写真】「“体臭”失言」で契約解除になった川口アナの謝罪文、過去に炎上した「不適切投稿」を見る

被害者がいる場合は、被害者に謝罪を行い、場合によっては補償を行うことが最も重要だ。刑事事件であれば刑事罰を受けることになるが、そうではない場合は、被害者との間で和解が成立すれば、事態はほぼ収束したと見なしていい。有名人の場合は、活動を自粛して、表舞台からしばらく身を潜める場合もある。

フワちゃんの“暴言”問題は当事者同士で和解したが…

フワちゃん側はまさにその対応を取っている。フワちゃんは、やす子さんに謝罪を行い、やす子さん側はそれを受け入れている。また、フワちゃんは8月11日に芸能活動の休止を発表している。

たしかに、フワちゃん側の釈明の内容にはツッコミどころがあるのだが、必要な責任を取っている以上、これ以上叩く必要もない。

何より、やす子さん自身も、Xに「フワちゃんさんのことめちゃめちゃ許してます! もう終わりましょう!! (中略) 相手への誹謗中傷もやめましょう!」と投稿している。

 

 

その後、川口さん自身もXに謝罪の投稿を行っている。

川口さんの投稿はたしかに不適切であり、事態を収束するために謝罪は必要であるし、コンプライアンスに厳しくなっている昨今の状況を考えると、一定期間の謹慎もやむを得ないかもしれない。

しかしながら、契約解除まで必要であったかは疑問が残る。事務所側は「異性の名誉を毀損する不適切な投稿行為」としているが、一般に名誉毀損は、特定の個人に対して行われることで成立する。

特定の被害者がいない場合、「社会的に見てどのくらい不適切な発言だったのか?」というのが争点となるのだが、これについては具体的な基準があるわけでもなければ、負うべき責任も明確ではない。

 

筆者としては、この投稿は、性加害者を擁護し、被害者を貶めているという点で、“不適切投稿度”はかなり高いと思うのだが、デヴィ夫人は社会的制裁を受けてはいない。

過去の事例に照らしても、川口さんの投稿の“深刻度”と照らして、所属事務所を契約解除になるほどの問題だったのかは疑問が残るところだ。

いずれにしても、川口さんも謝罪を行っているし、十分な制裁も受けている。これ以上叩く理由もないように思える。

不適切な投稿を行った人を叩くのは“適切”な行為なのか

 

私事(わたくしごと)になるのだが、筆者は前の3連休に津軽地方を旅行し、「太宰治疎開の家 旧津島家新座敷」を訪れた。

ここは、第2次世界大戦の時、作家の太宰治が1年4カ月滞在し、数々の名作小説を執筆した場所である。

その座敷の柱に、小説『人間失格』の下記の一文が貼り出されていた。

 

 

それは世間が、ゆるさない

世間じゃない。あなたが、ゆるさないのでしょう?

そんな事をすると、世間からひどいめに逢うぞ

世間じゃない。あなたでしょう?

いまに世間から葬られる

世間じゃない。葬むるのは、あなたでしょう?

 

 

 

 

引用終わり。