東京芸大4年のとき試験曲だったサルツェード「古代様式の主題による変奏曲」。当時の楽譜を発見。

我ながらすごい書き込み(笑)

これは、ハープのオリジナルのなかでも最も有名な作品のひとつで、グランドハープを本格的に勉強する人は必ずやる曲です。

私も、華やかなこの曲に憧れて高校3年生のときに開催したデビューリサイタルで演奏した想い出があります。

スケール連続のフィナーレは超絶技巧ながら圧巻!

松岡みやびハープ教室では、私も講師の先生方も、趣味の生徒さんには親切に丁寧に注意を書くように心がけていますが...

プロをめざす人向けのレッスンは通常、先生がいちいち書き込みすることはありません。

「芸は見て盗め」という厳しい世界ですからね。

だから、レッスン後はいつもダッシュで家に帰り何時間も注意を思い出しながら書き込んでいたものでした。

でも、やっぱり忘れちゃうので、レッスンには母が付き添い、先生のおっしゃる注意を一言一句書き込みしてくれていました。
(もちろん、レッスン録音は禁止ですからね)

↑こちらが同じ曲の母専用の楽譜。

保管用、自分用のほかに保護者用の楽譜もあった(笑)メトロノーム特訓の形跡もありますね(゜ロ゜;

12歳でハープをはじめてCDデビューする26歳までの、 14年間一人でレッスンに行った記憶がないので...

毎週、母が付き添って書き込みしてくれてたんだなぁ。。としみじみ。

母子家庭なのに、一人で働いて高いレッスン代や楽器を工面してくれたうえに、車運転してレッスン送り迎えして立ち会いの労力も提供してくれて。

(電車で通うと8時間練習ができなくなるので車のなかでお弁当食べたり学校の宿題をしていた...)

自分に子供が生まれたとしても、ここまでは絶対出来ないでしょうね。。

過保護とおり越して、あっぱれですよね。

ミヤビメソードが広まってきたおかげで、将来子供をハーピストにさせたい、音大に行かせたい、みやび先生のようにさせたい、という多くの親御さんが最近は入会してくれるようになりました。

有難いことです。

でも、

今まで趣味の生徒さんの日常生活が癒しの音色で豊かになってほしいという目的で楽しいレッスンに重点をおいてきたので、

もしプロをめざす場合には生半可な覚悟では到達しないという厳しさも伝えていかないといけないのではないか、と。

趣味の方はお仕事や家庭で十分がんばっている訳ですから、ハープまでがんばらなくていいよ~練習も無理しなくてだいじょうぶだよ~と心底思うのです。

でも、ハープでお金をもらえるようになりたかったら、がんばってもらわないと困るのです!

何も始まらないうちから厳しくして挫折感を味わせるのも良くないと思うので、導入は楽しくして続けていくうちにプロをめざしたい人には意識転換を伝えるべきなのだけれど、

そこでついて来られずハープ自体が嫌いになって辞めちゃう人もいるので、だったら夢はあきらめてもらって趣味で楽しませてあげてたほうが幸せだったんじゃないかと悩むんですよね。

趣味向け、プロ向け、教える技術や熱意は同じなのですけれども意識の違い。その両輪をどうまわして運営してゆくか、ミヤビメソードは新たな展開を迎え対策を検討している今日この頃です。