地震後の「それぞれの立場でのストレス対処法(ストレスコーピング)」 | 田中ウルヴェ京オフィシャルブログPowered by Ameba

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最近はツイッターばかりで、ブログの更新が少なく失礼しております。

皆様、お元気でいらっしゃいますか。

下記は、3月22日に、私のメルマガで発信したものです。

下記をもとに、今週発売している週刊朝日に記事が掲載されます。





2011年3月11日()


この日に起きた未曾有の巨大地震および津波によって、東日本広域において多くの方々が犠牲となりました。このような大災害が起こることを、その日の朝、誰が想像できたことでしょうか。



まずはお亡くなりになられた方々のご冥福をお祈りするとともに、被災者の方々に心からお見舞いを申し上げます。



震災後、ここ1週間。


私は、様々な立場の方々、様々な境遇におかている方々からご相談をいただきました。



ここに、いくつか抜粋して、記します。

お読みになる方々の、それぞれのお立場によって、「これを読んでのきっかけ」が変わってくるかとは思いますが、何かのきっかけにしていただければ幸いです。



●どんな立場にあっても、どんな境遇にあっても、共通すること


私たちは、未曽有の大震災というストレスを経験しました。


このストレスに対処(コーピング)していくために必要なことは、3つに分けて考えたいと思います。


3つとは、MIND(考え方、感情)、SPIRIT(人生哲学)、BODY(身体)です。



●もしも、あなたご自身が被災されていて、日々の生活が大変な状況にあるのなら


今は、BODY(身体)のことだけ考える。


ストレス下の状況で大事な行動は、「寝る、食べる」です。


しかし、もしも、あなたが、なんとか食べるものがあっても、寝る場所があっても、不安で、食べられなかったり、寝られなかったりする場合は、まずは、「不安という感情に気づかないように」、何か、行動することをお勧めします。(他愛もないことをしゃべる、笑う、身体を動かす)


今、人生を考えたり、元気にならなければ!などと思うことは、かえって心理的に疲れてしまいます。身体を動かすことだけを考えてみてください。


身体を動かすことで、すぐにできることは、深呼吸です。


特に、息を吸うことを重視するよりは、息を長く吐くことを意識してください。


長く吐くことで、身体はリラックスできます。


心がリラックスできないときこそ、「身体だけでいいので」息を吐いて、身体から力を抜きましょう。(例:3カウントで鼻から息を吸って、8カウントで、口から息を吐きましょう)



●もしも、あなたが、被災はしていないけれども、なんとなく不安で

日々の仕事が手につかないなら


上記にあげたBODY(身体)も大事ですが、MIND(考え方、感情)に目を向けてみる。


自分は「具体的に何に不安で、何が怖いのか」を箇条書きにしてみる。


すくなくとも「なんだかわからないけど不安」という不安スパイラルから、自分を抜け出させましょう。


そして、淡々と様々なルートの情報を入手する。


最後に、自分の意思で変えられることと、変えられないことの仕分けをする。


「震災が起きた」ことは変わらない。


でも、「その起きてしまった震災について、どう考えるか」の自分の考え方は変えられます。



「これからも生きている限り、予測不可能なことは起きる」という事実は変わらない。しかし、予測不可能なことは何かを予測し、準備できることとできないことを自覚しておくという意味で、自分の行動は変えられます。


ぜひ、「変えられること」と「変えられないこと」の仕分けによって、自分の不安は、自分で作り上げている思い込みに過ぎないということを自覚しましょう。


まったく同じストレスフルな出来事に対しても、その人の考え方によって、不安になる人もいれば、怒る人もいれば、その出来事に感謝してしまう人もいるのですから。



●もしも、あなたが、被災をせず、そして自分のことよりも、こんな時こそ、他人のために何かできることはないか、と能動的な気持ちになっているのなら


自分の思う「人助け」なんて気持ちは、おごりでしかないのではないか?としっかりと自分に疑問を持ち、そして、「他人のために」なんて思うことは、自意識過剰じゃないだろうか?と自分に疑問を持つこと。それでも、自分という人間が誰かのお役に立てるのなら、という気持ちで他人を助けたいのであれば、しっかりと自分に責任を持って、支援をする。



被災者の皆様へのメンタルケアも始まっているが、もしも心理の専門でない、あるいは認知行動療法を専門としていない方でも携わる事があるのなら、まず誰でもできることは、対面しないで隣に座る。


ゆっくりと話を聞く。


自分が被災してない立場なら共感なんてできないことをしっかりと自覚し、相手から学ぶ気持ちで聞く。傾聴とか、コーチングなんて、「技」という意味でしかできないような人は、技など使ってはならぬ。



技ではなく、「学ぶ気持ちで」その人の、ただ横にいて、その人の人生の中に入れていただくような気持ちで。


そもそも、人生の薄っぺらい人に、「同情や共感」をされても、不快です。


自分なんて人間は、薄っぺらいんだということを自覚し、縁の下の力持ちに徹すること。


●最後に、もしもあなたが、被災をせず、心理的にもマイナスになっておらず、

何か志を持って、人生を生きているのなら(ここの部分は、メンタル指導を

している選手のみなさんにお伝えしていることです)



日本がこのような逆境の時にこそ、BODYだけでも、MINDだけでもなく、自分のSPIRITを再確認すること。


なぜ自分は生きているのか。

なぜ自分は生かされているのか。

自分は何をやり遂げるために生まれてきているのか。


自分がどんな人間になっていくことが、日本の、そして、世界のなかで生かしてもらっていることへの恩返しになるのか。



人間は、BODY, MIND, SPIRITがそれぞれ分かれて、それぞれの仕事を果たし、それぞれが影響しあって、バランスを保ったり、あるいは、何かの目標達成に向けて、故意にバランスを崩すことができます。


3つとも、すべてが重要ですが、しかし、BODYMINDの司令塔は、SPIRITです。


「生きる軸」は、自分自身で決めていなければ、いざという外的なストレスで、うろたえる自分を作ってしまいます。


こんな逆境の時にこそ、ぜひ、自分という人間について、再構築をしたいものです。



以上、それぞれの皆様のお立場によって、お読みになる場所も違えば、きっかけも異なるとは思いますが、共通点は「ストレスは自分自身」です。


2011年3月22日

田中ウルヴェ京




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【お知らせ:被災された地域の方にささやかな応援です】

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現在コーピングインスティテュートでは、5月、8月のコーピングコーチ資格コースの受講生を募集しているます。



東北地方太平洋沖地震で被災された皆さまへのささやかな支援の形として被災地より本資格コースにご参加頂く場合、受講料金を通常金額の半額にさせていただくことに致しました。今回の被災によって、夢や希望、望むキャリア構築などを断念せざるを得ないということが、少しでもなくなるように、私たちでできる精一杯のお手伝いです。お申し込みにあたりましては、お手数ですがまずは一度、株式会社MJコンテス(担当:吉崎)まで直接ご連絡いただければ幸いです。 


<資格コースURL

http://www.coping.jp/coping/expert.php


20115月期日程

理論編:514日(土)、15日(日)

実践編:521日(土)


20118月期日程

理論編:820日(土)、21日(日)

実践編:827日(土)



株式会社MJコンテス 03-3447-2890

メール:info@mjcomtesse.com

担当:吉崎