まず初めに昨日の訂正から。19時女子のチャットで気がついたのですが、帯広さんの初勝ち名乗りは既に後楽園の時に挙げてましたね。ただあれはイリミネーションマッチで真っ先に帯広さんが失格になっていたので完全に失念していました。



では前回の続き、アイスリボンの3つのベルトが懸かったタイトルマッチです。



◆第4試合 インターナショナルリボンタッグ選手権 20分1本勝負
【王者】葛西純&○松本都(12分16秒 みやここクラッチ)【挑戦者】コマンドボリショイ&都宮ちい×
※第10代王者初防衛に成功


挑戦者チームはお揃いのマスクにボリショイさんがちいさんに合わせた感のあるコスチューム。一方王者チームはダンシングクイーンのメタルヴァージョンに乗ってこちらもお揃いのゴーグル・バンダナ姿で登場と、互いに憧れの先輩とのタッグを意識したスタイルでリングイン。葛西さんはラダーを持ち込んだのですが、これが却って裏目に出ることに。合体ブレーンバスターでラダーに投げ飛ばされるは、みやここさんに何度も誤爆するわとトホホな展開に。しまいには『使えねぇ』と引っ込めてしまいました。しかしそこは黒一点。力技で挑戦者組を圧倒していきます。それに対してボリショイ・ちいの2人も身体の小ささを利用しての細かい動きで応戦。しかし前哨戦で痛い目にあった王者組はダブルのタイガードライバーで流れを呼び込むと、ウラカン・ラナで必死に切り返すちいさんをみやここさんがみやここクラッチをしっかり決めて防衛に成功しました。


正直連携という面では挑戦者組のほうが良かったのですが、そこは葛西さんが場の空気も取り込んだムーブや男性のパワーで返す。さらにみやここさんも従来の技に一工夫加えて簡単にやられないといった面を見せていたのが良かったのでは。ただ問題になったのはタイガードライバー。元々腕力はそれほどないと思われるのに競演を狙ったのでしょうけど、腕が抜け垂直落下式になるアクシデントに。幸いちいさんは『鍛えているから大丈夫』と翌日も元気に19時女子で試合をしていましたが、今後のことを考えるとみやここさんの場合パワー型の相手との対戦が多くなるだけに腕力の強化(太くするのではなく)が必要になってくるのではないでしょうか。取りあえず都猿気違’sが防衛したことで葛西ワールドが今後もアイスリボンで見られるのは楽しみですし、この2人に次誰が挑戦するかも楽しみになってきました。その代わり連携練習は急務でしょうが・・・。



◆第5試合 トライアングルリボン選手権 15分1本勝負
○【挑戦者】しもうま和美(11分53秒 変形4の字ジャックナイフ)【推薦者】真琴×
※第3代王者の初防衛戦に失敗。しもうまが第4代王者となる
※もう一人は【王者】高橋奈苗


パワーファイター型が揃うといった珍しい3WAYらしい迫力のあった試合。連携や裏切りといった3WAYならではの展開は最小限度に抑えあとは投げやらエルボーやらの力比べが中心。そんな中意外に今一つ流れに乗り切れなかったのがチャンピオンの奈苗さん。場外で振り落とされるのはいつものムーブみたいなものだから仕方ないのですが、冷蔵庫爆弾が自爆するなど流れを掴めない。逆に真琴さんが自分よりも体重のある2人を眉山で投げ飛ばすなどパワーを付けてきたところを見せつけていきます。しかしトライアングル戦を連勝して挑戦者に名乗りを挙げたしもうまさんは上手く対応し、真琴さんが奈苗さんの顔をアルパトロス気味に捉えた隙に空いた下半身を4の字で捕獲するとそのままジャックナイフに持って行き3カウント。トライアングルリボンで初めてダブルフォールを実現させたしもうまさんが初めて王者を“もう一人”にしてのタイトル移動を達成しました。さすがに下克上達成がこの形で行われたことで試合後奈苗さんと睨み合いをしていましたが。決して得意分野とは思えない3WAYでタイトルを奪取したしもうまさん。体重の関係でグランドスラムは無理でしょうから、この先どんな王者像を描くか、そして誰が次に狙っていくか楽しみです。



◆第6試合 ICE×60選手権試合 20分1本勝負
×【王者】さくらえみ (16分13秒 ブロックバスターホールド)【挑戦者】みなみ飛香○
※第8代王者3度目の防衛戦に失敗。みなみが第9代王者となる


飛香さんは決意の表れか前日まで着けていた顔文字付きコスチュームからキリンをイメージしたようなセパレートで登場。試合も常に先手先手で攻めて行ってさくらさんを翻弄していました。圧巻は場外へのスワンダイブ。さらには抱え上げて場外を一周してのカミカゼと気合いの入ったところを見せてました。当然さくらさんも『負けてたまるか』とムーンサルトプレスで応戦しますが、序盤でスタミナを使わされた分終盤息切れ気味に。そこを伝家の宝刀ブロックバスターホールドを繰り出すと一度目はクリアしたものの二度目は返せず3カウント。この時城内が一つになってのスリーカウントは最近の女子プロレスではあまり耳にしなかったように思えます。


思えば1月の新木場で敗れ、大会終了後体調不良を訴え病院に行ったところから始まった飛香さんの今回の王座への道。2月には当時の王者つっかさんに高校受験の弾みにと試験2日前に挑戦するも『世の中そんなに甘くない!』と弾き返され、さらに先月挑戦表明をしてからも不甲斐ない内容が続き、しまいには4WAYで挑戦者を最終決定するというところまで追い込まれた中、世界一と称されたブロックバスター一本で延べ6人連続斬りでここまで辿り着き、王者奪取もこの技というこだわりで戴冠。逆境を乗り越えて掴んだ王者は前日からの流れでボリショイさんを次期挑戦者に指名。ある意味このタイトルが大きく羽ばたく第1歩になるのではないでしょうか。丁度夏休み目前でのタイトル戴冠は『みなみ飛香』を世間に大きくアピールするチャンスが到来したのを告げたのかも知れません。



結果として1組の防衛、2人の新チャンピオンが誕生したこの大会。いずれもアイスリボンらしい王者ですし、今後どのような展開が繰り広げられるかも楽しみが膨らんできました。大会全般を見ると、序盤からジェラシーのぶつかり合いがあったり、また6人タッグがもの凄い盛り上がりをみせたことで、満員の観衆を引き付け、最後のカウントの大合唱に繋がるという中身の濃い大会だったと思います。次のホール大会は2週間半後とすぐそこに来ています。この盛り上がりをどう繋いでいけるか楽しみに流れを追っていきたいと思っています。