突然のメッセージを失礼します。
音楽留学ではなく、趣味で地元のコンセルヴァトワールに通っている成人の生徒です(年はみやびさんとほぼ同じぐらいです。(^^♪)。スイスの音楽学校でグランドハープを勉強しています。指導者はフランス人の先生です。

千葉在住の、プロのハープ奏者知人の動画を見たことがあるのですが、かなり固く見えたのでなんでだろうと思ったら、私の弾き方は引いた後に両掌が正面に見えるように脱力?しているのだそうです。

色々検索している時にみやびさんのブログで、Xavier De mastre 氏の弾き方と日本の弾き方の奏法が違うとか、海外と日本で弾き方が(弾いた後の脱力がちがう?)違うと書かれていて、あー、そのせいかと目から鱗でした。
日本でハープを勉強したことが全くなくて、ヨーロッパでしかないので、血豆ができるとか腕が痛くなるとか、逆にびっくりしました。こちらではみやびさんが指摘してらっしゃるように、体に支障がでない弾き方を強調して教わるので……。ですので、私自身はアイリッシュ・グランド合わせて7年ぐらい弾いていますが、一度も血豆ができたことはありません(弾き方が怠けているだけかもしれませんが・・・)

もし機会がありましたら、またブログで詳しくそういうお話もしてくださるとうれしいなあと思います。

ハープはまだまだヨーロッパでも日本でも知られておらず、知っている人もお金持ちのお嬢様かマリーアントワネットしか弾いちゃいけない楽器、みたいにこちらでも思われます。
もっとピアノみたいに親しみやすい楽器になってくれたらなあ、と思います。

長いメッセージでごめんなさい。ハープ推進運動、がんばってくださいね★

M K 


【おへんじ】

うれしいお便りありがとうございます(*^^*)

スイスの音大でフランス人の先生に習っていらっしゃるというと、ローザンヌ音楽院のシャンタルマチュー先生でしょうか?

わたしも以前、ジュネーヴ国際コンクールに参加した際に習ったことがあります。

おっしゃる通り、海外では指に血マメができるという話はほとんど聞きませんよね。

身体を壊すほど強くはじくメソッドが主流なのは、日本だけだと思います。

どうしてそうなってしまったのか…色々な説がありますが、

ハープの本場フランスでも50年以上前は、指に力を入れて強くはじくメソッドが主流だったみたいです。

そのとき留学して学んだ若い日本人ハーピストが、今、各音大の教授になって弟子、孫弟子…とそのメソッドを継承して広めている感じじゃないでしょうか。

フランスで、指の力を抜き腕の遠心力をつかうメソッドに変革したのは、イサベル モレッティ先生を中心とする流派と言われています。

イサベルは、名門パリ音楽院の教授でカマックハープの社長夫人ですが、わたしと同世代で、学生時代は同じ先生に習っていました。

リヨン国立管弦楽団のハーピスト、ロレンツィーニ先生ですね。

ロレンツィーニ先生が、私達に遠心力をつかって脱力する最先端のメソッドを教えてくれました。

元ウィーンフィル管弦楽団のハーピストXavier De mastreも私と同級生ですが、

40代の私達の世代からようやく、世界的にも脱力メソッドが主流になってきたように思います。

日本では、まだそれを広める若いハーピストがいないだけなんでしょうね。

音楽之友社から出版された私の著書「はじめてのハープ教本」にミヤビメソードが詳しく解説されていますので、よろしければご覧ください。

桐朋音大教授のモルナール先生が教本を出されて以来、なんと46年ぶりに発表されたのが私の教本らしいです。

半世紀もメソッド更新しないなんて、スポーツ界やIT業界、医療業界ではあり得ませんが…

やはりハープ界の人口の少なさが研究を遅らせるのでしょう。

ミヤビメソードで師範免状を取得し、各県で支部教室を開く生徒さんが育つようになれば、

日本でも、身体を壊さずに美しい音色を奏でられる弾き方が定着すると信じて、活動をがんばっています(^-^)/