2024.3.5
Yahoo!ニュース(朝日新聞with news)より引用
なぜワクチン反対派になるのか リベラルと陰謀論とスピリチュアル…「懐疑」への入り口は
「人はなぜワクチン反対派になるのか」。
東京大学がそんなタイトルで発表したプレスリリースが、X(旧ツイッター)で話題になりました。
陰謀論やスピリチュアルへの関心が「ワクチン懐疑論」への入り口になり、懐疑論をとなえる参政党への支持拡大にもつながった、との内容です。
研究チームの鳥海不二夫・東京大教授に分析の手法などを聞いたうえで、この研究をどう思うか、参政党からもコメントをもらいました。
(朝日新聞デジタル企画報道部・小宮山亮磨)
研究は東大のほか、早稲田大と筑波大の研究者によるもの。
論文が2月、計算社会科学の専門誌で発表されました。
公衆衛生のためには、ワクチン接種は大切です。
ワクチンを疑う人は、なぜ疑うようになったのか。
それを調べるのが目的だと、鳥海さんはいいます。
どんな手法だったのでしょうか。
「ワクチンに関するX上のつぶやきを2021年の1年間に1億ツイート(投稿)くらい集めたところ、ワクチンに懐疑的なツイートを拡散しているアカウントが19万7千個、見つかりました。
今回の研究では、こういうアカウントをたくさんフォローしているアカウントを『ワクチンに懐疑的な人たち』として扱っています」
懐疑派にはリベラルが多い
分析結果について、東大のプレスリリースは大きく三つに分けて紹介しています。
第一に、ワクチンに懐疑的な人たちは政治的な関心が強く、中でも右派よりリベラル派を支持している人が多かったこと。
「日本共産党」「れいわ新選組」「原発」「ネトウヨ」「民主主義」といった言葉が、プロフィール文に使われているケースが目立ったのです。
鳥海さんはこう言います。
「コロナ以前から、基本的にリベラル寄りの人のほうがワクチンに反対するということは分かっていました。
ワクチンは公衆衛生の観点から『みんなが打たないと効果が薄くなる』なので、どうしても全体主義的なところが強く、自己選択を重視するリベラル的な発想からすると、受け入れづらかったのではないでしょうか」
第二に、新型コロナの流行が始まったあとにワクチン懐疑派になった人は、以前から懐疑派だった人と比べて政治的な傾向が弱く、一方で陰謀論や「スピリチュアル」なことへの関心がきわめて強かったことです。
たとえば「三浦春馬」「集団ストーキング」「波動」「宇宙」「スピリチュアル」「柔軟剤」といった言葉が、プロフィール文に頻繁に登場していました。
「もともと懐疑派でなかった人たちが、懐疑派に変わっていく。
それにはスピリチュアルなものなどとの親和性がきっかけになっている。
その様子が見えたところに、一定の価値があると思います」
第三に、コロナ禍をきっかけに懐疑派になった人では、2022年3月から9月にかけて、参政党のアカウントをフォローする割合が急増していたこと。
参政党は同年7月にあった参院選で、政府の新型コロナワクチン推奨策の見直しを訴えていました。
政治への関心が薄かった人が、ワクチンへの疑いを通じて参政党の支持者になっていった可能性があるというわけです。
参政党は「国際ユダヤ資本」に関する陰謀論などを選挙中に用いていたとも、研究チームは指摘しています。
この研究について、参政党に取材したところ、以下のようなコメントをもらいました。
<今回のプレスリリースは、党が主張するワクチンに対する考え方の誤認や、根拠なく「陰謀論」として例示された内容を含んでおり、これに触れた人々が参政党に対して否定的な印象を持つように思われ、大変遺憾です。
私たちは、新型コロナワクチンの安全性や副反応に関する情報が不十分であるため、子供への接種には慎重な判断が必要だと考えていますが、大人については個人の判断に委ねるべきだという立場を取っています。
そのため、定義もなしに「反ワクチン」と断定するのは誤りです。
また、「国際ユダヤ資本などの陰謀論を選挙キャンペーンに用いた」との記載もありますが、ロスチャイルド家やウォーバーグ家などの資本家の存在は事実であり、どの点が陰謀論なのか示されていません。
今回、事前に研究者から党に対する事実確認はありませんでした。
