***リズムの読み方を変えたことについて***

私自身が子どもの頃に覚えたリズムの読み方は、
タンタタウン、16分音符はタカタカ、付点リズムはタッカ。



自分がリズムを読むにも、理解するにも、これで困らなかったので、
はじめの頃は、この読み方で指導していました。

先輩の先生から「タンタタ」は音楽的ではないと聞いたことがあり、
コダーイシステムの「ターティティスン」のこともちらっと聞いたけれど、
ちらっと聞いてもわからないし(^^;
慣れた読み方で自分は困っていなかったし、
ターティティを学ぶ機会もなかったのですが。


指導する時に少し苦労したのは、
1拍内の3分割と4分割の長さの区別。

3連符のタンタ(3分割)と、
付点のタッッカ(4分割)を区別するために、
タッカと、小さいッを入れたり、
タッカと、ツを発音したりすることで、
これはクリアできていたと思います。


多くの生徒がよく読み間違えていたのがシンコペーションのリズム。
8分音符~4分音符~8分音符:タタンタ

これは、1拍に2文字を入れて「タタ」「ンタ」と2拍で読むのが正しいのだけれど。

よく「タ」「タン」「タ」と、3拍で読まれませんか?

手のたたき方で、「タタ」をたたいて「ン」で横に開いて「タ」をうつとか、
それなりに、いろいろな練習はしていましたが。
たいてい「タタンタ」を捨てて(笑)
「ステーキ」「ヒコーキ」「スカート」になってましたね~。

「タン」という言葉は、「ン」で下に落ちるリズムを感じるので、
最後の8分音符=2拍めの裏の「タ」を、拍の表のように感じてしまうのですね。

同様に、符点4分音符~8分音符:ターンタ の2拍も、
「ター」「ン」「タ」と3拍にとってしまうのは、
「ターン」の「ン」でやっぱりリズムが下に落ちるから。
「ターン」を1拍にとって、「タ」を2拍めの表にもってくる場合も多かった。

指導して数年たったころ、
ハンガリー系のクラスター奏法を使った導入教本の勉強をして、
テクニックとしては、柔軟複合奏法を学びながら、
ソルフェージュは、わらべうたの手遊びを継続的に習って、
その中で、やっと「ターティティスン」について知ることができました。


このリズムの感じ方の気持ちいいことといったら(笑)
早く取り入れなかったことを後悔したくらいでした。

「タン」のようにリズムが下に落ちないで
「ター」は前に(手前から先へ)伸びるんです。
イメージですけど(笑)

「タンタンタンタン」よりも「ターターターター」の方が、
下に落ちないで、前(先)へ進む。
この違いはとても大きいんです。自分にとってですけど(笑)

もともと日本人は農耕民族だから、リズムは下に落ちやすい。
西洋音楽は騎馬民族だから、はずんで空間で次へ進む。
発音の瞬間から次へ空間が伸びる感覚を養いたい。
ターティティの方がより音楽的というのはこういうことかなと
それ以来25年、、、あ、30年近くターティティスンを使っています。

1拍1拍が重くならないので、
ピアノを弾く時に全部の拍を重く弾いてしまうのも
防ぎやすくなったと思います。
・・・拍が重いのはほとんど弾き方(テクニック)が原因とは思いますが。

特筆するのは、やっぱりシンコペーション。
「ティターティ」とも言えるのですが、
「シンコーパ」という読み方で、
シンコペーションのアクセントもより感じられ、
「シンコペーション」という言い方の導入にもなります。
~年齢によって異なる説明をしますが、
 低年齢の生徒さんにはシンコーパはシンコペーションと話します。

付点4分音符~8分音符は、ターイティ。
これも3拍に分離することはまずなくなりました。
「ターン」のように、ひと区切りしないので、
「ターイティ」とハート♡を描くように
「ティ」で戻ってくる方がすっきりするのです。

タカタカ、タッタカ、タカタッ(タカタン)、タカーカ(タカッタ)は
ティリティリ、ティッティリ、ティリティ、リティーリ。
言葉の音がカタくなくて、きれいなんですよね~。

「リティーリ」って言うの大好きだから♡
難しいリズムなのに難しく感じないとかいうこともあるかも?

1拍の3連符は、ティアラ~これも言葉の音がきれい♪

ただし、低年齢で、ティティが言いにくい生徒さんは、
ティティをピピで導入したり、
ティアラはポテトで導入したりしています。


休符の「うん」も、腕をふりおろしてどすんと休むのではなく、
「すん」よりは「すっ」と静かに音を消す感覚を伝えやすいかなと思っています。


そんなわけで、教室ではターティティスン、
学校ではタンタタウンの2刀流使いの生徒たちですが、
特に混乱はないようです。
多少の言い間違いがあっても、こだわるところではないので、
口(くち)がタタといってしまっても気にしなーい。

リズムをスティックでうつのも大好きです♪(*^_^*)
スティックを楽器のように、
手や腕の力を抜いて楽にカンカンといい音で、
拍子感のある、そのリズムのノリの感じられるような、
生き生きとしたリズムを奏することの方が大切だものね。
私のノリを伝染させて伝えたいので、私も一緒に奏します。
拍子感も、アナクルーシス、メタクルーシスも、
アウフタクトも、左右の複リズムも、
8分の6拍子のゆれるノリも、2分の2拍子のとり方も、
2+3の5拍子も、3+2の5拍子も、
とっても楽しく練習できる「リズムとソルフェージュ」
みんな、大好きだね♪

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