おなじプロの音楽家、といっても

演奏家と教育家では基本的に求められるスキルが違います。

世界中の著名な教師に師事して分かったことは

私に最も大きな成長と発見を与えここまで導いてくれた先生たちは、

みな演奏家としては活躍していないひとだった、ということです。

演奏家に求められる要素は「ストイック・自己中・天才肌」

教師に求められる要素は「穏やか・世話好き・理論家」

です。

まぁ、真逆ですよね(笑)

稀に両方を兼ね備えてる素晴らしいひともいますが、

名演奏家=名教師ではない、とわたしは考えています。

演奏家で成功したひとは、そもそも自分の活動に忙しく、他人を育てることにあまり興味がないし、弟子が優秀な場合は自分の立場を脅かされるので、嫉妬で虐めるようになりがちです。

これが、名門音大出身からなかなかスターが輩出されない原因ではないでしょうか。

それに、自分が演奏家として成功しているひとは頭でなく体の感覚でわかってしまう天才なので、弟子が出来ない場合になぜ出来ないかが分かりません。

その反面、良い教師とは「きちんと言葉で理論を説明できる知性をもったひと」です。

人を育てるには、技術だけでなく性格や人格も必要ですし、さらには笑顔や言葉といったコミニュケーションスキルも大切な要素です。

こうした能力を備えた立派な教育者を育てるためには、幼少期から親にスパルタ教育されてきた人よりも、むしろ大人になってから自分の意思をもって頭で考え技術を習得した人のほうが適任かもしれないと、わたしは考えています。

ミヤビ・メソードでは、通常プロになるのに20~30年といわれる常識に従うのではなく、5~10年という驚異的な短期間でプロを育成しようと新しいチャレンジを試みています。

これは、もちろん支部教室や講師の育成という意味で、CDをリリースしたりソリストとして活躍する人材を育てるならばやはり幼少期からの厳しいエリート教育が必要ですが…。

ミヤビ・メソード教本は無駄なく、非常に合理的に作られています。

すべての指の動き・腕の動き・呼吸法・表現法は、きちんと裏付けされた理論があり、きちんと言葉で説明できるように考えられています。

この教材マニュアルがあるからこそ、短期のプロ育成が可能であると自負しています。

教室が歴史を重ねてゆくなかで、

「教育家・演奏家・趣味」

三層どの道に進んでも生徒さんがハープLifeを伸び伸びと楽しめるように、

各コースのシステムづくりをスタッフと共に模索していけたら良いなぁと思っています(*^^*)

(つづく)