先週の日曜日、23日に行われたアイスリボン後楽園ホール大会『雨のちリボン2024』。メインイベントは星いぶき選手の妊娠発覚による欠場・返上に伴って約2ヶ月に渡って行われてきたICE✕∞王者決定リーグ戦の決勝戦。Aブロックを勝ち上がったいぶきの母・星ハム子とBブロックを勝ち上がったガンバレ☆プロレスのYuuRIの初シングル。ハム子が勝てば6年ぶりの王座奪還、YuuRIが勝てば昨年8月にいぶきに敗れてベルトを奪われてからの取り戻しとなる闘い。前日に前哨戦を行ったとはいえ直接決着ではありませんでしたので果たしてどちらに勝利の女神は微笑むのか?全く予測の付かない闘いではありました。

 

 

◆第6試合 株式会社Compass Presents ICEx∞王者決定戦 時間無制限1本勝負
[Aブロック優勝]×星ハム子(21分53秒 スワントーン・ボム→エビ固め)YuuRI○[Bブロック優勝]

 

 

盟友の杏ちゃむがリング上げを行ったYuuRI。それに対して若手選手が総出でリング上げを行ったハム子。第4試合同様に対抗戦らしい雰囲気は出ていました(YuuRIの同門のまなせゆうなは双方を応援していたようです)。

 

 

今回も株式会社Compasspresentsとなっていましたが、3月の時のようにスポンサーからの花束贈呈はなくそのまま両者が握手を交わして試合開始へ。立ち上がりはハム子が力で押していきますが、YuuRIもハム子の足を刈ってコーナーに追い詰めると顔面ウオッシュを連発して場外にハム子を落としていきます。

 

 

ダブルハンマーでペースを握ったかに見えたYuuRIにハム子は鉄柱攻撃で応戦した場外戦。しかしYuuRIはエルボーの打ち合いを行うとローキックからDDTを叩き込み、エプロンからのローリングアタックを決めていきます。

 

 

リングに戻りざまにドロップキックを浴びせたYuuRIは素早い動きでハム子を翻弄していきますが、ハム子はタックルで倒すとコーナーで腹ウオッシュ。観客のSTARDOMファンを意識していたようですが、むしろ逆効果だったような…。更に「お・し・り・だー」からのブルドッキングヘッドロックを狙いますが、YuuRIはコーナーに飛ばすとボディアタックからネックブリーカードロップと主導権を譲りません。

 

 

ハム子が返すと首4の字に移行したYuuRI。ハム子もラリアットを後方で決めてブルドッキングヘッドロックから逆エビ固めへ。ここでも「どすこい」で観客を煽るハム子。YuuRIがロープエスケープするとエルボーの打ち合いに。タックルでお腹の強さをアピールしたハム子でしたが、YuuRIは619からミサイルキックへ。ハム子がカヴァーを返すとサッカーボールキックを叩き込みますが、PKの蹴り足をキャッチしたハム子はキャプチュードを連発すろとYuuRIもジャーマンで応戦。ハム子もジャーマンでお返しするとYuuRIはトラースキックを放ちハム子がラリアットで応戦すると両者ダウン。

 

 

両者立ち上がって再びエルボーの打ち合いに。するとYuuRIは飛びつき式の胴締めスリーパーへ。ハム子が反転フォールを取りますが、YuuRIはコーナーへ。ハム子が追いつき雪崩式ブレーンバスターを放つとダイビングボディプレスを放ちますがYuuRIは剣山で阻止。バズソーキックを連発させたYuuRIはフィッシャーマンバスターからスワントーンボムを放ちますがここはハム子が返していきます。

 

 

ケンカキックを連発でハム子を挑発していくYuuRI。勝負に出ようとコーナーに向かいますが、ハム子は足を掴んでドラゴンスクリューから腹ウオッシュを連発して腹ザードへ。強引なバックフリップから再びダイビングボディプレスを放ちますがYuuRIにカウント2で返されてしまいます。

 

 

今度はYuuRIが足を掴んでハム子の3度目のダイビングボディプレスを阻止するとハム子は背中へのダブルチョップからラリアットを放っていきますが、YuuRIはトラースキックを放つとハム子をロープに飛ばしてのレッグロールクラッチ。ハム子もラリアットから担ぎ上げようとしますが、YuuRIはこれを切り返して丸め込みを狙うもハム子はこれを潰すとハムロールへ。しかしこれをYuuRIが反転フォールに持っていくとラ・マヒストラルへ。ハム子が返すとトラースキック、バズソーキック、旋回式トラースキックの雨嵐。行けると確信したYuuRIはスワントーンボムを連発してハム子を倒して王者返り咲きに成功。✕60時台を含めて初めて所属外選手で2度目の戴冠を果たしました。

 

 

決勝進出が決まってから相当悩んでいた様子のYuuRIでしたが、試合ではしっかりハム子対策をしてきた雰囲気が感じ取れました。ハム子を倒すにはダイビングボディプレスとハムロールの対策が重要だと思っていたのですが、前者は一度は剣山に、2度めは受け切ったもののしっかり返していきましたしその次の一手をそししていました。ハムロールも自ら反転フォールに持っていきその先の攻めを封じ込めました。自身がハイスピードをウリにしている事もありハム子にリーグ最終戦のような俊敏な技を出させる事もなくパワーで押させたのも男子選手とも闘っているYuuRIにとっては良かったように思えます。結果的に敗けなしでパワーファイターが多かったブロックを通過したYuuRIがそのアドバンテージを生かした内容の勝利だったように思えました。

 

 

ハム子がYuuRIにベルトを巻く姿はある種この日のように普段見ることのない観客が多い大会では極めて印象に残る場面ではありました。ただデビュー4年目の他団体の選手が2度ICE✕∞のタイトルを奪取するのをどう思っているのか?勿論これまでの他団体の王者は✕60時台を含めて殆どが外敵である意味踏み台的な思惑のベルト奪取だったように思えたのですが、YuuRIの場合「アイスリボンファミリー」「アイスリボンのスーパーヒーロー」を自負しているように踏み台というよりは自らの誇りに思っているタイトルなようです。この勝利の紙テープを受けて歓喜の表情から祈りのポーズを見せた光景を果たしてハム子はどう感じたか?自身がまだまだベルトを目指していくのも良いのですが、YuuRIから下の所属選手が伸び悩んでいる現状で底上げの為の努力をしていく必要性も感じたのでなければ団体所属としては意味がないと思います。もっとそのような方向に目を向けるべきではと感じさせた試合でもありました。この事はその後の道場マッチでも感じる事ではあったのですけどね。