Maimai

ピアノを弾く手:

私はちゃんとピアノを習ったことがなくて子供の頃に習っていた友達が弾くのを見よう見まねで覚えました。テレビでピア二ストが弾くのを見ても日本のピアノ教室で習うであろう手の形で弾いている人は殆ど居ないなぁ~という印象です。



【A】
コメントありがとうございます。

おっしゃるとおり、

ピアノ界でも戦後すぐは、指の力で弾くメソッドが日本で多く見られました。

指を強化するグッズも流行り、手のひらを卵型に固めて鍵盤を上から叩くというメソッド。

わたしが幼稚園の頃は、まだそんな教え方でした。

しかし海外に留学できる自由な時代になり、日本のメソッドと海外のメソッドがあまりに違う!

…という事に気付き始めた先駆者たちが、

指強化により指を痛めてしまうことを警告し、海外と同じように、指の力を抜く代わりに手首と腕の重みで鍵盤を撫でるように弾くメソッドを伝承しはじめました。

今では、指を固めて鍵盤を叩くメソッドのピアニストは日本でも殆どいなくなりましたね。

とくに、プロのピアニストは、皆さん手首と腕を使って多様に音色を変えています。

生徒さんから聞いて買ってみた本。
ピアノ界の歴史を勉強していてコメントのお返事遅くなりましたが…
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この本には、音色を多彩に変えるために指の力をいかにして抜くかという技術、フランスの有名ピアニスト、タリアフェロのメソッドが詳しく紹介されています。

タリアフェロは、1937年に名門パリ国立音楽院の教授となり、コルトーの愛弟子として美しい音色を奏でるための脱力メソッドを提唱。

力強く鍵盤を叩くメソッドが主流だった当時のピアノ界に改革を与えました。

タリアフェロは、小柄な女性ピアニストでしたが、身体に負担をかけないメソッドのおかげで、

91歳のときにカーネギーホールでリサイタルを開くという奇跡を起こし生涯現役を続けられたといいます。

タリアフェロの演奏自体は半世紀前のものですから、現代のピアニストに比べて物足りない面もあるでしょうが、その綿密な理論にはミヤビメソードと共通の考え方もあり興味深いですね。
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たとえば、手首をゴムボールのように使う技術。
ミヤビメソードでは、ネコ&トランポリンの技術と呼んでいます。
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腕の曲線をつかって離れた音に移動できる技。ミヤビメソードでは、タコの技術。
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呼吸法の重要性にも触れています。
ミヤビメソードでは、アインザッツ(一拍目の前)にオバケの技術を使います。
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宙で手首を構える。ミヤビメソードでは、キツネの技術。
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2音をレガートに弾く技は、ミヤビメソードでは【ひねって、はらう】【まわして、おこす】の技術と命名。
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座り方にも、多くのページを割いています。
正しい演奏姿勢を教えられる先生は少ないですが、間違った姿勢で長い間練習すれば、体も歪んでしまうので危険。
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短い音符は、手首の反動で。
これは、ミヤビメソードではキツツキ奏法といいます。
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こちらは、アメリカで研究された筋肉と関節の専門書でちょっと難しい。どちらかといえば医学書に近い。

でも、欧米のピアノ界では、私が必要だと常々主張しているようなアスリート身体学をすでに楽器に取り入れた研究がなされています。

やはり、人口の多いピアノ界は、ハープ界より半世紀以上リードしている感じがありますねぇ…。

バイオリニストの五嶋みどりさん(五嶋龍さん)も合気道を学んで呼吸法を取り入れていますし、チェロのカザルスも呼吸法や柔軟体操を大切にしていたと、本書に書かれてありました。

私が21世紀に提唱しているミヤビメソードは、ハープ界では前例を見ない珍しいものとみられていますけれども、ピアノ界では約80年も昔に起こった運動であるという事です!

ハープ界の未来に一石を投じられるよう、私も弦と身体の関係性を研究し体系化していきたいと思います。