BORDER その後の大宮編 18 | 舞う葉と桜〜櫻葉・嵐綴り〜

舞う葉と桜〜櫻葉・嵐綴り〜

腐女子向けのお話ブログです。

でね、それから。


智さんと、智さんが作った夜ゴハンってのを食べたのよ。ふたりでね。


その夜ゴハンさ、途中でメニュー変更したの。アノヒト。


肉じゃが作ってたらしいんだけどね、味噌汁とサラダとって。なのに面倒になったのか何なのか、やっぱカレーにするって。味噌汁があるのに、だよ?


味噌汁は明日の朝か昼に食えばいいって。




で、できたカレーを、ふたりで、俺と智さんで、古そうな………このおじいちゃんおばあちゃんの家ちっくな家にぴったりな年代物っぽいちゃぶ台で向かい合って座って、食べて。





あろうことこかコノヒトね。ぼそぼそってね。アノ話をしだしたんだよ。すんごいぼそぼそって。


アノ話って何だよって?そこは察してよ。アノ話だよ。これから、夜、俺と智さんでヤ るであろう行為の話。違うか。その行為のための準備の話。すんごい生々しくて、ムードも何もないやつ。





信じられる?カレー食べながらさ、和は便秘か?って。


便秘じゃなくてもコレ使った方がいいらしいって、わざわざ食ってる最中にどこからか出して来たのはお腹をスッキリさせるやつ。





もうさ、点だよ。目が。口もぽかん。開いちゃったよ。全開。





いや、そうだよ?智さんの中ではもう俺が女役。つまりは俺が受けってやつでしょ?


それはいいよ。潔く引き受けるよ。俺から好きになって奇跡の成就だからそこはさ。


で、俺だって一応調べてさ、便利なネットってやつで。男同士のナニを。だから分かってたよ?


どうすんだ?どうしたらいいんだ?まじ?って。


思いつつもどうにもできなくて、そこは大人な智さんに任せようって手ぶらで来たよ。





だから。うん。した方がいいのは分かってる。


お腹をスッキリして、させて、カレーだから何をとははっきり言わないけどね。ナニを全部出してスッキリして及んだ方が、惨事を免れる、らしいよ。


そりゃお初で惨事なんて俺だってイヤだよ。記念のお初が、くさいなんてね?





けどさ。でもさ。けどだよ。でもだよ。





カレー、食ってるんだけど。今。俺とアンタ。





「おれもよく分かんないんだけど、潤と涼ちゃんがコレ使ってるらしくて」
「よく分かんないんだ?」
「男としたことねぇもん」
「女とはあるんだ?」





智さんが手にしたお腹スッキリの箱をちゃぶ台の上に乗せた。





で、カレーを一口。





「この年で何の経験もないって言ったら、気持ち悪いだろ」
「………」





うん。そう。そう思う。俺も。その通り。


智さんの年で誰とも何も、は、正直引く。


けど、なんだよ。でも、なんだよ。複雑なんだよ。乙女なコイゴコロってやつは。分かってよ、それは。





「でも、ケツは和が初めてだ」
「………っ」
「だからうまくできるか分かんねぇ」
「………」





ケツじゃなきゃうまくできんのかよ。





って、思った。乙女なコイゴコロが思った。


けど、それ以上に。ね?





声を大にして言ってもいいかな。いいよね、もう。





「何でカレー食ってるときにそんな話すんだよ‼︎このバカ‼︎」





智さんがちょっとびっくりして、そして。


爆笑、した。