雪が降り続けている 深々と。
巷の音をみんな吸いこんで
真っ白に広がる空間と
夜の静寂(しじま)に現れるすき間に
浮かぶ想い 胸の谷間に漂う霧が漂う。
…死なせてしまった。
息子の姿は何処にもいない
微笑む写真…に
自責…死なせてしまった。
死なせてしまった。……
透明で細い糸に ギリギリと
躰ごと 心も絞め上げられる
いつと言うことなく 脈絡もなく
明日という朝に
覚醒めれば むくむくと立ちのぼる霧が
冷たく重く びっしりと
まとわり付くだろう。
苦しみながら 生きることが 償うことなのだと。