20日のアイスリボン道場マッチ。メインはタッグ王者・トトロさつきが最年長・星ハム子と組んでしのせ愛梨紗・藤滝明日香と対戦したタッグマッチ。今度の日曜日から始まるICE✕∞次期王座決定リーグ戦にエントリーしている4人。トトロと藤滝、ハム子と愛梨紗が同枠の為に完全なる前哨戦となっています。勿論セコンドにはリーグ戦に参戦する選手が揃っていますから非常に重要な1戦だったのですが、どう見てもキャリア・実力の差はマッチメイク的にも歴然。その中で若手2人がどれだけ見せ場以上のものを出せるかに期待されたのですが…。

 

◆第4試合 タッグマッチ20分1本勝負
トトロさつき&○星ハム子(11分11秒 ダイビング・ボディプレス→片エビ固め)しのせ愛梨紗&藤滝明日香×

 

 

『希望のリング』のメンバーで唯一コンスタントに試合に参戦している藤滝。キャッチコピーも一新したことですし、そろそろコスチュームも新しいものに変えても良いのではと思うのですけどね。映画製作プロジェクト第1期の藤本つかさも大型連休明けには新コスチュームでしたし、第2期の世羅りさは3月の後楽園大会ではコスチュームを一新していました。デビューから半年、既にこれが36戦目な訳ですからリニューアルしても良さそうです。一方の愛梨紗の表情をなんとか撮影しようとしたらカメラの角度を下げすぎて下半身が映らない事態になってしまいました。しかしこの表情とポージングが撮れたので良しとしたいです。

 

 

ハム子はガウンのモールが道場マッチの時は大概黄色ですね。一応イメージカラーはオレンジだった筈なのですが、ベースは黄色なのかな。トトロは珍しくガウンの袖が巻き付いていまいましたね。この後取れた記憶がありますけど、結構貴重な場面だったと思います。

 

 

愛梨紗と藤滝が奇襲を掛け、串刺しボディスプラッシュからロック・ユー攻撃を狙うもトトロとハム子はこれを避けると串刺しボディアタックから「お・し・り・だー」へ。ここからハム子は愛梨紗をターゲットにコーナーで腹ウオッシュを出すのですが、この日は女性客が多いのを意識してアピールしていきます。この辺りはベテランらしい部分だったりはしますね。

 

 

愛梨紗はボディスラムでハム子をマットに叩きつけると藤滝に交代。「もう一発」と藤滝もボディスラムでハム子を投げますが、ハム子は藤滝をコーナーのターンバックルに叩きつけると自コーナーに連れていきトトロと太鼓の乱れ打ち。そのままトトロに代わるとタックル合戦に。藤滝はトトロへの思いをぶつけていきますが、トトロはそれを受け止めるとコーナーに振って串刺しラリアットを放つも藤滝もコーナーでのボディアタックから愛梨紗のアシストを受けてロック・ユーの串刺しタックルを決めていきます。

 

 

愛梨紗に代わるとクロスボディを狙いますが、トトロは愛梨紗をキャッチするとそのままマットに落とし背中を踏みつけようとしますが、ここにハム子が加わるというトトロですら予期せぬ事態に。ハム子は更にサンドイッチ攻撃を狙いますが愛梨紗はこれを避けて相打ちに。このタイミングで愛梨紗が丸め込むとチンクラッシャー。更に担ぎ上げようとしますが90kgの巨体を担ぐのは無理で逆に滞空時間の長いボディスラムを喰らってしまいます。

 

 

ハム子に代わると四股踏みからの逆エビ固めに。これも観客の声が小さいと煽る部分はハム子ならではです。愛梨紗はロープエスケープするとエルボーの打ち合いに持っていきますが、ハム子はボディアタックで突き飛ばすと藤滝が入ってきてロープ際でボディアタック。愛梨紗を抱えてヒップドロップの要領で落としていきます。愛梨紗はネックスクリューでハム子を倒すとそのまま藤滝に交代。タックルからボディプレスへ。担ごうとするもハム子が抵抗してエルボーの打ち合いに。ハム子が連打しますが藤滝はグーパンチ気味に一撃を放つと手のひらでの熊手パンチと主張。ここからアルゼンチンバックブリーカーに捕らえると愛梨紗がトトロをパロ・スペシャルで捕らえサポートしていきます。

 

 

