中田英寿さんの引退 | 田中ウルヴェ京オフィシャルブログPowered by Ameba

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色々なニュースで、色々な中田さんの引退に関するコメントが話されています。


日本ってやっぱり不思議です。

なぜまったく知らない人がまったく知らないことに対してコメントをするのでしょうか。

なぜ憶測だけで、会話を成り立たせてしまうのでしょうか。


選手が引退を決意する時なんて。

そんなその当事者でいる時期に、本当の理由なんて、選手本人が認知できているものでしょうか。


選手でいる時ほど、「あるべき姿」に囚われていること自体に、自分自身が気づかなくて、そのこと自体が、自分の本来の認知を妨げていることにも気づけていなくて。


そんな時に、きちんと整理して話すことなど、自分が整理できている「ふり」しかできていないときに、無理に決まっているのに。


大体、トランジションの真っ最中の時に、いったいどれほどの人が、そのトランジションまっただ中の自分自身を客観的に語れるというのでしょう。


なぜ、選手は勝った負けたの直後にも記者会見が求められ、やれ、引退をするとなると、その理由を公に理路整然と「話す」ことを求められ。


その求められている異常性には、なかなか当事者は気づけなくて。


で、あるべき自分を確立し続けなければいけなくて。

それがそれまでの自分の人生には当たり前のことであったから。


良い意味で、どうでもいいことです。

良い意味で、本来の意味で、地球規模で考えるところの

たかが引退。

たかがスポーツ。

たかが選手。

たかが、なんです。


どうでもいいことなんです。

そのどうでもいいことを美化することが、後に、どんなに当事者を苦しませることになるか。


自分の過去を劇的に語るほど、ドラマチックなものはないし、それ自体に自分で酔って喜ぶアホは沢山います。

自分なんて、美化のしっぱなしです。

過去なんてどんどん美化しちゃうもんです。


記憶なんてそんなもんです。

でも、それが記憶っていうものなんではないですか。


そういった過去の意味づけで人生いいのでは、とすると。

なぜ、まさにその瞬間地点にいる人間に対して、整理をさせるようなことをさせるのでしょうか。


選手だって、いえ、選手なんて、なーんにも優秀なことなんてあるわけがありません。

自分のことを優秀だなんて思っているから、あとで困るんです。

自分のことを、世界が注目しているなんて思うから、あとで困るんです。


どんな世界的な成功者のことだって、地球規模で考えればどうでもいいこと。


日本は、日本の社会は、ときに残酷です。


以上、私もやはり日本人。

勝手なことを、何も知らないクセに、書いてみました。

すべて憶測です。


関係者の皆様、お許しください。

私は中田さんのことを全く存じ上げません。


ただ、ここ最近、本当にキャリア・トランジションについて、書く必要が多く、色々な引退した選手、引退する選手に直接会って話すたびに、ちょっと思うことがあって、、、。


自分の過去も重ねてしまって。


ふと思うのは、ですね。

トランジションをできていない選手ほど、理路整然と自分の引退理由をキレイに言うなあ、、、って思います。このハイポセシスを覆す例がまだないです、、、。


最後に。

どうでもいいことですけど。

中田さんの引退表明のブログを拝見し。

一番共感したことは、瑞々しい感情を失った、、、というくだり。

そこの点は、徐々に徐々に年齢を重ねるうちに、どんどん大きくなっていく部分です。

10歳の時にはじめて出たシンクロの試合。

12歳の時にはじめて年齢別全国優勝したソロ決勝。

15歳の時にはじめて参加した日本代表合宿。

なにもかも。

すべてが楽しかった時。

勝っても負けてもそれがすべてのモチベーションとなってエネルギーが噴火するかのようにメラメラと頑張り続けることに気持ちが良かった時。


私にとっては、それが、その感情が変化してきたのは、オリンピックが近づいて来たときだけだったけど。

そしてアマチュア選手は結局、プロとは違うから。


プロの引退した選手の皆様に伺うと、共通して出る話は、プロとしての責任。勝つ責任。

プロに対する人々の感情って本当に厳しいですものね。

それは自分にはわかりません。


ま。

自分も成長したもんです。

自分は数年前まで、オリンピックメダリストである自分は、どんなプロ選手よりも偉いと思っていました。

おめでたいものです。

単なるアホです。アホは、アホで居続ければ永遠に自分がアホであるという壁を知らないですむわけで。


とにかく。

失礼しました。