部分的に引用された発言が、誤った解釈や印象の歪みを招く可能性があります。
研究にあたっては、本部の正式な発信や政策を中心に据えて分析いただくべきだと考えます。
我が党が支持を得たのは、SNSを中心に政治に関心がない層にアプローチした結果であると考えています。>
政治的な関心が薄かった人たちから参政党が支持を得るようになったということについては、党と研究者との間で意見が一致しているようです。
一度なったら戻ってこない
以上の3点のほかにもポイントがあると、鳥海さんは言います。
「ワクチン懐疑派になる人はいたけれども、逆はほとんどない。
一度懐疑派になった人が戻ってくることは少ないんです」
2020年1月から2021年12月にかけて、ワクチンへの懐疑心が「低い」グループから「高い」グループへと変わったアカウントは約2千個ありましたが、逆に「高い」から「低い」へと変わったアカウントは一つもなかったのです。
懐疑心が「中」から「高い」へ移ったアカウントは6千個ありましたが、「中」から「低い」への移動は1千個だけでした。
研究チームは論文のタイトルで「反ワクチンの『ウサギの穴』」と表現しています。
「不思議の国のアリス」の主人公が穴に入ったときのように、陰謀論やスピリチュアルが入り口になって、ワクチンへの懐疑心を代弁してくれる政党への支持という「森」へ迷い込むーー。
そんな意図をこめたといいます。
また東大のプレスリリースには、ワクチンを疑わない人は「ウマ娘」への関心が強い人が多いことを示したイラストがあり、Xで話題になりました。
「あれは『ウマ娘をやっているとワクチン懐疑派にならない』ということではなくて、日本のツイッター空間には『ウマ娘勢』のような、ゲームとかマンガを好んでいる人が多かったというだけの話です」
この研究の成果から、私たちが参考にできることはあるのでしょうか。
「疑い始めると、次から次へとどんどん新しい『ネタ』を見ることになって、そこから抜けづらくなります。
人間には一貫性を保とうとする性質がある。
『ワクチンは悪いものだ』と考えると、『そのワクチンを推奨している政府は正しくない』となる。
すると、『正しくない政府が進めてくる政策は正しくない』と判断せざるを得なくなる。連鎖的に続いていってしまう」
「『脱原発』がきっかけで政府に批判的になり、その結果としてワクチンにたいして不信感を持つということもあります。
一貫性を保つことは人間の性質ではあるものの、そこまで単純化せずに物事には良い面も悪い面もあると柔軟に考えることも必要ではないでしょうか」
情報も「偏食」には要注意
偏食が体によくないのと同じで、偏った情報にばかり触れるのは好ましくない。鳥海さんはそんな考えから、「情報的健康」の大切さを訴えています。
「SNSで一定の思想をもった人たちばかりをフォローすることは、情報に偏りを生じさせる大きな危険性があります。
その危険性を認識して、それでも特定のものしかみないのは自由ですが、そのことを知らないというのは問題でしょう。
『朝日新聞しか読まない』というのは自由ですが、朝日新聞がどういう新聞なのかを知ったうえで読むことが大切です」
シャンタンこと宮井陸郎の当ブログ『覚醒のひかり』をお読みくださり、誠にありがとうございます。
シャンタンさんが2022年に亡くなってからも引き続きブログのアップを続けている貫井笑店です。
夫(の亭)と私(み亭)で一日一記事はアップできるようにつとめています。
さて、私(み亭)は、陰謀論に限らず、さまざまなテーマに対して、いろんな人の意見を知ろうとすることが大事だと思います。
ときには、自分の正しさや信じ切っていることを疑ってみることも必要ではないでしょうか。
物事には良い面もあれば悪い面もある、良い悪いの基準は、その時、その場、そこにいる人でコロリと変わってしまう。
そんななかでも、「私にとって何が大切なのか?人はこう言っているけれど、私はどう思うのか?」ということをしつこいくらいに何度も何度も見つめ直すことがとても必要と感じます。
変化の中で揺るぎない自分を育てるために。
自分と反対の意見にじっくり耳を傾ける心の余裕を持ちたいです。
自分にとって耳の痛い話をフラットな気持ちで聞けたことが実感出来ると、あぁ成長出来たかな、、、と思います。
