
愛が微笑む時 < 原題:HEART and SOULS >
1994年3月18日日本公開
監督:ロン・アンダーウッド
出演:ロバート・ダウニー・Jr.
エリザベス・シュー
チャールズ・グローディン
アルフレ・ウッダード
キーラ・セジウィック
トム・サイズモア 他
そもそも何故この映画のDVDを購入したかというと、一昨年くらいだったと思うんですが僕は韓国映画の『ハロー!?ゴースト』という映画を観た時に自分でもどうかと思うくらい号泣してしまったんですね。
で、ネットで色々と感想を漁ってたら結構な人数がこの『愛が微笑む時』との類似点を指摘されてまして、これはこれで中々評価の高い作品だったので気になって観てみようかと思ったんです。(近所のレンタル屋になかったので買いました)
いざ観終わってみると、確かに話の大筋はまんま一緒なんですが、着地の仕方がまるで違うので僕は両作品とも別物として楽しめました。
(というか、僕は仮面ライダー電王の元ネタかな?と思った。)
この映画、たまたま同じバスに乗り合わせた4人の男女が、交通事故によりいきなり全員死んでしまうという、コメディとしてはかなりヘビーな幕開けです。
しかし4人にはそれぞれ生前やり残したことがあり、このまま死ぬわけにはいかないと執念を燃やして事故現場に居合わせた生まれたての赤ん坊に憑りつくことに成功しまして、なんとかあの世行きを免れるわけです。

守護霊となった4人とトーマス少年。生まれた時から片時も離れずトーマスを見守り続けました。
すっかり親友となった彼らにもある問題が発生。
幼いトーマスは生者と死者との区別がつかない為、人目をはばからず幽霊たちと交流している内に周囲の人間から白い目で見られるようになってしまいます。
「私たちがいるとこの子は社会から疎外されてしまうのでは━」
4人は悩んだ末にトーマスの前から姿を消すことに。泣き喚くトーマスを突き放して、今後は彼から見えない形で見守り続ける決心をします。
そして月日は流れ・・・

「 I'am IRONMAN. 」
・・・というわけ。すっかり大人になったトーマス(ロバート・ダウニー・Jr.)は成功を収めてやり手の銀行マンに。当時の純真無垢な面影も乏しく恋人のアン(エリザベス・シュー)ともなかなか結婚に踏み切らないプレイボーイになってしまいましたとさ。
と、そんなトーマスの目の前に突如現れたのは数十年ぶりに姿を現した4人の幽霊たち。
「なんなんだお前たちは!?」
「忘れてしまったのトーマス?私たちに力を貸してちょうだい!」

あの世への迎えはバスでやってくる。ドライバーは4人が亡くなった事故を起こした張本人。
あの世へ連れて行かれるまでに、4人は生前果たせなかった願いをトーマスに託します。
ハリスンは歌手志望、一度でいいから舞台で歌いたかった
マイロは盗んだ切手を持ち主に返したい
ペニーは息子たちに、ジュリアは婚約者にさよならを伝えなければ━
かくして、トーマスは(仕事を妨害される為)仕方なく幽霊の望みを叶えようと奔走するが・・
というお話。
僕がこの映画で一番魅力を感じたのは、やはりロバート・ダウニー・Jrの多彩な演技です。
トニー・スターク以前の出演作は『スキャナーダークリー』と『キスキス・バンバン』くらいしか見たことなかったんですが、あらためて凄い役者さんだと思いましたよ。
冒頭で仮面ライダー電王を引き合いに出しましたが、トーマスは幽霊が乗り移ることで人格も変わってしまうんですね。ここでのコロコロと変幻自在にキャラを演じ分けるダウニー・Jr.がとても愉快でした。
中でも僕が気に入ってるのは、職場で会議中にジュリアが憑りついてしまう場面。

見た目はおっさんだが、中身は年頃の女の子なのです。
わかり易いコメディシーンですけど、単なるオカマ演技で笑わせるだけでなく、しっかり女性の色気も感じさせてしまうのが素晴らしい。彼のファンには是非観てもらいたい名(迷?)場面だと思います。
ストーリーは単純明快で良いと思うんですけど、個人的にはラストでジュリアの願いも叶えてあげてほしかったかな。
彼女が探し求めていた婚約者は、実は既に亡くなっていたという事実がクライマックスで判明しまして、そこへ追い打ちをかけるようにタイムリミットが来てしまうんです。
そこでジュリアは、自身が送るはずだった幸せな結婚生活をトーマスの未来に託して昇天。彼女の意思を汲んだトーマスが恋人に気持ちを打ち明けてEND・・という流れなんですが、やっぱり直前のジュリアの無念が尾を引いてしまって、トーマスたちが結ばれたことが素直に喜び辛くなってしまいました。

ヒロインよりも5人でいる画のが幸福感に溢れてるから仕方ないね
王道を地で行くのなら、ここはトーマスに幽霊と恋人のどちらを取るか選択させて、恋人を振ってでも幽霊を全員残らず成仏させてほしかったかな。
(自身の幸福より利他的な行動をとることでトーマスを成長させるということ)
で、その結果恋人に対しても真摯に向き合えるようになりましたとさ、って感じで。
とはいえ娯楽作品として充分に楽しむことができました。
オチのひねりという点では類似作品の『ハロー!?ゴースト』に軍配があがるところですが、
アイアンマン以降のダウニー・Jr.しか知らない彼のファンに是非オススメしたい作品です。
まったくノーマークだった韓国映画。ラストの不意打ちは卑怯。
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少なからず影響を受けてると思うんですが、どうなんでしょうか。
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