世界的に活躍するジャズピアニスト、上原ひろみさんのインタビュー@NHKテレビ。


今夜、ご覧になりましたか?


「ハープの神様が降りてくる」


とわたしもよく、ブログに書いていますが、


ひろみさんも同じことをおっしゃっていました。


しかも!


ジャンルも楽器も違うのに


見えている情景が全く同じで感動。


以下、『』はひろみさんの言葉の要約です。



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『音楽の神様が降りてくるときは、


作為的でなく音が指を連れて行くように


自然にフレーズが生まれる。


(指が音を生み出しているのではなく)


でも、どうやったらその状態になるかわからないし


一生懸命がんばっても神様が降りてこないときもあるし、


自分ではコントロールすることができない。


ステージに大きな渦が生まれて


自分とお客さんは別々の星なんだけど



渦のなかでそれらが繋がっていく。



まるで宇宙を形づくっているみたいに。』


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そう。


「演奏家、楽器、会場、スタッフ、聴衆」


この5者の「気」が合致したときにはじめて、


音が空気の振動を伝わって


大気が循環するんですよ。


でも


その旋風をつくるには


ものすごく大きなエネルギーが必要なので


一人の力では出来ないのです。


そして


この渦のなかにいるときは、お母さんのお腹のなかで


ぷかぷか浮かんでいるみたいにすごーく体が軽くて、穏やかで、透明で、


あったかくて、この世のものとは思えないほど幸せなんですよね。


わかりやすく言うと、オーロラみたいな巨大な渦が見える感覚かなぁ。



まぁ、見えないときのほうが多いんですけどね(笑)

見えたら何が起こるかというと、自分の知らない自分に出逢えるんです。

自分の聴いたことのない響きに出逢えるんです。

自分と他人の心と心が繋がるんです。

ときには相手の人生が変わるほどに。

アートの仕事は、一言でいうと「しんどい」


成功か失敗かが基準ではなく、


最低限のラインをクリアするのは当たり前で、世間的な評価や成功には満足できないから。


自分の知らない自分に出逢えるか?


自分の聴いたことのない音に出逢えるか?


まだ見ぬ自分を探し求めて、常にチャレンジし続ける。


自分の限界まで・・・。


昨日つかんだ感触は、今日になればスルスルと手から滑り落ちてゆく。


今日たどり着いた確信は、明日になれば跡形もなく。


一生つづく旅は、実に残酷で、しかし実に面白い。


ピアニスト・上原ひろみさんは、こう語る。


『100点は一度もないけど、悩んでも途中で逃げ出さない。誰かを驚かせるためじゃなく、私が私にびっくりするくらいドキドキする音楽をつくりたいから』


素敵な言葉・・・でした☆