それでは今回のアイスリボン後楽園ホール大会の試合を振り返ります。

 

まず最初に取り上げるのは今回1Dayトーナメントと共に注目された真白優希の復帰戦。鈴季すずとの引退試合から1年1ヶ月。この短期間の復帰には賛否両論があるようですが、元々が摩訶不思議と言われた選手です。これ位の短期間での復帰も十分ありでしょう。その復帰戦の相手に真白が指名したのが色々因縁もある真琴。デビュー当初は真白同様に摩訶不思議なイメージを持っていた真琴も18年目のベテランとなり女子プロレス界の代表選手の1人となりました。そんな真琴を相手に真白はどのような闘いを見せたのでしょうか?

 

◆第11試合 真白優希復帰戦 シングルマッチ15分1本勝負
○真琴(13分29秒 盛艶のうねり→片エビ固め)真白優希×

 

 

今回赤コーナーに入る真琴が先入場でした。普段後楽園ホールで座っているポジションからは真琴のリングインの表情を上手く捕らえられるのですが、この日は紙テープの投げ入れが早くこれが精一杯でしたね。それでも顔の表情が撮れているから良しとしましょう。

 

 

真白は引退試合の時に使用したヴェールを着用してリングイン。コスチュームも新調しての再スタートに挑みます。それにしてもこういう時のはらあいリングアナの「1年ぶりに帰ってきちゃいました」というアナウンスはらしさがあって良かったです。やはりアイスリボンのビックマッチには欠かせない存在だと思います。

 

 

開始早々から猪木アリ状態で早くも真白ワールドを打ち出していくと真琴がそこを抑え込む。これを返すと定番の「来いよ」からのリストロックに行きますが、真白が潰れてそれに合わせるように真琴が体勢が崩れて真白が抑え込むというなんとも妙な光景が早くも序盤から見られます。

 

 

髪の毛を掴み真琴が両足で弾くと突進してジャックナイフ。返した真琴がロープを背にすると真白が突進。これを蟹挟みで交わす真琴でしたが、真白は避けると今度は真琴の突進を避ける。そこから蹴りで場外に落とすとコーナーでホワイトアタックを狙いますが、真琴はこれを阻止。しかし真白はエプロンでスリーパーで抵抗すると膝カックンで真琴をリングサイドに落としクロスボディ。これでフォールを求めるのはもはやご愛嬌なのでしょう。

 

 

ここから場外戦に持っていくと後楽園ホールならではの東西の表示板に顔面をぶつけていく真白。ここで真琴のマネージャーの松澤さんが介入に入ろうとするも真白はかるくいなしていきます。更に真琴が客席に振ると何故かそのまま南側のひな壇に駆け回るという謎の行動に出ます。それでいてリングサイドに戻ると真琴に鉄柱にぶつけられるトホホな状態。それでも松澤さんのスタナーを同士討ちさせるのはさすがです。リングに戻ると腕十字を決める真白。ロープエスケープされると今度こそ背面ドロップキックを放ちます。

 

 

真琴にコーナーに振られると右足を出して動きを止めますが、足を下ろした際にセカンドロープに足を絡めてしまうアクシデント。真琴は蹴り上げて解除させるとフェイスバスターからかかと落とし、ダブルニーと畳み掛けていきます。

 

 

目突きを狙った真白を交わすと脇固めで絞め上げた真琴。ロープエスケープした真白はダブルアーム狙いを交わしてドロップキックを連発。更にエルボーを連打していきますが真琴はロープ際で動きを止めると背面にビックブーツを放つとダブルアームスープレックスからのWW二ーへ繋いでいきます。

 

 

フェイスバスターを返してからが真白の真骨頂、一本背負いエビ固め、特盛クラッチと畳み掛けて丸め込みますが、真琴がこれを返すとロープワークから目突き。更にバックキックで真琴をダウンさせるとShine White in Spaceを投下。

 

 

これを返された真白は逆打ちを狙いますが、真琴はこれを堪えると目突きを自爆させてスピアーに。これを真白が返すと盛艶のうねりで真白をマットに叩きつけて3カウントを奪いました。

 

 

真白のブランクを感じさせない世界観を存分に出した試合。これは真琴相手だからこその闘いだったとは思います。プロレスは信頼があっての闘いと言われていますがまさにそんな試合だったと思います。セコンドで試合を見ていた希望のリングのプロジェクトメンバーがこの試合を通じて何かしら感ずるものがあれば、ある意味真白が復帰した意義はあるのかも知れません。最後は真琴の勝負技に屈しましたけど、十分存在感を示した試合だったと思います。

 

 

勝ち名乗りを挙げた真琴は真白と握手を交わすとお互いで謎のポーズを取ると退場していきました。試合数が多くなければここでマイクパフォーマンスでもあったのでしょう。そこでセコンドにいた神姫楽ミサがトライアングルリボン選手権のアピールをすれば面白かったのですが…。まあ本人は過去のものと考えているような気もしますし。今後どのような展開になるのか気になります。