ブログネタ:【世界15ヵ国で出版決定】全米が涙した感動作を限定プレゼント! 参加中このblogは、宮城UPの良さをお届けするという目標があるわけですが、パソコンの良さ、インターネットの良さをお届けする、というのも、その中に含まれると思います。インターネットがいかに良いモノなのか伝えることができれば、皆さんより学び、使うようになるでしょうから。
そこで、今年一番、インターネットに感謝した話を。「最後の授業」という本の話です。
最後の授業 - ぼくの命があるうちに (ランダムハウス講談社)
http://www.randomhouse-kodansha.co.jp/last_lecture/index.php
人には、必ず読まなければならない本があると思っています。この本はそのひとつです。お気づきかもしれませんが、クチコミ番付で教えてもらいました。もう、目を血走らせて応募しましたよ。このときほど、クチコミ番付&アメブロさんに感謝感激したことはありませんでした。
ランディ・パウシュは、カーネギーメロン大学の若き名物教授で、バーチャル・リアリティの第一人者。浅学ゆえ覚えが無かったのですが、3D環境でプログラミングを学ぶという優れものソフト「Alice」については、少しだけ聞いたことがあります。
ランディ・パウシュのサイト
http://download.srv.cs.cmu.edu/~pausch/
近況もあります。
http://download.srv.cs.cmu.edu/~pausch/news/index.html
Aliceについてはこちらへ。
The Alice project
http://www.alice.org/
そのパウシュが膵臓ガンに冒されたのは、昨年の8月。当時46歳の若さ。膵臓ガンは「ガンの王様」(by Wikipedia)と言われるほど治療や延命が困難なガンで、彼自身、あと数ヶ月の命であると宣告されます。
そして「最後の授業」となるわけです。
インターネットがなければ、この本についても、そのような授業があったということについても、知ることが無かったでしょう。名言集としか、言いようがない本です。授業です。その様子はYou Tubeで字幕付きで見ることができます。笑いがいっぱいの授業なのですが、本ではその壮絶な裏側が描かれています。直前まで寝込み、大人用おむつを着用して壇上に立つべきか迷っている病人が、腕立て伏せから授業に入るシーンは圧巻そのもの。ぜひ合わせ読むことをお勧めします。英語版も読んでみたい。
本を読んでみると、「最後の授業」の背景がわかる分、死を前にした彼に言われるからこそ「心に突き刺さる言葉」に出会います。どれも、辛いときに活きそうな良薬です。と同時に、これまで宮城UPで追い求めていた意味や、これからの自分にとって必要な言葉が、事前に綴られているようにも思いました。
これまで私自身、仕事でも宮城UPでも、多くの失敗を繰り返し、無力感と不毛感にさいなまれることもありました。そんな思い出に響くのは、この言葉。
「経験とは、求められていたものを手に入れられなかったときに、手に入るものだ。」
試行錯誤の中で、失敗したからこそ、得られる力がある。パソコンやインターネットのリテラシーにも言えそうな、真理をつく言葉です。
そしてぶっちゃけ現在、私自身が(宮城UPも?)、大きな壁に直面しています。そんな心に響く、この言葉。
「壁があるのは、理由があるからだ。」
壁が大きいとめまいがする。でも、その壁が大きいのは、それなりの理由があるから。ものすごく勇気が出る言葉です。
そして、一番深々と突き刺さるのは、この言葉。
「配られたカードを変えることはできない。変えられるのは、そのカードでどのようにプレイするかだけだ。」
We cannot change the card we are dealt, just how we play the hand.
人生は、トランプのゲームのようなモノなんですね。どうプレイ=遊んだかによって決まる。充実していたか、楽しかったが決まる。
私たちは、自分が生まれたり置かれたりしている環境に、すぐ不満に思ったり、そのせいにしたりする。ポーカーで3枚もチェンジしてワンペアをつくったのに、最初からフルハウスな人って、確かにいますよね。人生の目標が富や名誉の勝利や東大入学だったら、スタート時点の差は怒りにしかならないでしょう。自分も怒ってました。
でももしも、勝つことではなく「意義ある人生をおくる」ということが、人生の意味なのだとしたら、最初に配られたカードの悪さは、気にならない。だって、カードが悪い中からうまく揃えていくことこそが、ゲームの楽しさだから。最初の手札が揃っている人には味わえない、テクニックとスリルと興奮を楽しみ、時間を有意義に生きることができる。死の病にかかった彼から言われると、重みが違います。同時に、前に別の人から聞いた言葉と重なります。「障害があるから、生きていけるんだよ。戦う理由があるから。」自分には言えない、あまりに重い言葉でした。まさに「生きる意味」。
もちろん、ゲームに参加できる事が大事。今まで障害のある人には、情報社会というゲームに参加できない人がいたので、参加できるように手伝うことが宮城UPの「人生の意味」です。その後は情報社会で、みんなでそれぞれが有意義に、生きていくのでしょう。
・・・では、自分の「人生の意味」は?・・・「最後の授業」を読んで、再度、突きつけられたようでした。
『最後の授業』公式サイト

そう考えると、この本って「最後の授業」かもしれませんが、それでおしまい、っていうわけではないんですね。ランディはこの授業を、他でもない、まだ5歳に満たない3人の子ども達に宛てていました。物心がついたら見てもらえるように。未来の子ども達にむけた「最初の一歩」なわけです。
彼の思いはインターネットをとおして、こんな私のところへも繋がりました。さらに動画や本を通じて、ないしは各地のblogを通じて、広がっていくでしょう。自分の思いも、みんなの思いも、繋がっていく。「最初の一歩」になる。それこそがランディのこの「最後の授業」の、本当の意味。中には、この「最後の授業」を読んだり、見たりしたことが、人生を変える「最初の一歩になる」人もいるでしょう。
インターネットは「最後の授業」を、「最初の一歩」にしました。この本に、授業に、そしてインターネットに出会えて本当に幸運だった。そう思います。
そして、人生をプレイし直さないとね。どうプレイして楽しんだか、だから。落ち込みがちの自分にとっても「最初の一歩」になりそうな、素敵な出会いでした。
P.S. 英語版のトランススクリプトを発見。名言が多いので、ぜひ参考にしてください。
http://download.srv.cs.cmu.edu/~pausch/Randy/pauschlastlecturetranscript.pdf