昨夜、書こうと思って準備をしていたらそのまま爆睡→メンテタイム突入→仕事へ。ということで時間が経ってしまいました。日曜日に観劇、無事昨日千秋楽を迎えた劇団DOGADOGA+第6回公演『贋作・人形の家2009』の感想です。



ストーリーは、健康食品を販売していたマリオがその商品を服用した顧客が効果なく死んだと訴えられたところから始まります。そのことから半ば記憶喪失気味にさ迷い歩きたどり着いた錦糸町。そこにある踊り子キャバレー”人形の家”。そこにボーイとして住み込みで働くことになり、メンバーの自己紹介を受けたあと踊り子の1人オラこと君子の着替えを手伝うこととなる。それがきっかけで恋愛感情が高まるのだが、実は君子は多額の借金をしていて故郷青森に旦那・子供を置いて上京している身。その亭主が君子を探して上京して借金を一括返済し青森に連れ戻そうとしたからさあ大変。どうするマリオ。というのが本筋。そこに別の恋愛沙汰や、裏の人間関係の複雑な模様などが入り乱れた。人間の本質を問いたお話(若干違っているかも知れませんが)。



とにかく、展開がそんなに急ピッチでもなく分かりやすい流れ(最初のマリオが錦糸町に来る前の場面は最後になるまで判り辛かったけど)本当にあっという間でした。裏社会的な部分も決してどす黒かったりじめじめすることなく描かれていたので、そういうのが苦手な自分でも芝居の中に入っていけました。



あとはやはりダンスの凄さと衣装の大胆さでしょうか。踊り子はセーラー系の可愛いのからそれこそ妖艶なドレスっぽいのまで。男優陣も着流しやら露出度の高いかなり過激な革の上下までクオリティーの高いエロスをふんだんに取り入れた衣装。そして随所に見られた磨き上げられたダンス。さすがでした。



そんな中“エース”松本都さんは踊り子3人娘の1人まり役を熱演していました。この3人娘。源氏名が『園まり・中尾ミエ・伊東ゆかり』って演出担当の望月六郎さんの青春時代のアイドルの名前ではないですか?それはさておき前半からセリフも結構ありDOGADOGA+の中心人物の1人といったところをしっかり出していましたが、インパクトを与えたのは休憩を挟んでの後半。寮に戻って寝る前のリビングで正に人形のごとき表情を作り出した際と、オラを巡ってマリオと亭主兵平がリング上で綱引きのごとく取り合う場面での場内MCをする場面。MCの際にはこの日から上だけアイスリボンのジャージを着て登場。これがセコンドならリアル感バッチリなのですけど・・・。それでもかなりの長台詞。全く静と動という真逆の演技を演じ切っていたのはさすがの女優魂を感じましたね。



以前にもいくつかの小劇場での芝居を色んなお付き合い方々観に行ったことがありますが、これだけのクオリティーの高いエロスや、人間関係に引き込まれたのは恐らく無かったのでは。いくら札止めの無い浅草東洋館とはいえ土日立錐の余地も無い定員(202人)オーバーと言うのもうなずける内容でした。



主要な5人の踊り子を含め全員が素晴らしかった舞台。実は私は原作を知りません。その上舞台が苦手な自分でも引きこめれてしまったDOGADOGA+。次回は来年5月に『贋作・伊豆の踊り子』が上演されるそうです。舞台が始まる前は『これが最後の部隊になるかも』と言っていたエースもどうやら踊り子としてこの舞台にも立つようです。その際には出来る限り都合をつけて観に行きたいと願っています。それまではマルチタレントとして忙しいでしょうけど、頭脳系怪奇派レスラーとしてリングに新たな旋風を巻き起こしてもらいたいです。



出演者の皆さん、スタッフの皆さんお疲れ様でした。また初夏に素晴らしいダンスとエロスの世界に招待してください。