無痛~診える眼~ に一言もの申す | Dr.ミーヤンの下手っぴい釣りブログ

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30歳代から釣りを始めた中年アングラーの釣りブログです。釣りを始めるのが遅かったから、若人みたいに
技術が向上する訳でもなく、それでもお魚さんと出会いたいために、頭を使って釣りをしています。

フジテレビ製作の

       無痛~診える眼~


に医師として一言もの申すパンチ


ここに出てくる先天的無痛患者が登場しますが、本当の無痛患者は
あのような異常者ではありません。

無痛症は正確には"先天性無痛無汗症”です。

先天的に感覚神経のC線維が欠如している疾患で、一種の遺伝病です。


あのドラマでは強烈なパーソナリティ障害で非常に暗い性格で無表情に
描かれていますが、あれは大きなウソです。


小生は運良く(?)、無痛無汗症の患者を診療した経験があります。
滋賀県でただ一つの家系らしいのですが、その当時小学生の姉妹でした。

ビックリするほどの朗らかな性格で、笑顔一杯、幸せ一杯という感じでした。
そりゃそうですよね、痛みを感じることができないからです。

しかし、あのドラマが描いているように、人の不幸が分からない辛さが分から
ない訳ではありません。苦痛は痛みだけではないからです。

   お腹がすいた。でも食べられない。
   好きなことをしたい。でも許してもらえない。

などなど、人間には痛み以外の苦痛があるのです。

人生の不幸は痛みのみから感じ取るものではないので、彼女たちはしっかりと
した感情を持ち合わせていました。
ただし、痛みに関する感情は欠如しています。痛みに耐えている人の気持ちは
分かりません。だからその分朗らかになるのです。

実際に親御さんは育てるのが大変です。
脳の疾患ではなく、末梢神経の異常で、痛みを感じないだけでなく発汗もしない
ので、ケガをしても分からないだけでなく、体温調節も出来ません。直ぐに熱中症
にかかってしまうのです。


あのドラマではまるで怪人扱いで、しかも保護者の苦労が欠如しています。

ドラマのホームページでは、登場人物の性格、行動は実際の病気、障害による
ものではなく、ストーリー上製作した物でフィクションだと、しかも実際の病気、障害
に誤ったイメージを持たないようにと言い訳しています。

それならば、ドラマの冒頭で大きく表示するべき問題です。
あれだけとんでもないイメージで描いておいて誤解するなはないでしょう。

誤った疾患差別を植え付けていると言われても仕方
ない反社会的行為ですよ、これは
激怒パンチびりびり