「知足」という言葉。
あたしは、ずっと「少なくても、これで我慢しなさい。」という言葉だと思っていました。
だから、ずっと家康していました。
「人の一生は重荷を背負うて遠き道を行くが如くし 急ぐべからず」の言葉通り、人の一生はとにかく重たい荷物を持っていくようなものだから我慢我慢と思っていました。
欲しいものも、やりたいことも我慢我慢・・・。
で、も、このあたしの解釈は間違っていたのです。
あたしがお茶の稽古をしていた時に、先生が「知足」と書いた色紙を床の間に飾ってくれました。
そのときの先生のお話では、分相応のところで満足するというものでした。
この言葉は、よく聞いていましたが、その時まで特に気にしたことはなかったのです。
完全にスルーしていました。
でも、その時のあたしは「ビビッ‼」と来てしまいました。
「そうか、自分が欲しいだけ欲しいと思っていいんだ。」って。
あたしは、いつも我慢して、本当は大きいほうが欲しいケーキも、小さいほうにしていたし、弟たちよりお母さんに甘えたいのに我慢してきたました。
欲しいものがあっても、うちにはお金がないってお母さんがいつも言っているから言っちゃいけないって思っていたし。
子供のころから、何かとほしいもの欲しいこと欲しい結果をさんざん我慢してきたあたしには、すごく新鮮な言葉だったんです。
謙虚でいなさいとか欲張っちゃいけないとか、自分を抑える言葉は沢山あるのです。
でも、自分の欲しいものを手に入れないで人生が成り立つのでしょうか。
おなかが減って食事がしたいのに、世の中には食べられない人がたくさんいるから我慢して食べない。
眠いんだけど、仕事が終わらないから我慢して眠らないで働く。
何でも我慢していたらそれで謙虚で、いい人と言われるはずだよね。
ことわざにしたって、虎穴に入らずんば虎子を得ずとか、君子危うきに近寄らずとか、正反対の言葉があってあたしは、どちらが本当に正解かわかりません。
いったい何が尺度なの?
ひたすら我慢しても、あたしは、なかなか職場や家族にさえも一目置かれることがありませんでした。
どんだけ配慮してあげても、我慢してあげても、勘違いばかりされて苦しい生活を送っていました。
弟は、これが欲しいと自分の欲しいものを言うと、両親が与えていました。
あたしだって欲しいのに、どうしてかあたしはせがんではいけないとずっと思い込んでいました。
お姉ちゃんだから。
お母さんからお金がないと何回も聞いていたから。
あたしは、何かをする時、欲しいものがあるとき、どこまでにすればよいのか尺度に困っていました。
そんなときの言葉だったのです。
「知足」って。
考えてみると、あたしは、飲み物が欲しい時に自動販売機の前で何が飲みたいのかわかりませんでした。
なるべく安い飲み物にしようとは思いましたが、飲みたいものがわかりませんでした。
お金だけが尺度でした。
本当に、自分が欲しいものがコーラなのかオレンジジュースなのか、はたまた、ただの水なのかわからなかったのです。
欲望や欲求って抑えすぎるとわからなくなってしまうものなんですね。
あたしが欲しい生活は何?
あたしが今したいことは何?
あたしは、今何かが食べたいとしたらなに?
たかが飲み物で自販機の前で悩むほど、あたしは、ほとんどの欲求が出てきませんでした。
まるで「自分がない」状態です。
たまに自分がないといわれている人がいますが、まさしく自分の欲求が出てこないので人にばかり合わせてしまい、この言葉を投げかけられてしまいます。
あたしは、普通に考えれば出てきそうな欲求が出てきませんでした。
自分の欲求がわからないと、自分を満足させられず生活が楽しくありません。
だから、あたしは毎日、家康よろしく「重荷を背負って」苦しい日々を送っていました。
何がしたいのかわかれば、今日は、こんなことがしたいと思いつきます。
ランチに行ってみたい。あそこに食事に行きたい。
お出掛ならあの服が着たい。
なんて、わんさかと、欲求が出てきて、それをかなえることは本当に楽しいものです。
ワクワクとしてきます。
そして、欲しいだけ手に入れば、それで満足なんです。
自分の欲しいくらい手に入れて終わりにすれば欲張らなくてもいいのです。
少なくても多くても、自分が欲しいくらいで止まりす。
それが、自分の欲しい量だからです。
あたしは、あまりにも自分の欲求を抑え込んでしまい、自分が働いたお金でさえ、他人のためには使えるのに自分のために使うとすごく罪悪感を感じていました。
一人暮らしを始めても、一度に1000円くらいしかスーパーで買い物ができませんでした。
友人に、「3000円位買っていんだよ。」と背中を押されながら、徐々に金額を増やしていきました。
でも、どうしても心の底のほうで、「自分のためにお金を使ってはいけないと」ブレーキがかかります。
あたしはそう思った時に、こんなに大人になっても子供の考え方が残っていて揺るがないことにびっくりしました。
思い込みって怖いものなんです。
気が付いたあたしは、【マインドフルネスタッピング(R)】で、この思い込みを外しました。
勿論、あたしは、自分の欲求を出すために、欲しいものやしてみたいことがちらっとでも浮かんだら即実行して食べたり買ったりしましたよ。
欲求が出てくるように頭の中の回路整備のように頑張って欲望に従い散財しました(笑)
懐は寂しくなりましたが、今はワクワク感が強くなりました。
次の給料が入ったら何しようかなって楽しみです。
この頃は、自分が欲しいものを手に入れてよいのだと思うようになりました。
ていうか、すぐに買ってます。
今は、これだけのものがあればよいから、そのあとはあれを買おう。
という、自分の欲求がわかって幸せです。
レッツ、欲望実現‼
参考:【マインドフルネスタッピング(R)】一般社団法人イーモアマインドクリエーション協会