後楽園ホール大会から一週間後に行われた3月最後のアイスリボン道場マッチ。

 

 

月末の道場マッチチケット発売日という事もあってか、後楽園のメインイベンター2人が不在でしたが62人と結構な客入り。ただ翌日のプロレスサークル興行が入場料1,000円という安価も手伝ってか同数の集客が公式サイトに記録されているのですが、感覚的にはその時よりも少なく感じました。実数公表している団体ですから、単に感覚だけなのでしょうけど、実際5月の道場マッチの整理番号を見るとそれ程という思いもしましたので。

 

 

実数より少なく感じたのは入場式での声出しの雰囲気があったからでしょう。全選手の意気込みの後、最後に入場したトトロさつきが挨拶の後声出しをリードしたのですが、今ひとつ反応が鈍い。結果的にこの日一番のお目当ては松下楓歩となりましたけど、そこまで「かほーっ!」と大きな声が飛んだ訳ではありません。

 

 

むしろ翌日咲蘭のリングインの際に行われる『しゅっぽっぽ』のダンスパフォーマンスの際に起こる掛け声の方が大きかった程でした。この掛け声もなぜ「しゅっぽっぽ」なのか?本来「さらん」と掛け声をするのが常識だと思うのですけどね。これだと『しゅっぽっぽ』という選手がダンスを踊っているという意味に捉えられるという事を解ってないのでしょうね。話を元に戻すと一斉に声出しするのですからもっと大きな声を出しても恥ずかしい事ではないと思いますけど。

 

 

第1試合に組まれたのはYappyとPURE‐Jの久令愛の初シングル。後楽園では技巧派の杏ちゃむに逆転負けを喫したYappyにとって同じようにパワータイプの久令愛は願ってもない相手。しかし久令愛には自団体の大先輩から受け継がれた大切なサブミッションの継承技を持っていました。

 

◆第1試合 シングルマッチ10分1本勝負
×Yappy(5分24秒 ストレッチプラム→ギブアップ)久令愛○

 

 

昨年大晦日以来のアイスリボン参戦。道場マッチには更に遡って11月10日以来となる久令愛。改めてリングインのポージングを見ると体の柔らかさが目につきますね。

 

 

Yappyはこの日もレザーガウンを着ての登場。そういえば以前藤滝明日香をコスチュームが被る話を書きましたけど、よく見るとニーパッドから下の部分に黄色が入っているのですね。こういう部分も見逃せないですね。

 

 

パワーファイター同士らしくロックアップからタックルの打ち合いに。Yappyがストンピングを浴びせていくのですが、それを堪えた久令愛がタックルで倒すとコーナーで顔面を踏みつけていきます。

 

 

しかし串刺し攻撃はYappyが避けると逆に串刺しヒップアタックから串刺しラリアット、リング中央に戻してヒップドロップと立て続けに攻め込むとドラゴンスリーパーに。しかしブロンコバスター狙いは久令愛が避けて自爆するとそのままロープに張り付いた状態で久令愛がビックブーツ。

 

 

久令愛はレッグスリーパーでYappyを絞め上げていきます。更にグラウンドでのドラゴンスリーパーに移行するもYappyがロープエスケープ。流れを変えたYappyはランニングラリアットからブロンコバスターへ。ギロチンドロップを投下したYappyは久令愛を担ぎ上げようとしますが、堪えた久令愛がビックブーツを放つもYappyはアックスボンバーで倒していきます。

 

 

勝負に出たYappyはロープを上がりタラザ・インピエルノを狙いますが久令愛はこれを避けるとトラースキック。これで流れを変えるとドラゴンスリーパーからストレッチプラムで一気にギブアップを奪い勝負を決めました。

 

 

序盤はパワー勝負の様相でしたが、徐々に久令愛は絞め技を有効に使っていきました。アイスリボンも軽量級で関節技を使う選手はいますけど、重量級となるとなかなかこの手の対応が難しい選手が多いのも事実。実際Yappyは大会後体が固く絞め技を苦手にしている事を吐露してますからね。この日のフィニッシュは名前から判るように久令愛の団体の前身の大先輩・故プラム麻里子さんの得意技です。社長であるコマンド・ボリショイさんが大切に残してくれたこの技。アイスにも継承技を使う選手はいますけど、とっておきの勝負技として使っているのは弓李のネ・コヒストラル位でしょうか。新田猫子さんは猫人間から鳥ガールになりましたけど。こういう団体で永く受け継がれる技が使えるという良さを見せつけた試合だったと思えたフィニッシュではありました。

 

 

試合後握手を交わしたYappyと久令愛。もっと力勝負も観たかったようにも思えました。そういう意味では今週末の蒲田大会で久令愛がBIG☆DEKAI!!!!とタッグを組むのはこの日とまた違った一面を見ることが出来るかも知れないですね。