テレビ、ゲームを控えることによるメリット(母の企み)は、もう一つありました。

それは、、、

本を読むことが一番の娯楽になるために、聴覚だけでなく想像力が養われることです!

幼稚園の頃は、毎晩、童話の絵本を母が読み聞かせしてくれました。今で言うシングルマザーなので日中は忙しく働いていた母ですが、留守のときはカセットテープに「みやびちゃんへ」というメッセージと、日替わりで絵本の朗読を吹き込んでくれていました。

その愛情こもったテープを聴きながら寝ていたので、寂しかった記憶がありません。

大好きな「白鳥の湖」のストーリーは何度も聞いて暗記してしまい、テープに物語の全文朗読を録音した4歳の声の私が未だに残っているほどです。

「白鳥の湖」の音楽は、ミヤビメソードの教本6章にアレンジして掲載していますので、皆様弾いてみてくださいね(*^^*)

小学生になると、学校から帰ってまずピアノのお稽古を数時間やって、それから、おやつして、猫ちゃんと遊びながら、ルノアールやモネの絵画を観たり、パールバックの「大地」や「アンネの日記」を読んだりする文学少女になりました。

実家には、世界美術全集と、世界文学全集が全巻そろっていたので、順番に読むのが楽しみでした。

(小児ぜんそくがあって体が弱かったので、外で友達と遊んだ記憶があんまりないです…)

ちなみに、マンガはOKだったので、マンガっ子でしたね。マンガは好きですごくたくさん集めてました。「はいからさんが通る!」「ガラスの仮面」「ときめきトゥナイト」にハマった世代…(笑)

物語の情景を想像して絵を描いたり、自分で詩や小説を作ったりするのが好きな子供でした。

今、皆様に宛ててBlogをとおして長文メッセージを日々綴らせて頂いていること、PHP研究所から自伝を出版させて頂いている事。音楽だけでなく文字を通して表現するのも好きなのは幼少期に培ったものだろうと思います。

音を色で感じて、絵を描くみたいな感覚でハープを演奏できるのも幼少期の影響でしょうね。

ミヤビコースでは、カラーレッスンをよくやるんですよ。音符から情景や色を想像し、曲からイメージする生徒さんオリジナルのストーリーを作ってもらう想像力の指導です。

そして、テレビは禁止でも特別に観て良い番組がありました。

それは、映画!

「アラビアのロレンス」「十戒」「ベンハー」など、5時間もの大作を家族で観ていたなぁ。。。「ローマの休日」「ティファニーで朝食を」も大好きでした。

母が好きだった、大女優のエリザベス・テイラーや、カトリーヌ・ドゥヌーブの映画もよく一緒に観ましたね。

小学生のときの、私の理想の女性像は「風と共に去りぬ」のスカーレットでした。たくましく美しい女性はカッコイイな!と思った。

そして、好きだった男性のタイプはジェイムズ・ディーン。「エデンの東」を観てから影のある男性って素敵だな~と♡←結婚したら不幸になるタイプ(笑)

子供に対して、子供らしいものを与えるか、大人と同じようなものを与えるかは、教育方針により賛否両論でしょう。

ただ、芸術、アートに関しては、年齢に関係なく一流のものを見せたほうが良いと私は思っています。

想像力の飛躍は、子供のときが一番大きいから。子供はみんな天才って言うけど、本当に大人には考えつかないような発想ができる。

常識や社会の枠組みに縛られてイメージが固まらないうちに、出来るだけ広い世界を見せてあげると器が大きくなる気がします。鉄は熱いうちに打て!というやつかな。

そして、デメリットである…そうやって育てるとクラスメートと話が合わなくなる事を心配した母は、私の誕生日になると小学生の同じクラスの女子全員!を家に招待してお菓子や料理を作ってくれたのです‼︎ ←呼んでないのに男子まで来ていた…(-。-;

そのおかげで、イジメに合うこともなく、未だに小学校の先生や同級生とは仲が良いんですm(__)m

価値観を無理に合わせなくても、お互いに尊敬の気持ちがあれば友情は成立するんじゃないかな。

今の時代は子供の頃から英語を習う習慣があるのは良いと思うんだけど、洋画を見せる親はあんまりいないかもしれませんね。でも、洋画は家に居ながらにして、様々な国の文化を知れる素晴らしい機会ですね。(ちなみに大人になった今は邦画のほうが好きですが…^ ^)

うちの場合は、母の仕事の関係で外国人アーティストがよく我が家に打ち合わせに来てホームパーティを開いていたので、小学生のときから海外の人達と会話したり遊んだりするのが日常でした。

その経験もミヤビメソードを創るにあたり大きな糧になったと感じます。常に世界の国々はどうなんだろう?とグローバルな視点から見て行動する習慣がついています。

先日、英会話教室で一緒だった大学生の男の子が「カナダに一か月行っただけで価値観が変わった!就職先を決める前でよかったです!」とカルチャーショックを受けていたのですが、

若いうちに短期間でも海外へ行き、できれば観光でなくホームステイで地元の人々の日常生活を体感してくるのを強くオススメします。奨学金制度や交換留学制度を利用すると費用も抑えられるし。きっと人生の選択肢が広がるでしょう。

子供の頃に宝塚歌劇団のステージを見に連れて行ってもらったのも衝撃でしたね。「ベルサイユの薔薇」のマリーアントワネット王妃。ドレス姿が幼心にも本当に素敵でした。

今、ハーピストファッションの指導をさせてもらっているのは、たぶんこの頃に観た映画や宝塚歌劇団がきっかけでしょう。

母は、幼い時から美しい芸術、美しいステージに数多く触れさせることで、人前で表現することの素晴らしさを教えたかったのかもしれません。

小学生のときピアノの発表会の前日になると、私は緊張感で顔が青ざめ、胃が痛くなって足が震えるような臆病な子どもでした。

でも、母は笑ってこう言ったのです。

「緊張することは、すごく立派なことなの。

それはね、あなたが音楽の神様を信じているからなの。

それはね、あなたがお客様を大好きでいるからなの。

ママは、世界の有名な演奏家とたくさんお仕事してきたけど、立派なアーティストほど楽屋でいっぱい緊張していたのよ。

だから、弾く前に緊張がやってきたなら、必ずステージでは上手く弾けるっていうサインなのよ。」

40代になった今でもコンサートの前は必ず緊張するのですが、そのたびに、この魔法の言葉を思い出すのです。