そうやら大会後の物販が終ってから後楽園の記者会見があり色んな動きがあったようですが、今回の表記は旧来の形として文中で触れていきます。この記者会見恐らく今日のサムライTVでさわりの場面は流れるのでしょうが、是非前編を動画配信してほしいです。かなり後半は衝撃なコメントや混乱の場面もあったようですから。

 

◆第4試合 ハードコアリボン タッグマッチ30分1本勝負
○葛西純(FREEDOMS)&松本都(崖のふち)(17分24秒 パールハーバー・スプラッシュ→エビ固め) 宮城もち&藤田あかね☓

 

予想通りもちはバラ鞭、あかねはプラスチックバットを持ち込み入場。しかし葛西がラダープ椅子を用意しており、しかもバックステージで葛西が触れていたように都があまり絡んで来なかった事もあり本格的なハードコアになりました。それを考えるとこの試合をキャリアの浅い斉藤レフェリーが担当したのには疑問は残ります。

 

ほぼハンディキャップ・マッチながら葛西の試合運びや盛り上げ方の巧さは抜けてましたね。それでもタイムスコアが示す通りあかねももちも頑張って喰らいついていたと思いますよ。あかねはラダーの上から椅子に雪崩式ブレーンバスターで投げられていましたが、その後も反撃してましたし、もちも逆に鞭で打たれながらも自分のスタイルは貫いていました。何よりここまでボコボコにされながらハードコアをもっとやりたいと試合後にTwitter等で語っていたのはデスマッチのカリスマと言われる葛西と対戦した結果ですから十分な収穫だったのではないでしょうか。

 

試合後葛西は「アイスリボンのリングに戻ってきたからには狙うはリボンタッグのベルト」と来週の次期挑戦者決定戦はあくまでも通過点として打倒ベストフレンズを宣言。当然優華が記者会見で反発して代行論になったようですが。中島安里紗を呼び出すも米国遠征で不在。後楽園も参戦予定がなかったのですが急遽柊くるみがシングルを行なうのに気持ちに怖さがあるとカード変更を申し入れた事で緊急参戦が決まりました。試合順からも葛西&都が勝った場合相当な舌戦が予想されます。まあ大幅&優華が勝っても同様だとは思いますけど。

 

そんな中気になったのは都ですね。前述の通りあまり試合に絡みませんでしたし、記者会見では崖のふちを終わらせて完全フリー宣言。更には物販時に関係者に「明日宜しくお願いします」と挨拶していてチームリーダーの真琴のエイド興行を行なう事を発表したREINA参戦を直前に体調不良でキャンセル(代役に昼間同じ会場のディアナに参戦したあかねが出場したようですが)。ブラックDPGの活動停止で心身共に見えないダメージもあったのかも知れません。まあ精神面は強い都の事ですからこの後のメインのバックステージコメントは影響してないとは思いますが。

 



◆メインイベント 6人タッグマッチ30分1本勝負
△世羅りさ&雪妃真矢&優華(時間切れ引き分け)藤本つかさ△&つくし&豊田真奈美

 

分析で挙げた3つのポイントをベースに触れる事にしますが、なんといってもここまでシングルタイトル戦の前哨戦で直接対決が激しかったのは珍しいのではないでしょうか。推定で後半3分の1は世羅と藤本のマッチアップ。しかも良くあるダブルダウンで残り数分を別の選手が戦うというのではなく最後まで戦い抜く壮絶な戦い。それも試合後に語ったように世羅はほぼ全ての技を出し尽くしていましたが、藤本はサイクロンやビーナスシュートも仕掛けましたが、まだ温存していた技もありました。この辺り世羅がどう仕掛けを考えてくるかを練り直さないと厳しいかも知れないですね。

 

チーム戦という意味ではそれ程遜色ない感じでした。藤本達は当然としても、世羅質も思った以上にチームとして互角に戦っていたと思います。圧巻は優華のダイビング・エンジェルサンダーから雪妃のスノートーンボムへ繋ぎ世羅のダイビングダブルニーのダイブ3連発。カットはされましたが、世羅と雪妃のアジュールレボリューションでもない波状攻撃は今後に繋がっていきそうです。

 

舞台出演者の絡みでは藤本はともかく、雪妃の動きが良かったですね。豊田にはローリングクレイドルは喰らいましたが、藤本に鼻出血させる蹴りをヒット。声もかなり出ていましたし、舞台での出番も増えたそうですが、これが良い方向に出ているように思えました。逆に言えば優華が今ひとつだったのかな。つくし相手とはいえ雪崩式フランケンシュタイナーは宙吊り式フットスタンプに切り返されてましたし、折角豊田がいてセコンドに都がいるのですから先のダイビング・エンジェルサンダーもムーンサルトにすれば良かったのにと思いましたね。

 

壮絶な戦いの上結果は30分ドロー。しかし試合後及びバックステージの藤本のマイクが波紋を呼ぶ事になります。「世羅に全てを任せたいから今回ベルトに挑戦する」。確かに3月にタッグ選手権で対戦した時も「世羅は次世代のエースになれる器なのにその気がない」と発言しましたが、会社の役員兼任選手が「全てを任せる」というしかも藤本自身が団体を任せられたキャリアと今の世羅のキャリアを引き合いに出してくると進退を賭けているようにも思えます。まあ世羅の先輩にあたるつくしはガッカリしたと不満を表していますし、世羅は微妙な発言をしてますから決着がつかないとなんとも言えないですが、表現については別途取り上げたいと思います。

 

 

今回の周年記念は単に11年目の第一歩というだけでなく、この先のアイスリボンの方向性の新たな形を見せたように感じました。それと共に現在のそれぞれのチャンピオンが必ずしも盤石でない事も露呈した結果でもありました。いよいよ2度の道場マッチを挟んで今度の日曜日は後楽園大会になります。北沢の結果を考えれば今後に影響が大きな大会になりそうです。それだけに女子プロレスを観ている人だけでなく、巨大グループ系アイドルを支持している人や企業経営に関心がある人など様々な分野(勿論タレントとスポーツを兼業している人も)是非会場へ足を運んで注視してほしい。そう思わせるプレリュード的な興行だったと感じました。