前回の続きです。

 

いよいよアイスリボン上野4daysのラストを飾るスプラッシュリボンが行われます。既に開場時には(というより昼の部が終わった段階で)水が注がれたポリバケツが池の周りを埋め尽くし、ステージ横には水鉄砲(バズーカ砲)がスタンバイ一昨年の高圧洗浄機はないもののそれに代わるようなものや水風船も準備されていました。そんな中で参戦選手が入ってきました。

 

 

◆スプラッシュリボン~昭和vs平成vs令和 時間無制限1本勝負
《平成》〇世羅りさ&つくし&鈴季すず(38分52秒ダイビングタブルニードロップ→ 片エビ固め)与田✕&ダークネーチャン 《宇宙軍》 ※もう2組は《昭和》藤本つかさ&星ハム子&藤田あかね《令和》雪妃真矢&ラム会長&バニー及川

 

 

一昨年は世羅とあかねは野球対決の途中という事でメンバーから外れたのですが、どうやら今回は同時進行という形になったようです。2人がユニフォーム姿、つくしがコスチュームでバニーが『令和』と書かれたTシャツを終始着ていた以外は全員水着着用だったのは流石と思いましたね。ゴングが鳴るとすぐに場外へ。まさに問答無用の水合戦が幕を開けました。

 

 

始まると上下関係一切関係なく水の掛け合いが繰り広げられます。印象的だったのが初参戦でメインに抜擢されたすずの生き生きした姿でしたね。正面で藤本とバケツへの突っ込み合戦を繰り広げた後は水鉄砲を手に走り回っていました。一番下が生き生きしていればトップはそれ以上の生き生き度合いで水を放ってましたね。この試合はメンバーだけでなくセコンドやレフェリーまでもが水合戦に加わっていきます。特に斉藤一二三レフェリーはわざわざバケツを後方まで持ち込んで水を掛けていました。これが撒く程度なら打ち水感があって良いのですが、特に女性客に対して3割増しサービスと多めに掛けていたからたまったものではありませんでした。

 

 

スプラッシュリボンは単に水合戦だけでは終わりません。場外での水合戦が始まってから暫くすると笑点のテーマが流れて法被を着たテクラが登場。ステージ中央に正座して初参戦の時の倍以上の観客の前ですべらない話を披露します。ひと通り笑いを取ると今度はスリラーが流れ雪妃と共に踊り出します。これには途中からジュリアと松屋うのが参加してダンスタイムと化しました。続いては水嫌いのハム子が窮地に陥り本部席にいた宮城もちの助けを借りてハムパンマンになろうとしたところをカットに入ったのがラム会長。ラムパンマンと化して選手をなぎ倒していきます。しかし藤本が頭上からバケツで水をぶちまけて終了。すると今度はつくしとすずが石黒レフェリーを池の前に連れてくると柵に座らせなんとシャンプーで頭を洗い出します。そこへまたしても藤本が頭からバケツで水をぶっかけると池に置かれたビニールプールに突き落とします。3人はこれでは物足りず、本部席から佐藤社長を引っ張ってくるとまたしてもシャンプー責め。そしてプールへドボン。社長も2年前スーツを着てこれをやられたからか、今回はカジュアルシャツでしたね。

 

 

暫くすると客席で世羅とあかねが再び野球を始めます。これには雪妃やトトロさつきまでもが参加しますが、何しろボールではなく水風船を打つ為に当たりが良いと周りに水が飛び散るという危ない状況に。広島ファンの世羅、中日ファンのあかね、巨人ファンの雪妃、阪神ファン(?)のトトロが野球をしているところに待ったをかけるようにステージ上に立ちはだかったのは千葉ロッテのユニを着た藤本と北海道日本ハムのユニを着たハム子といぶき。藤本が地元の東北楽天ではなくロッテのを着ているのは根元コーチと学友だからですが、3人は「パパ。パリーグだ」と参戦。一通り打席に立つと乱闘を起こすというカオスな展開に。

 

 

