私の愛する息子が、初めて私を、

おかあさん

と、呼んだのは保育所に入ってからだ。


年中さんかな、

年長さんかな、  曖昧だ。


私は自分の事を、うち  と、言う。

息子にもずっと、


うちんとこ、おいで、

うちのかわいいベイベー、


私は一人称を、うち、と言っていた。

私は母親として、

自信が無かったから、うち、だ。



保育所に入る前、スーパーで息子がウロチョロして私を見失った時、


うちーーーーーー!


その時初めて、

【うち】と、私の事を呼んだのだ。


保育所に入る、前の年かな。

ほんと、感動した。


年少さんの頃、息子とお散歩中、

私の膝丈くらいの高さから息子は舞い降りた。


もう、天使かと思った!


そう言う私に対し、息子は、

〇〇くんは、うちの、かわいいベイベー?


と、言うではないか。

ほんと、私は、メロメロだ。





いつからか、息子は、私の事を、

かーさん、  と、呼ぶ様になった。


そしていつからか、

私の下の名前の、さん付け、する時もあった。


そしていつからか、

おいー、と、なった。


ほんと、私の上に、立ちたがる、からな。




私は母親として、自信がなかった。


ご飯はばあちゃんが作る。私は仕事、だ。

一緒にいる時間を、もっと増やせば良かった。


私は、母親に、なる事が出来ただろうか。


幸せな時間の方が、多いはず、だ。


だが、

つまらない事で感情を息子にぶつけた時の事ばかり、思い出す。


そもそも、頭痛、見抜けなかったのだ。




先日、息子の荷物を取りに高校へ行った。


担任は、

息子は私の下の名前で呼びながら、学校で、

よく私の話をしてたと言う。


もうそれだけで、十分幸せ、と、思えば良い。

私はそう、思い込まなければ、ならない。




だけどね、


おい、、、でも、なんでも、良いんだ。


愛する息子へ

もう1度だけ、私の事を、呼んで欲しい。