トトロが愛梨紗を振り切りカットに入ると藤滝の背中にチョップを連発。そしてハム子とサンドイッチボディアタックを決めますが、愛梨紗が入ってくるとトトロを排除しハム子に串刺しボディスプラッシュからダイビングボディアタックを決めて藤滝をアシスト。。この好機に藤滝はランニングバックフリップを決めますが、トトロが入ってくると愛梨紗と藤滝をまとめてラリアットで粉砕。更に藤滝にもう一発放つとハム子はシャイニング腹ザードを放っていきます。

 

 

ハム子はショートレンジのラリアットを連発させますがカヴァーは愛梨紗がカット。ならばと担ぎ上げようとしますが、藤滝はこれを堪えるとラリアットで応戦。しかしダブルアームはハム子が堪えると腹ウオッシュを連打。トトロが入ってきてカミカゼを決めるとハム子がダイビングボディプレスで藤滝を圧殺。先輩が力の違いを見せつけました。

 

 

テクニックというよりもパフォーマンスやスタミナなど全ての面でハム子やトトロが愛梨紗と藤滝を上回っていました。この日は満員マークこそ付きませんでしたけど、比較的最近の道場マッチでは多めの観客な上に普段プロレスを見ないと思われる女性客も多かったです。これを意識する余裕も遭ったハム子に対して喰らいつくのがやっとの印象のあった愛梨紗と藤滝。場内の雰囲気に飲まれていたらリーグ戦を乗り越える事は出来ません。特に来週の横浜大会では注目のゲスト選手が参戦するだけに大勢の観客が見込まれます。ここでリーグ戦が組まれた場合に雰囲気を巻き込めるかが2人が浮上出来るかの鍵になるようにも思えました。無論終盤藤滝のスタミナも気になりましたが、リーグ戦は10分1本なのでそれは心配する必要はないのかも知れません。

 

 

勝ち名乗りを挙げたハム子はマイクを持つと「明日香と愛梨紗、負けたかもしれないけど、あなたたちの気持ちは伝わりました。」と後輩達の健闘を称えると「28日SKIPシティ大会からICE×∞新王者決定リーグ戦が始まります。これからのアイスリボンのことを考えると、若手の奮起を期待するお客様が多いと思います。ですが!ねえ、つっか!つっか、ちょっと上がって来てください。」とセコンドにいた藤本つかさを呼び出します。

 

 

藤本がリングインするとハム子は「私ねエキシで(藤本が)入場してきた時にね、凄いめっちゃウルウルしてたの。けどね、エキシなのにね、つっか、全力なんだよ。全力すぎてね、笑ったわ。エキシがあって、明日、復帰戦だね。そんなつっかから一言ほしいな。」と藤本にマイクを向けます。

 

 

藤本は「セコンドしたり…(リングに上がって試合したり、やっぱりプロレスが好きです。最高だなと思いました。明日が正式な復帰戦になるんですけど、私は女子プロレスは青春だと思っているので、私の、そして親友の(中島)安里紗のターニングポイントをぜひ観に来てください。よろしくお願いします。」と時折涙混じりに挨拶。結論から言えば藤本は中島が引退を決意した事での限定復帰で、中島が藤本のデビュー記念日でもある8月23日に引退。それに合わせるように翌日に藤本は再び休業に入るようです。となると果たして今回リーグ戦に藤本を代替で組み入れたのは多少の疑問符は付きます。むしろその限られた時間で若手の底上げを目指すようなマッチメイクをしていく方が団体浮上の為には良いのでは。特に最近藤滝以外参戦の減ってきている『希望のリング』のメンバーを強制的にも参戦させてでもそれはさせるのが急務なのではないでしょうか。

 

 

ハム子が再びマイクを持つと「私たち、涙もろいね。」と言うと「つっか、決勝で待ってます!って言いたいところなんだけどさ、私たちさあ、同じAブロックなんだよ。てことはね、4年ぶりのシングル、楽しみにしています。みんなもリーグ戦、気合い入ってんの?私たち、ベテランの意地、見せつけたいと思います。皆さん、楽しみにしていてください。」とリーグ戦への意気込みを語り選手をリングに上げました。

 

 

最後はハム子が締めのコールを発して大会を締めました。今回普段とは違う観客層があったりした事もあり注目度合いはあったと思います。それを上手く利用出来たかどうかもポイントになったと思います。その傍らで19レフェリーの微妙なレフェリングもあり所属外の選手が不快な思いをしたケースも。この辺りは運営サイドがしっかりしないと今後の事に影響してくるだけに対応が求められる大会にもなったと思えました。