このブログの存在を忘れていた…。

 一週間ほど前に「グラントリノ」という映画をみた。映画なんて久しぶりに見た。ネットフリックスを最近契約したので、父親がテレビで見ていたところを勝手に一緒に見たのである。

 感想としては、なかなか面白い映画だった。主人公(?)は過去に戦争で人を殺し心に傷を負っているおじさんなんだが、なかなかひねくれていて、周りから煙たがれる存在だった。本人はどうやら他人がひどく嫌いなようで、何か言われてもあまのじゃくな返答しかしない。

 隣の家には、中国から移ってきたきた一家が住んでいる。そこの長男(?)は、引っ込み思案でなかなか自分の意見も言わないし、いじめられてもやり返したりしない。知り合いのギャングには従兄がおり、従兄は彼を引きつれ出そうとするが、彼は頑なに行こうとしない。無口だが、何らかの強い信念があり、正義感が強く、正直な少年なのだ。

 主人公のおじさんは、人間不信であるが、それはすなわち、人間の邪な甘ったれた心理が読み取れてしまうからなのだろう。しかし、おじさんは少年を物語が進むにつれ信用するようになる。

 (文章で表現すんのむずかし!)

 美しい友情というものを考えさせられる映画だった。

 また、中国人の移民だったり内輪に親しくするという文化的背景が組み込まれている点が面白かった。そこに全くの白人であるおじさんが、受け入れられていく様子が気持ちよかった。おじさんは次第に彼らに心を開いていくのだ。発言も次第に、あまのじゃくではなく、自分の気持ちを正直に表したものとなっていく。

 しかし、おじさんは過去の戦争で人を殺したという罪を最後までぬぐいきれなかった。彼はそれに対する葛藤に苦しんでいた。しかし、最後にはその葛藤を受け入れることができたのである。それまでの過程を見ていると考えさせられるし、おじさんの正義感が美しかった。

 少年は、自信のない存在だったが、おじさんと関わっていくうちに自分の信念を表出できるようになる。その過程も美しい。そして、最後には揺るがない自信を手に入れるのだ。

 この二人の関係性は美しく僕には映った。

 ちょうど、「バナナフィッシュ」というアニメを見終わったところだったが、内容や言わんとするところは重なっている印象を受けた。心が洗われました。