先日は、リーマン・ブラザーズ破綻、バンカメ(バンクオブアメリカって、こうやって略すのね知らなかった)のメリルリンチ救済と、アメリカの金融市場の動揺(システミック・リスク)について書きました。

かおもちろんその原因は、いわゆるサブプライム以来の金融市場の信用収縮にあるというわけですが。。。

この通信はIT問題なとこ限定なので、注目したいのは、その危機(リスクとも呼べる)が、いわゆる「情報化」のひとつの帰結なのではないか、というところでした。それが前回のエントリ。

得意げここまでのパニック、そして振幅は、実は情報化のたまもの。

情報化って、自動化とか、「人手を減らす」とか、「人間の手が掛からない」というイメージを持ちがちなんですが、そんな事はないんですね。オフィスのOA化が進むと、かえって印刷物が増えるでしょ?そんな感じ。

べーっだ!自動化するからこそ、人手(冷静な)が必要になる。逆説ですが、真実です。

介護保険なんかで前に触れた話と、個人的にはとても似ていると考えています。介護保険だって、管理ソフトがばしばし出るから、どんどん書類が増えるんですよね。

ビックリマーク

さて情報化された市場では、膨大な情報の監視=モニターが必要になります。すかさず判断して売り買いするだけではなく、リスクコントロールもしなければならない。

そして市場の主役は、そのモニター、監視役が担うことになるわけです。市場は、監視役の運用によって決まるわけですね。運用役が適用する規準のさじ加減が決定するので、実はぜんぜん自由市場じゃなくなっているのです。

そして今回の問題は、結果が予想されていた規準を逸脱してしまい、その運用役が破綻しつつあるということ。まさにシステミック・リスクと呼ぶにふさわしい。

つまり、情報化とは、「運用者こそが神になる」社会
・・・そう言ってしまって良いと思います。
だから、運用者が破綻する時は、その社会が滅ぶとき。
・・・私たちは、皮膚感覚でその恐ろしさを感じて、今回の出来事になっている。

ショック!前々回のエントリは、極私的に運用者が破綻したとき=働く場所がなくなる時の、人のすさみ方をお届けしたつもりでした。

!!

さて、運用者が神、というのを露骨に示す、よい?ニュースがあります。

最大手検索サイトに検索結果の不正操作疑惑=メラミン混入粉ミルク関連のデータを削除―中国
2008年9月、中国ナンバーワン検索サイト・百度がメラミン混入事件の粉ミルク製造メーカーに関するマイナス情報を不正操作により削除しているとの疑惑が広がっている。
http://www.recordchina.co.jp/group/g24071.html

・・・「あいかわらず」という感じですが、露骨に笑えません。だって、私たちの社会だってヤバイですよ?

同じことをGoogleがやっていたとしたら・・・

検索エンジン、Googleこそがネット社会の運用者なのです。

だから、Googleこそが神であり、その破綻が情報社会の(現時点の)破綻なのです。

ニコニコもちろん、そんなつもりは毛頭無く、代案を立ち上げないといけないんですけどね。