ハープは、多くの人に癒しをあたえる魔法の楽器だ。


けれど、


わたしにとって、実は、ハープは「癒し」じゃないんだ。


もっと厳しい、何か。


ハープを弾く前は、必ず手を洗い、瞑想する。


心に雑念があるときは、音の玉が見えない。


今のわたしにとって、練習とは指を動かすことではなく、音の玉を空間にデザインすること。


だから、心が整っていないときは、ハープに触れない。


ハープは、わたしにとって「聖域」なのかもしれない。


ハープに触れるのは、とても覚悟のいることなのだ。


大ヒットしたTVドラマ『家政婦のミタ』の脚本家、遊川和彦さんは、言う。


「俺は、鶴の恩返しの鶴なんだよ」


一日15時間、酒もタバコもせずに脚本を書き続ける生活を20年続けているという。


ハーピストという仕事は、鶴の恩返しと同じだな~と、わたしも10年くらい前から思っていた。


じぶんの骨身を削って、命がけで作品をつくって、それが多くの人に喜んでもらえる。


コンサートのあとは、何日も寝込むことすらある。


でも、


わたしのハープを聴いた人が癒されてくれて、


わたしの教室にきた生徒さんがハープで癒されてくれる。


そう、


人が癒されるのをみて、


それでじぶんも癒されるんだな。


「癒し」のフィードバック!



だから、ハープをとおして多くの人を幸せにしたい。


それが、わたしの幸せだから・・・ね。