲーム大会など子ども向けに行われます。夜になると花火大会や盆踊り、映画会などが行われるところもあります。また、夜は大人だけの交流の場がもたれるところもあり、町内における貴重なコミュニケーションの機会ともなっています。

⚫︎福引
子供たちにとって最大の楽しみは福引です。主に行事の終盤に行われます。
「畚(ふご)おろし」といった昔ながらの形式で行うところもあります。「畚」とはかごのことです。これは京都だけで行われる伝統的なやり方で、当てた景品をに「畚」に載せて2階など高い場所から縄で伝う形で下すやり方です。こういった光景を見ることは最近では少なくなりました。





出典京の地蔵盆

⚫︎供物のお下がり
お地蔵さんにお供えされたお菓子などの供物は,お下がりとして子供たちに配布されます。夏の終わりに体力を消耗した子どもたちの栄養を補給しようと落雁を配ったとも言われています。

⚫︎お地蔵さんのお戻り
「地蔵盆」が終わると、再び元の祠にお地蔵さんをお戻しします。
これで、一連の「地蔵盆」の行事は終了します。

【大日盆】
町内によってはお地蔵さんではなく、天道大日如来を祀っているところがあります。それらの町内では大日如来の縁日である旧暦7月28日もしくは、それ前後(地蔵盆同様、お勤めの時期に7月もしくは8月の差異あり)に、同様の祭りである大日盆を行います。地蔵盆と同じく日程をずらして土日にすることが多いため、年によっては他の町内に1週間遅れて大日盆を勤めることもあります。

【地蔵盆こぼれ話】
〈地蔵盆のお供えお菓子「はくせんこ」〉
これは、京都の老松さんのご主人太田達さんが「地蔵盆」の思い出の一つとして、語られていることです。





はくせんこ
出典京の地蔵盆

【老松と地蔵盆】
地蔵盆の定義の中に子供の為という文言があります。
八月二四日皆さん 夏休みの宿題が頭にありながら この頃のカンカン照りに苦しんだ想い出おもちじゃないですか。昭和30年40年代赤痢とかえきりとか、体の弱ってるこどもは命を失いました。今だったO−157とか、地蔵盆の当時のお下がりがこの、卍の白雪糕(はくせんこ)です。子供の延命をねがう事がこのお菓子の意味です。滋養これが菓子本来の姿かと。
私が菓子の世界に入ったころは、沢山つくってました。紋菓の木型とちがい作業効率の悪い一丁型です。これは。商売など考えないでひとりひとりの子供の事を考えながら心をこめてひとつひとつ押す様にと教えられました。
でも平成に入ったころから スナック菓子や ハンバーガーのお子様セットに負けてしまい全くつくる機会がなくなりました(老松の若い人たちがなんとかこの精神を残そうとしています)




毎年、老松さんでは、はくせんこを作って、「地蔵盆」にお供えなさってらっしゃいます。
お商売としては採算の取れないことも、伝統を継承していくという気概は素晴らしいことです。京都は他の地域に比べてそれが残っているように思えます。
それが「地蔵盆」です。

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ちなみに白雪糕とは、うるち米ともち米の粉に、白砂糖や蓮の実の粉末を加えて型に入れ、乾燥させた落雁の一種です。口の中に入れると、しっとりして、ほろほろ雪のように溶けるところから、そう呼ばれるようになりました。
地域によっては、砕いてお湯で溶き、母乳の代用になったほど、滋養にもいいそうです。また白雪糕と落雁を区別せず、すべて落雁と呼ぶ地域もあります。

今年は、コロナウイルスのため、「地蔵盆」は中止となってしまいました。

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地蔵盆について
東山区で作成された冊子「お地蔵さんの物語~お地蔵さんと地蔵盆のお話~」

https://kyo-tsunagu.net/wp-content/uploads/2017/04/ojizousan_booklet.pdf

また、みなさんの「地蔵盆」の思い出、また、地域として「地蔵盆」のお世話をされている方々、そのお話をお聞かせいただけたらうれしいです。

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また、新しい1週間の始まりです。8月もあと1週間。今年の夏は猛暑の上、コロナで、消化不良感がいっぱいです。少しは暑さも凌ぎやすくなると思います。
秋に向かって気持ちも身体も健康を維持しましょう。

どうぞ、今日もお元気でいい1日でありますように!
お出かけの方、熱中症と三密にお気をつけてください!
行ってらっしゃい!

【今日の京都令和2年8月24日(月)】(No.2106)

※掲載の情報等が変更になる場合があります。お出かけ前にご確認ください。

 大文字山です。
京都コンピューター学院の映像です。
 http://www.kcg.ac.jp/daimon/index_f.html 

鹿苑寺金閣
ページの下の方にライブ映像のところがあります。
 https://www.shokoku-ji.jp/kinkakuji/

近畿地方の現在の雨の状況です。
 http://www.river.go.jp/x/krd0107010.php?lon=135.6836159946397&lat=34.95309468371873&opa=0.4&zoom=8&leg=0&ext=0 

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コロナウイルスのため、中止になっている行事が多くなっています。

8月23日現在の京都の行事やイベントの状況です。
お出かけの際にはご確認の上、お出かけください。

https://ja.kyoto.travel/news/format.php?id=143

○雲ヶ畑松上げ/高雲寺・福蔵院
○広河原松上げ/広河原
○久多花笠踊り/志古淵神社などは、コロナウイルスのため中止となっています。

○嵐山鵜飼(〜9/23)/嵐山渡月橋

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