話を2週間前のアイスリボン川口大会に戻します。セミファイナルは星ハム子と櫻井裕子の初シングルが組まれました。清水ひかりに続いてあーみんこと網倉理奈も膝の怪我で長期欠場中とCOLOR’Sにとってはピンチな状態。ここ最近アイスにも清水の代演の如くコンスタントに参戦している櫻井にとってはベテランハム子とのシングルで今の実力を再確認すると共に飛躍へのきっかけを作りたいところ。その一方でハム子は別の思いも背負っての闘いだったようです。

 

◆第4試合 シングルマッチ15分1本勝負
○星ハム子(11分41秒 ハムロール)櫻井裕子×

 

 

櫻井は今回はジャージを着ずにリングイン。そういえばCOLOR’Sの選手ってSAKI以外はガウンを着用しない選手が多いですね。既にキャリア5年を超えてますしあっても良いような気もしますけど。

 

 

ハム子がオレンジのジュリ扇を持ってきていたので何か考えがあるのかなとは思っていましたが…。

 

 

普段のヒョウ柄と違いオレンジ色のコスチュームを着用。この時点で「あっ、あーみんを意識しているな」と直感しました。北都プロレスでの試合中に負傷した網倉。実はハム子と対戦予定だった前日の負傷でお互い悔しい思いをしたと思います。そんな中で網倉と同日デビューの櫻井と組まれたシングル。網倉への思いをこのコスチュームに込めたようです。

 

 

ロックアップからハム子がセクシーポーズを仕掛けると櫻井を煽りポージングを求めます。女神ですからこれくらいのポージングはお手のもの。しかも潰しにかかったハム子に逆に変顔を作るおまけ付き。これにはハム子もコーナーでの腹ウオッシュからの「お・し・り・だー」で逆襲します。

 

 

よく誤解される人がいますが、この「お・し・り・だー」は本来次のブルドッキングヘッドロックまでがワンセット。これで櫻井を倒すとハム子は「あーみん、手術大成功おめでとう」と網倉のムーブであるワープレスを敢行。櫻井が返すと逆エビ固めに。ロープエスケープした櫻井にハム子はダブルハンマーを落としていきますが、櫻井はタックル合戦を挑みます。これはハム子が打ち勝ちますが、櫻井もコーナーに振られた反動でハム子を倒していきます。

 

 

櫻井はここからコブラツイストへ。ハム子が必死の形相でロープへ逃げようとしますが、櫻井はグラウンドコブラに移行。ハム子が返すと今度はエルボーの打ち合いに。ハム子が走り込んだところを櫻井はボディスラムで投げつけますが、担ぎ上げる事は出来ずに逆にハム子のラリアットからのバックフリップを喰らってしまいます。

 

 

ハム子のダイビングボディプレス狙いを阻止し、ロープ越しのブレーンバスターを決めた櫻井。更にビックブーツを出しますがハム子はワンカウントで返すとラリアットで反撃。それでもビックブーツを狙った櫻井に今度は投げっぱなしのジャーマンを繰り出すハム子。膝立ちでのエルボーの打ち合いで櫻井の気持ちを引き出すと櫻井はビックブーツの連発からドラゴンスリーパーへ。ロープエスケープしたハム子に背後からビックブーツ。更にはドラゴンスリーパーの要領で前に倒すとファルコンアローで畳み掛けます。

 

 

しかもハム子はこれを返すと走り込んだ櫻井をカウンターのラリアットで迎撃。腹ウオッシュの連発から腹ザードへ。更にスモウラリアットから担ぎ上げようとしたハム子に櫻井は切り返して丸め込みの応酬に。これを制したハム子がハムロールを決めて勝負あり。ハム子が櫻井の良さを引き出しつつ勝利を収めました。

 

 

最近のハム子は若手を育てるような試合をする事が多いです。それは単に団体所属の後輩だけでなく他団体の選手に対しても。この試合も櫻井の出せる技を引き出しつつ要所要所は自分で勝負の厳しさを教えていくような攻撃を見せる。そんな闘いだったような気がします。この思いは単に櫻井に対してだけではないでしょう。リング下で熱心にセコンドに着いていたJTOの神姫楽ミサや柳川澄樺、そしてイメージカラーのコスチュームを着てきた櫻井の同僚の網倉里奈にも届いてほしい。そう感じられた試合ではありました。

 

 

試合後櫻井の元に向かったハム子。櫻井は一礼し一緒に退場。もう6年目で中堅の域に入っていき今日もディアナで佐藤綾子とのシングルが組まれるなどベテランの実力者との闘いが多く組まれるようになっただけにより一層のレベルアップを期待したいところです。