今回は、利府町が8月におこなった土壌調査結果について、参考までにリンクさせていただき、考えてみたいと思います。
利府町HP では、独自に町が土壌調査をしてくださり、数値を公開 しています。
これは、宮城県の自治体の中でも斬新で、町民の目線に立ったすばらしい取り組みで、ぜひ継続しておこなっていただきたいと思います。
この中から、最小値と最大値をぬき出してみます。特定の場所の名前をだすことは悲しいことですが、この中で葛藤して暮らしている方々のためにも、しっかり現実を受け止めるべきと考え、名前を挙げさせていただきます。
☆最小値
採取場所:東部地区子育てセンター「ペア・きっず」
(8月10日採取)
セシウム134 30 Bq/kg
セシウム137 37 Bq/kg
セシウム合計 67 Bq/kg
この数値に、原子力安全委員会の計算である×65 を用いまして、1平方メートルあたりの汚染数値(Bq)を計算してみますと、
67×65=4355 Bq/㎡、となります。
☆最大値
採取場所:利府西中学校
(8月16日採取)
セシウム134 480 Bq/kg
セシウム137 580 Bq/kg
セシウム合計 1,060 Bq/kg
この数値に、原子力安全委員会の計算である×65 を用いまして、1平方メートルあたりの汚染数値(Bq)を計算してみますと、
1,060×65=68,900 Bq/㎡、となります。
みなさんは、この数字を見られてどう思いますか。
「この差は何だ」と思われた方も多いのではないでしょうか。
利府町では、空間線量も測って公表しています。
空間線量は、最大値の利府西中学校で、土壌調査当日、地上100cmで、0,093μSy/hだったそうです。
最小値の東部地区子育てセンターで、前日(一番近い日)の空間線量は、地上50cmで、0,111μSy/hだったそうです。
また空間線量と土壌調査の話になりますが、両者をまったく同じ場所で測ったかどうかは、分かりません。
ただ、「同じ敷地」であり、どうしても「同じ地点」とみなされるでしょう。
しかし、この空間線量の差に、土壌調査でみられるような、大きな差は認められません。
だとすれば、私たちは、せっかく出していただいたこの数字をどう見ればよいのでしょうか。
放射性物質は、砂塵のように移動し、動くホットスポットを作り出すことが知られています。
何せまだ降り続けている降下物もあります(2億ベクレル毎時といわれています)。
風の流れもあります。吹き溜まりもあります。雨で降下、土に沈着したものもあります。
数キロ変われば、上記のように65倍も違う調査結果なのに、空間線量があまり違わない現実。
あなたなら、この地雷踏みにも似た土壌をどう解釈しますか。
線量が低いから、と安心していませんか。農作物はどう判断していますか。
私たちが「安心」するためにできることは何でしょう。
あなたの「防御」は、どういうことですか。
疑問形ばかりですみません。
でも怖いけど、大地の悲鳴を自分なりに聞くことが、きっと未来のへつながります。
正解はないのでしょう。
でも決してあきらめないでください。
人の数だけ、「安心」への考え、「防御」への考えを持つことそのものが、解なのだと、思います。