陰謀論の世界、コロナ禍に入ってから洒落にならなくなってきたな、、、と感じます。
これまでは、へぇーそんな話もあるんだぁ、、、と適度な距離感を持って話題の一つとして受け止められていたのに、、、
マスクをつけるかつけないか、注射をするかしないかで争いや分断が生まれてしまうことに心が痛みます。
上記のニュースでは
陰謀論者に一度なったら戻ってこないとありますが、これはステレオタイプかなと思います。
記事をよく読むと、研究チームの鳥海教授のコメントには、
「ワクチン懐疑派になる人はいたけれども、逆はほとんどない。一度懐疑派になった人が戻ってくることは少ないんです」
とあります。
これはXの投稿を分析した調査です。
日本人全体を見れば、Xをやっていても発信していない人もいるし、Xをやってない人も大勢います。
考えが変化した人が、陰謀論アカウントはそのままにして、別のアカウントやSNSで発信しているケースもあるように思います。
また、陰謀論が好きな人たちの前では熱く語ったとしても、そうではない人たちの前では空気を読んで何も語らないってこともあります。
しかしながら、Xのつぶやきを一億も集めて分析なさった研究チームのみなさんのおかげで見えてきたこともありますし、陰謀論を話題にすることが出来てありがたいです。
私自身を振り返ると、陰謀論への向き合い方はその時々で変化してきました。
真実を知りたいと情報を集めるうちに陰謀論を知りました。
ある時期のめり込んでいたこともあって、その頃は世の中、政府、大企業、資本家などに強く憤っていました。
2015年から瞑想をはじめて、世の中、自分自身をただあるがままに見つめようと心掛けるうちに少しづつ陰謀論の受け止め方が変わってきました。
と同時に、井の中の蛙になっていた自分にも気づき、いたたまれない気持ちになることも多々ありました。
スピリチュアルな感覚を取り戻した自分が偉いと勘違いの世界に迷い込んでいた自分が恥ずかしかったなぁと思いました。
自律神経失調症からうつになり組織で働けなくなった後ろめたさが、組織で働いている人たちへの否定感につながっていました。
いろんなお仕事があって、そこで働いてくれる人たちがいるからこそ、生活が成り立っているというのに、、、。
痛い私、、、汗。
人が好きで人の支援をしたくて福祉の勉強をして福祉の仕事についていたのに、その仕事が出来なくなった自分を責める以上に周りを強く責めていて、、、今振り返れば、負のスパイラルに陥っていました。
そんな自分がほとほと嫌になりましたが、嫌な自分もそのままに眺めながら生きていこうと思います。
いろんな自分をそのままに眺める。
さて、陰謀の世界を遠目に眺めてみると、、、
自分と反対意見の人たちを一括りにして、陰謀だ!と言っていることも結構あるような気がして来ました。
そうやって争いや分断に巻き込まれていくことこそが陰謀なのでは!と思ったり、、、、
陰謀論にのめり込みすぎたことで分断に巻き込まれていたり、何かや誰かを強く否定しているスピリチュアリストがワンネスを語る矛盾を感じます。(自分への自戒をこめて)
繰り返しになりますが、いつでも優しい気持ちがふわっと自然と出てくる心の余裕を持っていたい。
陰謀論で絡まれたり、煽られたりしても、喧嘩になることなく、その場をやり過ごし、日を改めて感動を分かち合えるような関係性になれたらいいなぁ。
、、、と書いてはみたものの、人と人の相性もあるし、イラっとしちゃうこともあるし、やるせなくなることもあるし、うまくいかないことも多いですねぇ、、、。
けれども、あきらめないで出来ることをコツコツと。
世の中から、差別、暴力、理不尽なことが減っていきますように。
感情に呑み込まれず、ある世界だけに固執することなく、全体に心を開きながら、希望の未来に向けて日々精進。
夫・の亭です。
こんにちは。
陰謀論、という表現とその言葉が纏うイメージが、どうもしっくりきていません。
どこか恥ずかしく、職場など社会の場で、胸を張って『私は陰謀論者です。陰謀論が好きです!』と言える人は少ないかと思います。
スピリチュアルに関しても同様です。
ラベル貼り、レッテルとイメージ付けの力は強力ですね。
この記事の分析結果は、興味深いです。
長い記事をここまでお読みくださりありがとうございました。
貫井投稿