20日に行われたアイスリボン道場マッチ。第2試合に組まれたのはこの日の注目カードの1つ。弓李・YuuRI・神姫楽ミサによる3Way戦(トライアングルリボン)。ベルト戴冠実績のある弓李、前回タイトルに挑戦したもののもう一人、しかし未だにアイスではこの形式無敗の神姫楽の中にこれがこれまで全てもう一人という不透明決着しかないYuuRIが絡む図式ではあるのですが、YuuRIとてこのタイトルをとれば所属外では初のグランドスラマーとなるだけに意欲十分。しかし試合は微妙な形で結末を見る事になりました。

 

◆第2試合 トライアングルリボン15分1本勝負
○YuuRI(11分16秒 ネコ・ヒストラルを切り返す→エビ固め)弓李× ※もう一人は神姫楽ミサ

 

 

神姫楽はパワーファイターの分類に入りますが、決して大きな選手ではないのはこうして客席からリングインを撮影すると解ります。大柄な選手であればトップロープの上に顔が出るでしょうし、アイスに上がる標準的な身長の選手はロープが目線になってしまいます。そう考えれば神姫楽は小柄な部類に入る(公称153cm)のも頷けるところです。

 

 

YuuRIも神姫楽も独特なリングインポーズをするのが一番最後なのでシャッターチャンスが難しいです。ここまでの表情を撮れるのは案外私のコンデジでは珍しい部類に入ると思います。

 

 

弓李がポンチョを着用してリングインするのはタッグ王座陥落後初めてですね。事ある毎に触れていますが、このポンチョは木村響子さんから譲られたものというのは最近の女子プロレスファンですら知らない人も多いかも知れません。先日弓李にこれを手渡した娘の木村花さんの命日でした。そういう意味でこの日のリングインを感慨深く見ていたのは私だけでしょうか。もっとこういう点も伝えていきたい継承物だったりします。

 

 

団体の流儀として握手をしない神姫楽に対して弓李が強要するというのももはやお約束事になりつつあります。ただ神姫楽は何でもかんでも握手をしないというのはアイスでもありましたし、この翌日のSEAdLINNNGでも相手にはしなくともパートナーの山下りなとは交わしていましたからそれなりに意識は持っているようです。

 

 

YuuRIと神姫楽は元々同門で且つ同日デビューですので、当然のように結託する姿勢を見せます。ならばと弓李は19レフェリーを巻き込もうとします。そんな形で試合は始まったのですが、3人共攻撃に移らない。打開するように弓李が全店をしてポーズを作ればYuuRI、神姫楽もそれに続く。続いて側転。どうも神姫楽はこの手の動きは苦手なようでロープ際でしきりにアピールをします。更も倒立前転は行わず受け身のみ。睨まれた弓李は三点倒立をするとYuuRIはなんとかこなすも神姫楽は出来ずに2人で弓李を崩すとようやく試合が動き出します。

 

 

YuuRIと神姫楽で弓李をロープに振ろうとしますが、弓李はこれを堪えると双方にエルボー攻撃から神姫楽を丸め込み。YuuRIがカットすると今度は弓李を巡ってどちらと共闘するか一悶着。打開するように弓李が2人をコーナーに振ると追いかけっこのように3人で駆け回ります。結果YuuRIが神姫楽を捕らえる形で落ち着くと弓李とYuuRIでダブルのブレーンバスターの体勢に入りますが弓李は外れるとYuuRIが投げ飛ばしたところを押さえ込み2人同時に口塞ぎに。

 

 

弓李はYuuRIと神姫楽の足を絡めると双方の背中を踏みつけていきます。遊び回った弓李は神姫楽とクローズラインを作りますがYuuRIは2人をぶつけるとネックブリーカーへ。これは神姫楽にだけヒット。弓李に対しては走り込んだところをキャッチして神姫楽の上に叩きつけていきます。

 

 

弓李が縦横無尽にリングを走り回りクロスボディを放つと神姫楽がセントーンでカット。「お前らちゃんとやれ!」とイノシシダッシュからドロップキックを放つと2人まとめて逆エビ固めに入りますが、太腿まで抱えられずミサトンクラブにならず。ならばと解除してボディスラムを狙いますがいくらパワーファイターと言っても2人同時は無理。ならばとラリアットを狙うもYuuRIが避けて弓李だけにヒットします。YuuRIがカットするとエルボーの打ち合いに。YuuRIがローキックから走り込んでいくとリングサイドから弓李が足を引っ張り阻止すると神姫楽をその上に足を引っ掛け倒していきます。

 

 

弓李は神姫楽をロープに振りYuuRIとの共闘を狙いますが、YuuRIは弓李に足を引っ掛けられたタイミングで弓李にドロップキックを放ち方向転換。神姫楽とクローズラインを作りますが弓李はグーパンチを放つと神姫楽を場外に投げ飛ばします。勝負と見た弓李はロープの反動を利用してネ・コヒストラルに丸め込みますが、YuuRIはこれを切り返すとちょっと間が開いた感じの3カウントが入り逆転勝ち。YuuRIが3Way初勝利を挙げました。

 

 

試合内容は弓李が試合を支配しながら、お互いそれぞれ仕掛け合う面白い攻防が見られたのですが、最後で19レフェリーのレフェリングが台無しにしてしまいました。昨夜フル配信が公開され改めて確認すると確かにしっかりYuuRIが切り返していますし弓李は返せない状況ではあったのですが、カウントの取り方がなんとも不自然。勝ったYuuRIでさえ納得がいかない表情で大会後に売店で話を聞いても勝利した感覚はありませんでした。

 

 

勝ち名乗りを挙げたものの不満げな表情を見せるYuuRI。それに対して神姫楽はもう一人になったものの前向きな表情を見せて退場していきました。先の売店でも「なんだかな~」とレフェリングに不満な表情を見せたYuuRI。そもそも19レフェリーは以前からこの手の微妙なレフェリングをするのはよくある事。今回MIOレフェリーが家庭の事情もあり翌日の小山のイベントプロレスの前に前泊するので欠場し19レフェリーが担当したようなのですが、このイベントプロレス自体がこの日から行われていてこの日はhotシュシュの提供試合が行われていました。栃木プロレスとのコラボでそちらのレフェリーが担当していたようですが、むしろシュシュの主戦である19レフェリーが小山に向かい誰か別のレフェリーを道場マッチに使ったようがお互い納得のいく試合になったのではないでしょうか。

 

 

かつては女子3人レフェリーと他団体が羨ましがる程のレフェリー王国だったアイスリボンも今は3人のお母さんであるMIO1人。リングアナの研修生が出来たり、選手の練習生がいたりはしますがレフェリーの研修生はまだ現れていないようです。今回の試合をような形になると19レフェリーが他団体の選手が絡む試合を裁くのは選手に不安を与えて危険過ぎます。早急に新規レフェリーを養成していく必要性を感じさせた試合でした。

 

 

そんな状況で勝った関係でYuuRIはトライアングルリボンの挑戦に名乗りを上げる事は出来ず。そもそも王者も6月の後楽園ホールに焦点を合わせているようですし、今回の3人はシングルのリーグ戦も始まりますから、無理にここで仕掛けてもなのでしょう。但しレフェリングに納得はいってないようですので、改めて別のレフェリーで再戦してのアピールは必須でしょう。納得した結果となった時に改めて勝者がベルト挑戦アピールをするのを期待しています。