そうこうしている内にステージにはヨーダとダースベイダーが登場。次々とライトセイバーで切りまくっていきます。2年前同様に雪妃が待ったをかけますがやはり切られる。ならばとつくしが選手の蘇生の為に歌い出しますが、相当な音程でやがて切られてしまいます。この窮地を救ったのが石黒レフェリー。ライトセイバーを白刃取りするとその反動を受けて2体は退場。そこで石黒レフェリーはなぜかサライを歌い出すと選手が立ち上がりステージに集まり出します。すると客席から世羅とあかねが肩を組んでステージに上がりリングへ。そこには「10大会完走おめでとう」と書かれたゴールテープが。今週末の某番組のエンディングのパロディのような展開が繰り広げられるカオスな状況に。これで終わりと思ったところになぜかヨーダが出現。これには選手更には石黒レフェリーまでもが総攻撃をし、最後は世羅がダイビングダブルニーを決めて40分近いストーリーは幕を閉じました。しかし世羅がヨーダをフォールしたという事は一体ヨーダの正体って誰だったんでしょうか。某選手の名前も出ているようですけど・・・。

 


 

 

正直プロレス技は最後の場面しか出ていません。しかし選手やレフェリーが活き活きとした表情で試合をしているのを見るとまさに日頃のストレスを発散した一大活劇のような試合に感じました。他団体でも常軌を逸した試合がこの夏行われたところもありましたが、基本試合を行っている選手のみが行っている事。このスプラッシュリボンは該当選手だけでなくセコンドやレフェリーだけでなくリングアナや運営責任者である社長までもを巻き込むスケールですから他の女子団体追随を許さないものだと思いました。上野開催は会場抽選が大変なのですが、出来れば夏の名物にしてほしいです。ただ今回カオス過ぎたのか週刊プロレスのモバイルには詳細が掲載されたものの本誌には載らなかったのは残念でしたね。

 

 

フィニッシュを決めた世羅がマイクを握ると「この夏アイスリボンは一気に団結力が深まったと思います。」と切り出し「この夏で絆が深まりましたので、横浜文体に向けてみんなで団結していきたいと思います。本日はありがとうございました。」と締めの台詞へ持っていって大団円となり記念撮影まで撮ったのですが、待ったをかけるかのようにあかねが世羅を強襲。野球対決は決着が付いてもまだ初日の第2試合は決着が付いていませんでした。

 

 

 

◆シングルマッチ~広島カープvs中日ドラゴンズ 時間無制限1本勝負
✕《広島東洋カープ》世羅りさ (73時間31分35秒 フロッグスプラッシュ→片エビ固め) 藤田あかね《中日ドラゴンズ》〇

 

リングに上がるとあかねは油断をしていた世羅にみかんでポンからフロッグスプラッシュを敢行。ユニットメイトでこの連戦裏方で活躍した宮城もちの決め技を繰り出し世羅から3カウントを奪い4日間に渡る戦いに終止符を打ちました。

 

 
 

勝ったあかねは「やりました~!」と叫んだ後、「ドラゴンズ最高、プロレス最高、アイスリボン最高、野球でハッピー!アイスリボン!」雄叫びを上げて全34試合を締めていました。

 

 

 

この先のビックマッチに繋がる試合とバカ騒ぎのお祭り試合とが混じったアイスリボンらしさ溢れた興行でした。ビッグショーが続く直前に選手もリフレッシュ出来たでしょうし。これぞ夏祭り興行の醍醐味を味わえた気がしました。集客面でも一昨年よりも31%増と時期が良かった事もありますが、スプラッシュリボンが面白いというのが認識されてきたのが数字として現れたと思います。ただ大日本プロレスのポセイドン興行に比べるとまだまだ数字は及びません。前述しましたけど、上野の興行はこの時期抽選で開催出来るかが決まるので必ずしもの部分があるので難しい部分もありますが、出来れば定着させてやがては大日本同様にスプラッシュリボンも札止めになる夏の風物詩興行となってほしいと思いました。