吉祥寺東口。東急百貨店の前の道を左折、藤村女子高校の奥にある弁天湯を訪れました。



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来年で築40年になるという一軒家銭湯。ロビーにある店の紹介文によると戦後直ぐに東急の場所に立てられたのをデパート開業に伴って学校の奥に引っ越してきたそうだ。今書いたように玄関の奥はロビーになっていてこれが実に広い。ゆったりとできる応接セットの周りには有名人のサインや写真パネルが並び幅広い層から親しまれているのが分かります。



脱衣場はシンプルな造りで壁の周りと中央にロッカーがある以外は特徴的なものはなく、昔ながらのアナログ体重計と手動式のマッサージ機が伝統の趣を出しています。島のロッカーの前方には大きな縦長ロッカーもあるので地域柄楽器などを入れるのには便利ですね(もっともスケートボード持参で来店していた人を見たのにはビックリしましたが・・・)。



浴室。島カラン2列でしかも1列7,8人分と実に広い室内。妙に壁側に固まって人がいるなぁと思ったら、伝統銭湯らしく島カランには板ガラスだけでシャワーが無い。立ちシャワーも無いので自然とシャワーのある側に集まってきたのでしょう。ただそのシャワーは場所によって湯量にバラつきがあるようです。カランそのものは丁度良い湯なのですけど。



浴槽。1列の伝統的なスタイルですがその中でも工夫を凝らして3槽に分かれています。左側が深くなっていて7穴の座り風呂が2つ。真ん中は浅い気泡風呂で奥の檻の中には蛙の置物と一緒に鉱石がびっしりと詰まれここを利用してラジウム泉を作っています。その浅い湯の一角には電気風呂も設置されています。そしてその横には常設の薬湯。浅いですがやや広めの中この日はローズヒップの入浴剤が入ってました。全体的に42℃前後の標準の熱さ。気持ち気泡が熱く薬湯が温いかなと思いますがさほどの変化は感じませんでした。



その浴槽の奥には男女双方に跨った大きなペンキ絵。早川師の描いた富士を望む伊豆の絵で昨夏に作られた絵は天井がアーチ状ということで上まで青く塗られ迫力満点です。現在いらっしゃる3人の背景画師の中で一番迫力があって元気を貰いたいときには見ておきたい絵を描いてくれますね。



立地条件の良さから人がひっきりなしに出入りする人気の銭湯。これでも最盛期の15%以下になったとか。年に1度ロックライブを開催したり、時代に合わせて顧客のニーズに合わせた経営をされているようでそれが皆に親しまれている証拠なのでしょう。立派な設備はありませんがどことなく懐かしさをかもし出すとても落ち着ける良い銭湯でした。